Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」レビュー/トリビアチェックポイントです。
この記事では、「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。
この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2の他のチャプターのエピソード、シーズン1のエピソードガイドは、以下のカテゴリーからご参照ください。

ディズニープラス(Disney+)で独占配信の『スター・ウォーズ』実写テレビドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。

ディズニープラス(Disney+)で独占配信の『スター・ウォーズ』実写テレビドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」レビュー
コルサントとゴーマンでの「実に楽しい夜」
「実に楽しい夜だ」
このエピソードタイトルは、「What a Festive Evening this has become」というオーソン・クレニックのセリフから取られている。
このセリフとエピソードタイトルの通り、元老院の宣誓式の後に行われるパーティーにてダヴォ・スカルダンの収集品のティニアン写本に仕掛けた盗聴器の撤去を試みるルーセン・レイエルとクレヤ・マーキ、帝国が輸送する武器強奪作戦を行うゴーマン戦線に参加するヴェル・サルサ、シンタ・カースと、コルサントとゴーマンでのそれぞれの一夜を、3BBYのストーリーアークのクライマックスとして据えたエピソードだ。
ゴーマン戦線の評価について、ルーセン・レイエルに報告するキャシアン・アンドー。キャシアン・アンドーは彼らの未熟さから手を引く考えだが、ルーセン・レイエルはゴーマンの重要性を説く。
キャシアン・アンドーによるゴーマン戦線への接触が不発となる一方で、ルーセン・レイエルは別の手も打っていた。ヴェル・サルサをゴーマンに送り込んだのだ。
ビックス・カリーンが待つコルサントの隠れ家に帰ったキャシアン・アンドーは、ひとときのやすらぎを得た直後、不在中にルーセン・レイエルが訪れていたことを知り、ルーセンが自身にこのことを伝えなかったことに不信感をあらわにする。その怒りのあまり、リスクもかまわずルーセン・レイエルのアンティーク・ショップである銀河古美術名品展に押しかける。ルーセン・レイエルは、ビックス・カリーンが立ち直れないならば手遅れになる前にどうするか決めろと告げるが、キャシアン・アンドーは命を捧げているのだから協力をしろと返す。
ヴェル・サルサは、ゴーマンでシンタ・カースと合流。ヴェル・サルサと恋仲であったにも関わらず、長らく音信不通となっていたシンタ・カースは事故に遭っており、ヴェル・サルサには心配をかけないようにこのことを内密にするようルーセン・レイエルに頼んでいたことを明かす。わだかまりが消えていく2人。
ゴーマン戦線との作戦会議で、ヴェル・サルサはブラスターを携帯するのは自身とシンタ・カースのみであるなどの指示と、指揮系統を遵守することが決行の条件であると説明。ゴーマン戦線は経験不足であるとはいえ、よそ者が指揮を執ることにゴーマン戦線のメンバーは不満を隠さない。
一方、薬を手放せないビックス・カリーンは、新たな任務を知らせるシグナルをキャシアン・アンドーと確認する。
静と動、加速度的に増すスリル
元老院宣誓式が行われ、ダヴォ・スカルダンの宣誓式パーティーに向かうモン・モスマとペリン・ファーサ。そしてルーセン・レイエルとクレヤ・マーキも、ダヴォ・スカルダンの収集品のティニアン写本に仕掛けた盗聴器の撤去を試みるためパーティーに参加する。
クレヤ・マーキは、パーティーの場にいたISB(帝国保安局)のヤング監査官を脅し、盗聴器の撤去の際の目隠しとなるよう協力させる。
ダヴォ・スカルダンの収集品のお披露目の場には、オーソン・クレニック長官もいた。モン・モスマとの間に緊張が走る。
ゴーマンでは、すべてがISBの計画の中にあるということを知らず、予定通り帝国輸送キャリアーをゴーマン戦線が襲撃。
現地からのシリル・カーンの報告により、コルサントの帝国保安局コントロール・センターでは部外者を締め出し、デドラ・ミーロとリオ・パータガス少佐が状況をモニタリングしていた。
視力ではなく、触覚で「読む」ティニアン古写本。盗聴器の撤去が難航するクレヤ・マーキとヤング監査官に、モン・モスマと意見の対立を見せるオーソン・クレニックを引き連れてダヴォ・スカルダンのグループが近付いてくる…
ゴーマンでも、停止した帝国輸送キャリアーの周囲に騒ぎを聞きつけた市民たちがやってくる。ゴーマン戦線のメンバーがこれに対応する中、不測の事態が起こる…
静の盗聴器撤去、動の武器強奪作戦ともいうべき、異なる特色を持った作戦が交互に描かれていくエピソード後半は加速度的にスリルが増していく。
特に、オーソン・クレニックら帝国の要人たちも間近にいる中でのクレヤ・マーキによる盗聴器の撤去は、いつ見つかってしまってもおかしくない、手に汗握るシチュエーションを作り上げている。
再会から間もない、突然の別れ
「キャシアン・アンドー」シーズン2 第2話「サグロナ・ティーマ」で、ヴェル・サルサは恋人であるシンタ・カースとはタイミングが合わなかったのだと関係の破綻を口にしていたものの、第3話「収穫」にてテイ・コルマの暗殺を実行するシンタ・カースを見かけてしまう。
それからさらに1年後、ようやくヴェル・サルサは音信不通だったシンタ・カースと再会し、愛情を確かめ合ったばかりなのに、「キャシアン・アンドー」特有の現実の無情さを思い起こさせるようなあっけない死を迎えることに。
それも銃撃戦などではなく、友軍であるゴーマン戦線のサムの誤射によるものという、シーズン1 第6話「目」でのカリス・ネミックのような英雄的ではない死である。
ヴェル・サルサの指示を遵守せず、取り返しがつかないことを引き起こしてしまったサムは後悔のあまり泣きじゃくる。ヴェル・サルサは、シンタ・カースがどれほどかけがえのない人だったか、そしてサムにこの事を一生抱えて生きていくよう告げる。ヴェル・サルサを演じるフェイン・マーセイは、湧き上がる怒りと悲しみを抑制し、最愛の人が失われても冷静さを保つという複雑な演技を見せてくれる。車両の中に街灯が差し込み、その表情が露わになる照明も演技を引き立てている。
復讐を遂げた夜
上記のように、エピソードの山場はゴーマンでの帝国輸送キャリアーの襲撃とコルサントのパーティーでの盗聴器除去となるため、このシーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」ではキャシアン・アンドーの出番は多くはないが、大切な存在となっているビックス・カリーンを気遣うも、傷を負った状態でどこまで過酷な反乱活動を続けられるのか、目の前に疑問符が表れて葛藤する。
しかし、エピソード中盤で現れた次なる任務のシグナルが、エピソードの終盤に大きな驚きとともにビックスとキャシアン、そして視聴者の溜飲が下がる結末をもたらす!
フェリックスでビックス・カリーンを拷問して大きな傷を残したドクター・ゴーストを、自身と同じ目にあわせ復讐を果たしたのだ。
このエピソードの序盤で、リオ・パータガス少佐はドクター・ゴーストがその尋問の成果により、専用施設が作られISBだけではなく帝国軍情報部でも用いられることをヤング監査官に告げている。
ヤング監査官はルーセン・レイエルと通じているので、反乱活動にとって脅威であるドクター・ゴーストとその専用施設を帝国軍情報部が運用する前に抹消作戦が行われることになったのだろう。
リオ・パータガス少佐から話を聞いたヤング監査官の表情を追うカットは、このことを意味している。
ゴーマン、コルサントでのそれぞれの一夜。ドクター・ゴーストに復讐したことで、ビックス・カリーンの傷は癒えるものなのか。サムはシンタ・カースの命を背負って、帝国と戦っていけるのか。残されたヴェル・サルサは?
この夜が明けると、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』まではあと約2年だ。
「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」トリビアチェックポイント
ポート・スティアガード
オープニングでキャシアン・アンドーがルーセン・レイエルと合流するポート・スティアガードは、これまでの「キャシアン・アンドー」で帝国軍の基地があると言及されてきたスティアガードと似た名称であるが、その場所はリマ・トレード・ルートにあると紹介されている。
しかしスティアガードのハイパースペース・ルートは、Star Wars Galaxy Mapによるとハイディアン・ウェイにあるため、リマ・トレード・ルートにあるポート・スティアガードとは名称が似ているだけで、別の場所であると思われる。
コレリアン・ハウンド
キャシアン・アンドーがルーセン・レイエルのフォンドア・ホールクラフトに乗り込む際に、ポート・スティアガードの路上にはコレリアン・ハウンドが通りかかる。
コレリアン・ハウンドは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のコレリアのシーンにて、逃走するハンを追跡していたクリーチャー。「キャシアン・アンドー」シーズン1でも、コレリアン・ハウンドはフェリックスの街中や宇宙船の駐機場にいた。
宣誓官
元老院宣誓式での宣誓官は、書籍「Star Wars: Dawn of Rebellion: The Visual Guide」にて設定されていたもの。劇中での登場は、この「キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」が初となっている。
ベイル・オーガナ役はベンジャミン・ブラット
ダヴォ・スカルダンの宣誓式パーティーに到着したモン・モスマとペリン・ファーサは、同じく宣誓式パーティーを巡っていたオルデランのベイル・オーガナ元老院議員と出会う。
このベイル・オーガナは、これまでの実写作品のキャストであるジミー・スミッツではなく、テレビドラマ「LAW & ORDER」などで知られるベンジャミン・ブラットが演じている。
これは「キャシアン・アンドー」シーズン2の撮影時期に、ジミー・スミッツのスケジュールがどうしても取れなかったためのキャスト交代であると、製作総指揮のトニー・ギルロイは明かしている。
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「キャシアン・アンドー」に直結する『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ではジミー・スミッツが演じるベイル・オーガナが登場するため、ジミー・スミッツが出演できなかったことは残念である。
もっとも、アニメーション作品に目を向ければジミー・スミッツが演じていないベイル・オーガナも多く、「クローン・ウォーズ」や「反乱者たち」、「バッド・バッチ」では、フィル・ラマールがベイル・オーガナを演じていた。
マクラーレン・テクノロジー・センターでの撮影
帝国保安局コントロール・センターは、「キャシアン・アンドー」シーズン1にてコルサントの宇宙港のシーンが撮影されたイギリスのウォキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センター内のOKXソート・リーダーシップ・センターで撮影された。
作動不能音
武器を輸送する帝国輸送キャリアーがシンタ・カースによって仕掛けられたイオン・チャージで作動不能になる際に、ミレニアム・ファルコンのハイパードライブが起動しない際に発するものに近い効果音が聞こえる。
「キャシアン・アンドー」シーズン2は、Disney+ (ディズニープラス)で配信中。

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