「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

キャシアン・アンドー シーズン2 レビュー/トリビア
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 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2の他のチャプターのエピソード、シーズン1のエピソードガイドは、以下のカテゴリーからご参照ください。

キャシアン・アンドー シーズン1 レビュー/トリビア

ディズニープラス(Disney+)で独占配信の『スター・ウォーズ』実写テレビドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。

キャシアン・アンドー シーズン2 レビュー/トリビア

ディズニープラス(Disney+)で独占配信の『スター・ウォーズ』実写テレビドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。

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「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」レビュー

張りつめていくゴーマンの糸

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 前話である「キャシアン・アンドー」シーズン2 第6話「実に楽しい夜だ」から1年後、2BBYのストーリーアークがこの第7話「メッセンジャー」から始まる。いよいよ、あと約2年に迫ってきたこともあり、ヤヴィン4のグレート・テンプルやデイヴィッツ・ドレイヴン将軍、またUウィングも登場し、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が近付いていることがわかる。

 ヤヴィン4のグレート・テンプルでは、反乱勢力が基地を築いて続々と兵員を集め、軍隊のように規律を立てていた。周囲の野営地の中には、以前に受けたブラスターの傷が癒えないキャシアン・アンドーと、ビックス・カリーンが住まう小屋がある。

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 修理任務からヤヴィン4に帰還したウィルモン・パークは、ルーセン・レイエルがキャシアン・アンドーを頼れるか連絡を取りたいと様子を尋ねていることを明かす。

 ウィルモン・パークは、ルーセン・レイエルの指示でゴーマンに出入りしており、コードネーム「アクシス」のルーセン・レイエルを追っているISB(帝国保安局)のデドラ・ミーロの警備が手薄であるため、暗殺を図ろうとしていた。デドラ・ミーロはフェリックスで蜂起した市民に武力行使し、ウィルモン・パークの父であるサルマン・パークを殺している。

 このヤヴィン4でのシーンの後につなげられているデドラ・ミーロのカットは、彼女の横顔に影が落ちるような照明となっている。シーズン2から、シリル・カーンとの同居生活といったISBの制服を着ていない時間の描写も重ねられていたが、改めて帝国という体制の中で幼少期から育ってきたデドラ・ミーロの暗部を強調し、思い出させてくるかのようだ。

 ゴーマンは、帝国に反対するテロが続発していると報道されており、パルモの帝国宇宙軍ターミナルも爆破された。夜間外出禁止令も発令され、帝国の思惑通りに緊張が高まっている。

 パルモ広場にて、メディアのレポーターがゴーマンの現状を報道する様子は現実のテロなどの脅威によって緊張状態にある地域を見ているかのようなリアルさがある(『スター・ウォーズ』ギャラクシーのニュース報道はカム・ドロイドが一台のみの取材のようだが、ディレクターの役割もカム・ドロイドが担ってくれるのだろうか。そうではないとしたら、レポーターが大変過ぎる…)。

 リオ・パータガス少佐は、当初の予定通りカルカイトの採掘を行うためゴーマンの住民を強制移住させることをデドラ・ミーロに指示。48時間で艦隊を配置するというオーソン・クレニックの予定のため、すみやかに戒厳令を発令することが必要であるという。

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 しかし、ISBの真の目的を伏せられており、反乱分子をゴーマンに誘い出すことが目的だと考えていたシリル・カーンは、パルモの帝国宇宙軍ターミナルの爆破など知らない件も表れてくるに至り、いよいよデドラ・ミーロに不信感を抱いている。

すぐそこにある、「見えざる脅威」

 対するゴーマンは、ダシ・オラン元老院議員は事態がここまでエスカレートするとどうすることも出来ず、もはやあきらめてしまっている。

 「キャシアン・アンドー」シーズン2 第4話「ゴーマンに行ったことは?」において、再判令の廃止に向けてモン・モスマが動いていた時に、帝国にさらににらまれないよう協力を断ったことも悔いているようで、勇敢で懸命なモン・モスマを称賛し、礼を言う。

「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第4話「ゴーマンに行ったことは?」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】
「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第4話「ゴーマンに行ったことは?」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 ダシ・オラン議員としては、帝国からの圧力がさらに強まらないようにしつつ、ゴーマンのために動かなければならない難しい立場であったが、ISBが作った大きな陰謀の前ではこれに気付くこともできなかった。

 ISBの思惑通りに動いてしまったゴーマン戦線も、民族としての尊厳を保とうとすることくらいしかできない。

 4BBYの「キャシアン・アンドー」シーズン2 第1話「1年後」で、前年に輸送路の封鎖が行われた際に帝国の査察に難色を示し、査察官に犠牲者が出たことはゴーマンが尊大であるというイメージを与えたが、これらは帝国軍の啓蒙省によって作られたストーリーであり、意図した印象操作であったことが語られている。

 このプロパガンダの流布から、徐々にゴーマンの逆風が強まっていき(その過程は、3BBYを描いた「キャシアン・アンドー」シーズン2 第4話「ゴーマンに行ったことは?」でも伺える)、2BBYでは実際にゴーマンの情勢は悪化して思惑通りに反乱活動が起き、シリル・カーンやダシ・オランの言動からは帝国側が自作自演の破壊活動を行っていることが示唆され、さらに火に油を注ぐにまで至っている。

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 これは遠い昔、はるか彼方の銀河系の出来事というだけではなく、今の我々が生きる社会が直面している「見えざる脅威」だ。

 2016年、政治コンサルティング企業のケンブリッジ・アナリティカはFacebookから不正に取得したユーザーデータを用いて、マイクロターゲティングによるWEB広告を展開し、アメリカ大統領選、イギリスのEU脱退についての国民投票に影響を与えた。

 近年は、他にもフェイクニュースの流布や、発言の一部の切り抜きなどによる印象操作が主にSNSで多く発生しており、プラットフォームではユーザーが好みそうな情報ばかりがレコメンドされるアルゴリズムによって、同じ特定の考えを持つ者の発信ばかりが届くようになり、異なる考えは見えにくくなっている。

 「キャシアン・アンドー」の劇中では、帝国軍の啓蒙省が具体的にどのような方法を用いて印象操作をしたのかは描かれていない。ただもし、あるひとつの方向へと世論を誘導する企みがあり、気が付いた時には当事者たちですら打つ手がなく、何もできない状態に追い込まれてしまうとしたら。

 ゴーマンが陥った状況は、今だからこそその恐ろしさが痛切に感じられる。優れたフィクションは、現実世界の写し鏡になっているのだ。

 また、帝国軍はゴーマンからカルカイトを採掘するにあたって強制的に民衆を立ち退かさせるのではなく、まず世論のイメージ操作を行うという、後の帝国から考えるとずいぶんまどろっこしい方法を取らざるを得なかったという点も興味深い(並行して武器庫も建設してはいるが)。

 曲がりなりにも帝国元老院があったことは、共和国の名残りによって辛うじて帝国の抑止となっていたことがよくわかる。元老院が解散された直後に、デス・スターでオルデランを丸ごと破壊するというとんでもない暴挙に出たわけだが、帝国元老院の形が保たれていたことで帝国軍もわかりやすく横暴は働けなかったというわけである。

使命を携えた「メッセンジャー」

 エピソードタイトルにもなっている「メッセンジャー」は、キャシアン・アンドーのことを指している。ヤヴィン4で出会ったフォースを用いる治癒者は、キャシアン・アンドーのブラスターの傷に触れることで、いるべき場所があるメッセンジャーだと言う。自分を形作った過去を抱えているのではなく、進みながら集めていき、使命を持っているのだとフォース・ヒーラーはビックス・カリーンに伝える。

 キャシアン・アンドーが歩む道は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』へと続き、そこで起きた出来事は『新たなる希望(エピソード4)』で大きく花開く。様々な人々をつなげていきながら、帝国軍との戦いに勝利する道へと火花を起こしていく。

 超自然的なフォースの存在を描いてこなかった「キャシアン・アンドー」だが、この後の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で何が起きるかがわかっている状態であるため、フォースの中でのキャシアンの存在が特異であることを明かすことで、シーズン2の折り返しの地点にてその運命を浮き彫りにし、『ローグ・ワン』を鑑賞した視聴者にはその未来を思い出させてくれる。

 このフォース・ヒーラーの言葉は、このエピソードの中心、あるいは「キャシアン・アンドー」というシリーズの核と言えるかも知れない。

 そんな銀河を大きく動かすことになる道のひとつとして、キャシアン・アンドーはウィルモン・パークとともにデドラ・ミーロの暗殺のため、ゴーマンへと向かう。明日にハイパーコムが取り付けられるUウィングを使って、行き先も告げずに出発しようとしていることをデイヴィッツ・ドレイヴンは許可しないが、この頃のキャシアン・アンドーは『ローグ・ワン』と異なり、意に介さない。

 グレート・テンプルで中心になっている反乱勢力とルーセン・レイエルの指揮系統は異なっており、ヤヴィン4に集まり規律を整えている最中ではあるものの、まだまとまりのない集団であることがよくわかる。それでもデイヴィッツ・ドレイヴンはキャシアン・アンドーを評価しているようで、彼を昇格しようとしているが自分の気が向くままに行動していることが悩みのタネであることを、ヴェル・サルサはビックス・カリーンに話している。

 「キャシアン・アンドー」シーズン2 第5話「友達はあちこちにいる」で、ヴァリアン・スカイとして会っていた「ターキンの虐殺」で父を亡くしたというホテルマンのさりげない支援も受け、キャシアン・アンドーはフェリックスを破壊し、現在はゴーマンの社会を蝕んでいるデドラ・ミーロの命を狙うべく準備を進める。

 ゴーマンの糸は張りつめ、その限界が近い。

「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2 第7話「メッセンジャー」トリビアチェックポイント

イードゥーの研究所

 リオ・パータガス少佐は、オーソン・クレニック長官のイードゥーの研究所をこの1年フル稼働させてきたものの、ゴーマンで産出されるカルカイトの代替品は見つからず、人工的に作ることもできないと言う。

 このイードゥーの研究所は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にてゲイレン・アーソが勤務していた帝国カイバー精製所のこと。デス・スターのスーパーレーザーに使われるカイバー・クリスタルの研究が行われていた。

デイヴィッツ・ドレイヴン

 飛行計画は提出されているものの、ゴーマンへ向かうという目的地を明かさずにUウィングを出発させようとしているキャシアン・アンドーのもとにやって来たのは、デイヴィッツ・ドレイヴンだ。

 デイヴィッツ・ドレイヴンは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にて反乱同盟軍の将軍として登場した。情報部のキャシアン・アンドーの上官であり、イードゥーの帝国カイバー精製所からデス・スターの情報を持つゲイレン・アーソを救出するフラクチャー作戦を指示。しかし、ヤヴィン4からの出発時にゲイレン・アーソの殺害へと目的を変更して指令していた。

 デイヴィッツ・ドレイヴンを演じているのは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と同じくアリステア・ペトリー。

 またヴェル・サルサは、キャシアン・アンドーは必要とされておりリーダーとするべく昇格をさせたいにも関わらず、勝手なふるまいをしていることについて、ドレイヴンからビックス・カリーンと話すように言われたという。

AL1-L3

 ヤヴィン4のグレート・テンプルをデイヴィッツ・ドレイヴンが歩いていくシーンでは、『スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』に登場したAL1-L3の姿が確認できる。

 AL1-L3はエクセゴルの戦いに駆けつけたということで、エイジャン・クロスのシーンに登場。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でL3-37がケッセルにて起こしたドロイド解放の場に居合わせたことで独立心が確立、1度はスクラップにされてしまったものの少しずつ自らを組み立て直していったという設定を持っている。

 「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」に登場したことで、AL1-L3は『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』から8年後の2BBYの時点で反乱活動に出入りしていたことになる。

ドドンナ

 ヴェル・サルサがドレイヴンとともに言及しているドドンナは、『新たなる希望(エピソード4)』、また『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などに登場したジャン・ドドンナのこと。

 『新たなる希望(エピソード4)』にて、R2-D2とともにヤヴィン4に届けられたデス・スター設計図を解析したドドンナ将軍は、デス・スターの排熱口が弱点であることを発見。レッド中隊、ゴールド中隊のパイロットたちに作戦を説明し、結果としてレッド5のルーク・スカイウォーカーがデス・スターの破壊に成功した。

「石と空」

 ゴーマンにて、デドラ・ミーロの暗殺に赴くウィルモン・パークとキャシアン・アンドーは、「フェリックス」、「石と空」と言って別れる。

 「石と空」は、「キャシアン・アンドー」シーズン1 第12話「リックス通り」にてマーヴァ・アンドーの葬儀の際にフェリックスの民衆が唱和していた言葉だ。

 「キャシアン・アンドー」シーズン2は、Disney+ (ディズニープラス)で配信中。

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summer2005

2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。

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