メイキング・オブスター・ウォーズエピソード3シスの復讐

 「ロード・オブ・ザ・リング」の監督ピーター・ジャクソンはこう言う。
 「映画作りはどうしても現実から逃れられないんだ。脳に接続して夢見るだけでそれが映画になるというなら、いくらでも夢を見ているけれどね」

 そう、映画作りとは常に現実の問題と向き合わなければならない。金銭の問題や、気候など、映画作りにはトラブルがつきもの。想像力だけでは映画はできないのだ。

 シスの復讐製作の過程を日記形式で収めたメイキング・オブスター・ウォーズエピソード3シスの復讐は、この映画がどのようにして作られていったかが克明に記録されており、ルーカスの監督術の一端が見えてくる。


 ジョージ・ルーカスの映画制作は、脚本など撮影準備→撮影→編集→脚本の直し→追加撮影→編集という手順を繰り返す。これにより、映画に磨きがかけられていく。まぁ、この過程を無限に、ことあるごとに(DVD発売とか)繰り返していくのも問題だとは思うが・・・

 この本の最初の日付は2000年9月から始まる。エピソード2の撮影時に、ラーズ家でのラストシーンを撮っていたのだ。しかし、この時はオーウェンがルークを受け取っており、感動的なラストシーンはこの後、様々な素材を切り張りして作られることになる。
 本格的にプロダクションが始まるのはエピソード2公開を控えた2002年4月で、アーティスト達は脚本も出来ていないのに、ルーカスの簡単な説明だけを頼りに7つの惑星のコンセプト・アートを書くことに・・・まさに手探り状態である。

 なかなか脚本を書かないルーカス。遅刻するルーカス・・・

 オペラハウスのシーンは、突然ルーカスが思いつき、急遽即席でボックス席を作ったのだという。迅速に対応したスタッフに脱帽である・・・

 朝5時ごろ起床し、ほぼ16時間労働というハードな現場。それでも、この本からは楽しんで作っている様子が伝わってくる。俳優もスタッフも、困難な状況でもジョークを飛ばし合い、この仕事への愛情が伝わってくる。
 さらにスタッフの一人一人をクローズアップし、生い立ちから、この職場に入ったきっかけまで紹介している。今はILMのスタッフでもはじめは不採用だったという人も何人かいて、本当に実現させたい夢はあきらめないことが肝心であると思い知らされた。
 ムスタファーでのアナキンとオビ=ワンの対決シーンの1カットを、レイヤーごとに分けて紹介しており、デジタル合成の過程がよくわかる。
  
 製作の舞台裏がわかるだけではなく、この本には色々と興味深い情報がそこかしこにある。
 
 スターウォーズは、ジェダイの帰還から100年後に、R2-D2がホイルスのキーパーに語った物語だというルーカスの発言が紹介される。

 初期の脚本では、10歳のハン・ソロがキャッシークに登場、ヨーダとの会話シーンがある。ドゥークーとアナキンの対決では、ドゥークーが母親シミの殺害をタスケン・レイダーに仕向けたことがパルパティーンによって明かされる。また、同じくパルパティーンが、フォースを使いミディ=クロリアンに細胞分裂を起こさせてお前を生み出したのだとアナキンに告げる。これは帝国の逆襲の父親のくだりの再現だろう。

 撮影はされたものの、本編ではカットされたシーンに関する記述も多数。インビジブル・ハンド内での冒険(オビ=ワンが液体燃料の中でドロイドと戦う)や、ダゴバでのヨーダ、モン・モスマらの会合、シャアク・ティを倒すアナキンなど、ぜひ見てみたいシーンが。

 また、この本によると2003年10月にエピソード1のヨーダのパペットをデジタルに置換する作業をエピソード3のウォーミングアップとしてロブ・コールマンが行ったという記述と、将来的な再リリースの際にはべスピンのシーンの修正することを示唆するルーカスの発言もあり、これらのシーンは今年末のDVDで見ることが出来るかもしれない。

 誤植が多いのが玉にキズだが、イマジネーションを具現化する、スクリーンの裏側を知ることができる一冊。

スポンサーリンク
メイキング・オブスター・ウォーズエピソード3シスの復讐
この記事をお届けした
スター・ウォーズ ウェブログの最新記事を、
いいねしてチェックしよう!
関連記事
スポンサーリンク