『スター・ウォーズ』六部作制作の裏側を365日の日誌仕立てにしたメイキング写真集「スター・ウォーズ 制作現場日誌 ーエピソード1~6ー CREATING THE WORLDS OF STAR WARS 365 DAYS」が、12月12日(月)に発売されます。
本書は『エピソード4/新たなる希望』でのチュニジアロケの模様から、『エピソード3/シスの復讐』のデジタル撮影まで、『スター・ウォーズ』六部作における撮影、コンセプトアート、キャラクター造形や小道具・美術・ミニチュアセットの制作といったあらゆる制作の舞台裏を写し出したメイキング写真集。
原書の「Creating the Worlds of Star Wars: 365 Days」は2005年から刊行されていますが、表紙がジャバの宮殿前のC-3POとR2-D2(『エピソード6/ジェダイの帰還』)なので2012年の再販版の邦訳となっているようです。
著者は、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)所属のVFXスーパーバイザーとして、『スター・ウォーズ 特別篇』から『スター・ウォーズ』プリクエル・トリロジーに携わり、最新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では原案を務めたジョン・ノール。
『スター・ウォーズ』制作に携わった当事者がまとめたメイキング本だけあって、掲載された写真もそのエピソードも興味深いものばかり。ジョン・ノールがその場にはいなかった『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーの制作現場については、ローン・ピーターソンら当時のスタッフから協力を得て編集されています。
ここでは、発売前の「スター・ウォーズ 制作現場日誌 ーエピソード1~6ー CREATING THE WORLDS OF STAR WARS 365 DAYS」からいくつかのページをご紹介します。
『スター・ウォーズ』六部作
制作の舞台裏を写した秘蔵写真&エピソードの数々
『エピソード4/新たなる希望』にて、ドロイドを捜索するサンドトルーパーをチュニジアロケにて撮影。サンドトルーパーのアーマーがスタッフによって塗り直されています。
『エピソード4/新たなる希望』より、ルークのランドスピーダーの撮影。浮遊するランドスピーダーを表現するために、長いアームの上にランドスピーダーを設置したり(ルークが乗り降りするシーンで、車体が浮き沈みしてリアルに見える)、管で支えたり、走行するショットでは車輪に鏡の覆いを取りつけるなど、様々な工夫がされていました。
『エピソード5/帝国の逆襲』のホスのシーン。白い背景に白い物体を合成するという、当時としては常識を覆す驚愕の技術が用いられたシーンでした!
『エピソード5/帝国の逆襲』でのミレニアム・ファルコンの屋内の撮影。クラウド・シティの下部に引っ掛かったルークをランドが助けに行く時に使うハッチのエレベーターは、なんとフォークリフトに床を乗せて昇らせていた!まさに撮影の裏側というべき写真です。
『エピソード6/ジェダイの帰還』の第二デス・スター。ミニチュアもすごいですが、マットペイントはまさに職人芸。
『エピソード1/ファントム・メナス』のモス・エスパのシーンは、チュニジアに実際に作られたセットだけではなく、遠景ではミニチュアの建物を合成することで「街」という雰囲気を作っています。
こうした作り方を見ると、むやみにフルセットを建造するのではなく、頭を使って効率的・効果的に撮影していることが感じられます。
『エピソード1/ファントム・メナス』でアナキンが住んでいた奴隷居住区のシーンでも、夜の場面や遠景などでミニチュアやマットペイントの合成が使われています。こうした細かい努力が映画の世界観を形作ります。
『エピソード1/ファントム・メナス』でのポッドレースのエンジン始動シーン。これを撮影した第二班監督のロジャー・クリスチャンは、壮絶なバカ映画として有名な『バトルフィールド・アース』を監督。
『エピソード3/シスの復讐』の頃にはデジタル・マットペイントが駆使されており、非常にリアルで独特の雰囲気を持つコルサントの空が描かれています。
『エピソード3/シスの復讐』にて、共和国ガンシップ内でアナキンについて話し合うヨーダ、メイス・ウィンドゥ、オビ=ワン・ケノービのシーン。ガンシップの床と、キャストが座るコンテナ、そして後でCGに置換されるヨーダのパペット以外はすべてグリーンバック!役者の想像力が試されます…
記事作成ご協力:株式会社玄光社
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。