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「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」レビュー!楽しい時間の輝きと儚さが詰まった、シークエル・トリロジーのエピローグ

 Disney+ (ディズニープラス)で独占配信されている「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」。

 「LEGO スター・ウォーズ/ホリデー・スペシャル」、「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」に続く、ホリデーにちなんだディズニープラスオリジナル「LEGO スター・ウォーズ」シリーズの第3作は、休暇や旅行のひとときの楽しさと、そんな最高の旅もいつか終わりが来る、という解放感とさみしさとせつなさがない交ぜになった、夏休みも終盤のこの時期だからこそ、いや季節感を度外視していつ見ても心動かされる普遍的なテーマを持った快作!

 さらに、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の後を舞台に、レイ、フィン、ポー・ダメロンといったシークエル・トリロジーのキャラクターが集まる最後のバケーションを描いたストーリーとなっており、さながら「シークエル・トリロジーの卒業旅行」と言えるようなエモーショナルさがあって、『フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』、『スカイウォーカーの夜明け』まで見た方には特別な思いを抱けるであろう作品です。

 そんな「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」の魅力をレビュー!「LEGO スター・ウォーズ:サマー バケーション」のストーリーに触れていますので、ストーリーを何も知らずにご覧になりたい方は鑑賞後にお読みください。

 どのような作品なのか鑑賞前に知りたいという未見の方にも、ストーリーとともに本作の見どころを紹介していきますので、事前情報を入れたくないという方以外はお気軽にご覧頂ければと思います。

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3人のフォース・ゴーストがフィンに語る、バケーションの思い出

「スター・ウォーズ:ギャラクティック・スタークルーザー」と同じ舞台でのバケーション

 「LEGO スター・ウォーズ:サマー バケーション」は、レイ、フィン、ポー・ダメロン、ローズ、チューバッカとR2-D2、C-3PO、BB-8が、スタークルーザーのハルシオンで過ごすバケーションを描く。

 ハルシオンは、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにある『スター・ウォーズ』ホテル「スター・ウォーズ:ギャラクティック・スタークルーザー」で乗船する設定のスタークルーザー。

 最近の『スター・ウォーズ』スピンオフでは、ハルシオンが舞台となる作品が多い。

 現実に訪れることが出来るスポットのため劇中でのタッチポイントを増やしているというわけで、「LEGO スター・ウォーズ:サマー バケーション」ではハルシオンを運航するシャンドリラ・スターラインのマークがデザインされたオイル・バスのバスローブをC-3POが着ているし、フィンがサブライト・ラウンジで飲むイェルドゥア・スピッター・ポイズン・ドロップは、「スター・ウォーズ:ギャラクティック・スタークルーザー」に行けば同じ飲み物を飲むことが出来る。

 「LEGO スター・ウォーズ/ホリデー・スペシャル」がレイ、「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」がポー・ダメロンが主人公であったように、「LEGO スター・ウォーズ」ホリデーシリーズの3作目となる「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」では、フィンが主人公に。

 このハルシオンでのバケーションを計画したフィンは、それぞれ別々の道が決まっているため、この旅行が仲間たちが揃う最後の旅行となるだろうことに気付いており、みんなで旅を楽しみたいと思っている。

 しかし、レイはひとりでプールサイドでジェダイの書を読み、ポー・ダメロンはひたすらアクティビティのスケジュールを詰め込んで忙しくしている。ドロイドたちはオイル・バスへ…最高の休暇を過ごすはずだったのに、気付けばフィンはにぎやかな豪華客船の中でひとりぼっちになってしまった。

 みんなで最高の旅を楽しみたいけど、その思いによってかえって楽しめなくなっているフィンの前に、3人のフォース・ゴーストがバケーションの思い出を語る。フィンは先人たちの経験から、休暇について学びを得ていくのだ。前作「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」と同様に、過去を振り返るエピソードによるオムニバス形式を交えた構成となっている。

オビ=ワン・ケノービのダンスパーティー

 まずオビ=ワン・ケノービは、タトゥイーンでルーク・スカイウォーカーを見守る生活をしていた頃に、反乱軍のスパイ活動をしていたコルベット・ヴァレリアと出会い、成り行きでバケーション中の夫婦を偽装した時の話をする。

 ジャバ・ザ・ハットによって奪われて帝国に売られようとしているコアクシウムを奪還するべく、ジャバの誕生日パーティーが行われている宮殿へ。バケーションを装ったオビ=ワン・ケノービは、ヴァレリアがコアクシウムを盗み出す間に気を惹くため、ダンスパーティーのステージで「ガモーリアン・ガール」の歌を披露することに…

 ディズニープラスオリジナル最新作である「オビ=ワン・ケノービ」の時代設定に近く、その姿や表情などの振る舞いも記憶に新しいところだ。ボバ・フェットとの対決では、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の楽曲があたかもボバ・フェットのテーマのように使われているのも面白い!

 ジェダイとして反乱軍の任務を手助けしたということで、完全な休暇なのかというとそうではないが、いきさつはともあれ楽しいひとときを過ごしたのだと言うオビ=ワン・ケノービ。経験から言って、その楽しい時間はずっと続くわけではない、という年長者ならではのセリフに、最高な瞬間の輝きと儚さ、せつなさを感じさせられる。

ダース・ベイダーとパルパティーンのスカリフのビーチでのバカンス

 スカリフに到着したフィンが続いて出会ったのは、なんとスキューバを身に付けたアナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダーの呼吸音は、スキューバダイビングのレギュレーターを使って作られたことをネタにしたもの)!

 アナキンは、どうしてもバケーションが楽しめずヒーローに休暇はないのだと言うフィンに、銀河を征服して退屈し、何もかも忘れてすべてを投げ出したくなるというパルパティーン皇帝へ、スカリフでのバケーションを用意した時の話をする(もちろんダース・ベイダーだった頃のこと)。

 スカリフのビーチにもうんざりして不満ばかりのパルパティーンに、パルパティーンのためせっかくバケーションに来たのにと怒るダース・ベイダー。しかし、ゲーム大会の勝者には「ビーチの支配者」の称号も与えられると聞いて、パルパティーンの支配欲に火が付いた。「支配者」になるべく、2人のシスの暗黒卿はビーチバレーなどのゲームで勝利に向かって邁進する!

 このダース・ベイダーとパルパティーンのエピソードからは、好きなことを見つけて、それを続ければ、たとえ休暇ではなくても毎日が幸せでいられるという教えが得られる。

オーガナ・ソロ家の最後の家族旅行

 最後にフィンはレイア・オーガナから、ハン・ソロとベン・ソロ、チューバッカと行った、最後の家族旅行の話を聞く。

 ベン・ソロがルーク・スカイウォーカーのもとでのジェダイの訓練に向かう前の最後の家族旅行。ミンバンで銀河で3番目に大きな泥の塊を見せられ、父親の思い出話を聞かされ、難しい年ごろのベン・ソロは退屈していた。ハンはベンが危険にさらされないように、ベンがやりたいことであるミレニアム・ファルコンの操縦もさせてくれない。

 続いて向かったエンドアでは、実業家ウィック・クーパーのリゾートへとやって来るが施設は不備だらけ。ベンはウィック・クーパーの娘であるシデロに淡い思いを抱くが、ミレニアム・ファルコンを操縦したことがないとは言えない状況に。さらに不良のラッドがミレニアム・ファルコンを乗り回してしまったことで、ベン・ソロとシデロは危機に陥る…

 ひと夏の恋に、80年代風の不良キャラクターの登場、家族旅行を楽しめない思春期特有の感情と、危険から遠ざけたい親の思いなど、ノスタルジーと普遍性のある親子の関係が入り混じったエピソード。どこかで通った道であったり、これから通る道であったり、その人の人生のステップによって見方が変わりそうなのも面白い。

 何より、オーガナ・ソロ家の「最後の家族旅行」という舞台が情感たっぷりだ。

 旅行が終わり、ルーク・スカイウォーカーのジェダイ聖堂へと向かうベン・ソロと、ハン、レイア、チューバッカが別れるシーンは、お互いに愛の言葉を交わして抱き合っているにも関わらず、その結果がわかっているだけに、この夏が過ぎてすべてが変わってしまうという寂寥感がある。

 レゴのミニフィグなのに、それぞれのさびしさや悲しみを表す表情が豊かに感じられるアニメーションにも注目。

楽しい時間の輝きと儚さが詰まった「サマー・バケーション」

 3人の先人からバケーションの話を聞いたフィンは、最後の旅行ということを意識してしまって、今この時を楽しめていないことに気付き、同じくみんなが揃わなければ楽しくないと気付いた仲間の元へと合流。これまでを振り返りつつ、思い出があれば離れていてもいつも一緒だと、改めてバケーションを楽しむことに。

 旅行に限らず、楽しまなきゃ!最高の時にしなきゃ!と気負ってしまうことで、なんとなく空回りしてしまうことや、せっかく楽しみにしていたのに、思い描いていたようにいかないとシラけてしまったり、なんかがっかりしてしまう経験がある方もいるはず。

 また、楽しいひとときの最中に「この時もいつか終わってしまうんだなぁ…」とふと思うことも私自身経験があり、そんな楽しい時間の輝きと儚さがこの「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」には詰まっている。

シークエル・トリロジーのその先を描いたエピローグ

 「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」は、シークエル・トリロジーのエピローグと思える構成もエモーショナルだ。

 「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」の冒頭シーンがシークエル・トリロジーの始まりとなった『フォースの覚醒』のオープニングシーンのファースト・オーダーの輸送船のパロディとなっていることからも、自覚的にシークエル・トリロジーを振り返っていると思える。

 フィンが『フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』での仲間との思い出を振り返るシーンは、『スター・ウォーズ』映画が毎年公開されていた2015年~2019年という「あの頃」も思い出され、劇中と現実での『スター・ウォーズ』との思い出が重なるようで、二重にグッと来た(そう、『スター・ウォーズ』映画が毎年公開されていたのはまだ3~7年前までだが、「あの頃」と呼んでも差し支えないほどこの間に様々な変化があった)。

 また、オビ=ワン・ケノービはフィンに、ジェダイの悩みを感じ取ったと明言しており、『スカイウォーカーの夜明け』で示唆されたフィンがフォース感知者であることから、さらにその先のジェダイとなる方向を明確に示していることも興味深い。

 留意するべきなのは、「LEGO スター・ウォーズ」シリーズは正史(カノン)ではない作品であるということ。あくまで「LEGO スター・ウォーズ」シリーズとしてのストーリーであり、正史(カノン)とは別の物語であることを理解しつつ、『スカイウォーカーの夜明け』以降のシークエル・トリロジーのキャラクターたちの行く先を想像する一助に、といったところだ。

 あるいはこのシークエル・トリロジーのキャラクターのお別れというテーマは、「LEGO スター・ウォーズ/ホリデー・スペシャル」、「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」と続いてきた、「LEGO スター・ウォーズ」ホリデー・スペシャルシリーズがこれで終了、ということも意味しているのかも知れない。

サマー・バケーションの雰囲気満点の楽曲

LEGO Star Wars: Summer Vacation (Original Soundtrack)

 サマー・バケーションらしい、解放感のある陽気な音楽も「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」の魅力のひとつ。

 ジェームズ・アーノルド・テイラー演じるオビ=ワン・ケノービが熱唱する「ガモーリアン・ガール」に、ウィアード・アル・ヤンコビックが演じる「スカリフ・ビーチパーティ」と、いずれもバカンス気分で元気になれそうなノリのいいボーカル曲となっている。

 ウィアード・アル・ヤンコビックといえば、「ヨーダ」や『エピソード1/ファントム・メナス』にちなんだ「ザ・サーガ・ビギンズ」といった『スター・ウォーズ』パロディソングで知られているが、ついに『スター・ウォーズ』作品に登場することに!

 未公開作となってしまったアニメ「Star Wars: Detours(スター・ウォーズ デツアーズ)」でウィアード・アル・ヤンコビックは声の出演をしていたようだが、満を持しての声優参加となった。

 こちらは2019年の「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ」での『エピソード1/ファントム・メナス』20周年トークパネル開催前にウィアード・アル・ヤンコビックの「ザ・サーガ・ビギンズ」が会場で流れている様子。

「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」とのつながり

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 さらに、「LEGO スター・ウォーズ」アニメーションシリーズの他作品である「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」に登場したオリジナルキャラクターの登場によって、本家『スター・ウォーズ』シリーズと同様にこの世界の中でのつながりが感じられるのは、これまでシリーズを見てきたファンにはうれしいところ。

 オビ=ワンとバケーション中の夫婦を装うことになったコルヴェット・ヴァレリアは、「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」シーズン2に登場した反乱軍パイロット。「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」では、思わぬところでオビ=ワンとの接点があったことが明らかになった!

 ちなみに、今回初めて明かされたコルヴェット・ヴァレリアの「コルヴェット」という名前は、声の出演のイヴェット・ニコール・ブラウンから取られたもの。

 ウィック・クーパーは、「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」シリーズでフリーメーカー三兄弟の顧客で、後にはフリーメーカー三兄弟が住んでいたガレージの跡地でカフェを開業していたお金持ちキャラクター。「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」では、娘のシデロが初登場する。

 「LEGO スター・ウォーズ/オールスターズ」によって、プリクエルからシークエルまでの3つのトリロジーをつなぎ、レゴの世界におけるもうひとつの3世代に渡る家族とドロイドの物語となったフリーメーカー家についての知られざる冒険が、これからも広がっていくことを願いたい。

過ぎ去っていく、今この時を楽しむ

 「LEGO スター・ウォーズ」作品らしいパロディやギャグもありながら、「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」はそれだけにとどまらない魅力がある。

 この旅行が終われば、みんな離れ離れに…でも、今この時を楽しむんだ!という普遍的なテーマを据え、さながらシークエル・トリロジーの卒業旅行のようだ。

 一方で、レゴならではのブロックを組み替えてクリエイティビティを発揮する要素はなく、ならばレゴ アニメーション以外の表現方法もあったストーリーではないかとも思ったが、おもちゃであるレゴの世界で描写されるというのは、子どもにとっては親しみやしく、大人にとってはノスタルジーをかきたてるものでもあり、旅行や休暇と同じように、やがて過ぎゆく子ども時代を連想させるようで、この題材にはマッチしている。

 いつか思い出になるからこそ今、この時を楽しむ。

 「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」は、瞬く間に過ぎ去ってしまう夏の日に、またはその他の季節に過ぎた夏を思い出しながら鑑賞したい一作だ。

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