インダストリアル·ライト&マジック(ILM)によるVR/ARを研究するスタジオのILMxLABが、かねてから制作を発表していたダース・ベイダーをメインとしたVR映像作品のタイトルと、ティーザー予告編を公開しました!
これは、Oculus VRの開発者向けカンファレンス「Oculus Connect 5」にて発表されたもの。
ILMxLABによるダース・ベイダーがテーマのVR映像作品の製作は、2016年の「スター・ウォーズ セレブレーションヨーロッパ 2016」にて発表されていましたが、今回はその詳細が明かされました。
目次
2019年春登場の「Oculus Quest」ローンチタイトル
ダース・ベイダーがテーマのVR映像作品のタイトルは、「Vader Immortal: A Star Wars VR Series(ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ)」であることが今回発表されました。
また、「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」はOculus VRから発表された新たな一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」のローンチタイトルとして配信予定であることも発表。家庭用のVR機器で楽しめるコンテンツであることがわかりました。「Oculus Quest」は2019年春に発売されます。
この「Oculus Quest」は、動作にパソコンやスマートフォンを必要としない一体型のVRヘッドセットであり、ケーブルや外部センサーなども使用しないことが大きな特徴。価格は399ドルで、従来よりもかなり気軽に導入出来そうなVR機器と言えるでしょう。
「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」は、この「Oculus Quest」にとってのキラーコンテンツとなりそうです。
『エピソード3』と『4』の間の
ダース・ベイダーの城が舞台
「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」の舞台はムスタファーで、VR体験の中では『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したダース・ベイダーの城へと入ることが出来ます!
ダース・ベイダーの城内を探索し、よりベイダーについて知ることが出来るとのこと…この作品で初めて判明する、ダース・ベイダーの秘密もあるのかも知れません。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で見ることが出来たバクタタンクの周辺のほか、さらなる深部へも入れることを期待。
時代設定は、『エピソード3/シスの復讐』と『エピソード4/新たなる希望』の間となります。
ハイパースペースから引き戻せる、
インターディクター・クルーザー登場か
「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」のティーザー予告編は、異常を知らせ、コクピットへと船長を呼ぶ声から始まります。このVR作品で、鑑賞者が立つ主観は反乱軍のキャプテンなのでしょうか…
そして、『エピソード4/新たなる希望』のオープニングのように頭上へ現れる戦艦。下部に球状の構造物があることから、重力井戸発生装置を備えたインターディクター・クルーザーであると思われます。重力井戸発生装置は、ハイパースペース航行中の船を通常空間に引き戻すことが出来ます。
これを裏付けるように、ハイパースペースから引き出されることをありえないと言う声も予告編中で聞こえるので、おそらく「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」の鑑賞者は、帝国軍と敵対している組織の人物であり(おそらく反乱軍)、帝国軍のインターディクター・クルーザーによってハイパースペース航行中に通常空間へ引き戻され、ムスタファーのダース・ベイダーの城へと連行されるというストーリーになるのではないでしょうか。
「不滅のベイダー」が意味するものとは
予告編の最後には、ダース・ベイダーが「私がなぜここへお前を連れて来たか、疑問に思っているかも知れないな」と言うシーンもあり、鑑賞者の視点の人物は、ダース・ベイダーが欲しがる何らかの秘密を持っているために捕らえられたとも思われます。このシーンでは、尋問ドロイドのIT-Oの姿も見えるので、聞き出したいことがあるのでしょう。
さすがに「ダース・ベイダーから拷問を受け続けるVR」というのはマニアック過ぎるので、主観となっている人物は何らかの方法でこの場を切り抜け、ダース・ベイダーの城内を移動していくことになると思われます。
タイトルは邦訳すると「不滅のベイダー」ということになるので、どうやっても倒せない鑑賞者に絶望を与える無敵過ぎるベイダーの姿も期待出来るところですし、後年の『フォースの覚醒』の時代においてもカイロ・レンをはじめとしたダークサイドの信奉者に崇められている所以という意味合いもあるのかも知れません。
「ベイダー・イモータル」は三部作構成に
この「ベイダー・イモータル/スター・ウォーズVRシリーズ」は三部作であることが今回発表されており、「Oculus Quest」のローンチ時にリリースされる作品は「エピソード1」となっています。
この三部作化については、VRで長時間のコンテンツを視聴することは身体への負担が大きいことがあるので、長尺のストーリーを三分割したような構成にすることで、鑑賞にあたってストレスを少なくする目的があるのではないかと思われます。
2作目、3作目がどのようなスケジュールでリリースされるかは不明ですが、2019年は「セレブレーション シカゴ」の開催、ディズニーランドの「スター・ウォーズ ギャラクシーズ・エッジ」のオープン、そして本作のリリースと、『スター・ウォーズ』に関する多様で大きなタッチポイントを設けており、そのすべてが「エピソード9」の盛り上げにつながるであろうことを考えると、きれいなスケジューリングがされていることを感じます。
あのダース・ベイダーをVR空間で目の当たりにする体験、圧倒的な恐怖を感じながらもファンにとっては、またひとつ夢が叶うことになりそうです…
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。