『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』には、実は日本人キャストの方が出演していました!その方のお名前は、長井シーナ志保子さん。
長井シーナ志保子さんは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のほかにも、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』、現在日本公開中のマーベル映画最新作『ドクター・ストレンジ』、さらに2017年公開の『ミイラ再生』のリブート作品「The Mummy」といった数々のハリウッド映画に出演されている、世界を舞台に活躍中の日本人なのです。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で長井シーナ志保子さんが演じられたキャラクターは、ジェダ・シティでの市街戦の中で泣き叫んでいてジン・アーソに助けられた、あの迷子の女の子の母親のフイカ・シリュウ(Huika Siliu)。リアルで緊迫感のある戦闘のアクセントになっていた、印象的なシーンでした。
ちなみに、迷子の女の子はペンドラ・シリュウ(演じた子役はアイビー・ウォン)です。この2人のキャラクター名は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のノベライズや「Star Wars: Rogue One The Ultimate Visual Guide」にて設定されています。
今回「スター・ウォーズ ウェブログ」は、そんな長井シーナ志保子さんに独占インタビューをさせて頂きました!
日本からどのようにして海外のエンタテイメントの世界でのステップを歩んで行き、ハリウッド映画での活躍という大きなステージに辿り着いたのか、そしてもちろん『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』撮影時のエピソードについて、お話を伺いました!
長井シーナ志保子さん独占インタビュー第2弾は以下の記事です。
ハリウッド映画出演までの道のり
―― まずは、長井さんが使われている「シーナ」というファーストネームの由来を教えてください。
長井シーナ志保子 「シーナ」と言う名前は、日本で以前オールディーズの歌手をしていた時、呼ばれていた名前なのです。アメリカ人の音楽仲間が、「Shihoko Nagai」を短くして「Shina」とニックネームをつけてくれたのが由来です。
英語圏では「しほこ」とは覚えにくくて発音しづらいこともあり、仕事では「シーナ」と呼ばれる事が多いです。だいぶ前にオペラの舞台をしていた時、監督さんが1ヶ月以上一緒に仕事をしているのに、ずっと「You」と呼ばれた事がありましたので、ニックネームをファーストネームに使って「Shina Shihoko Nagai」と表記しています。
―― 長井さんは高校時代にアメリカの高校へ留学され、その後、日本の大学から再びアメリカの大学へ編入されています。アメリカで学びたいと思われたきっかけは何だったのでしょうか。
長井シーナ志保子 私は小学校の低学年で習っていた英語の先生が、アメリカ人とのハーフだったり、高学年からアメリカの音楽や映画、ミュージカルなどに触れる機会があり、子供の頃から、アメリカの芸術一般に興味がありました。
―― 海外留学を目指された時には、どのような方法で英語を身に付けたのでしょうか。
長井シーナ志保子 洋画と洋楽にはまっていた時期があって、台詞や歌詞を覚えたりしていました。その後高校生の時アメリカに1年交換留学をして、生活の中で覚えていきました。
―― アメリカの大学で絵や写真、そしてダンスと様々な分野のアートを学ばれた長井さんは、イギリスの演劇学校であるドラマセンターロンドンに入学されます。俳優としての演技を本格的に学ばれたのは、このドラマセンターロンドンからなのでしょうか?
長井シーナ志保子 もともとはダンスをしていましたが、コンテンポラリーダンスは演技の要素が入っていますし、アメリカの大学ではダンス学科でしたが、学部は「シアター、フィルム、ダンス学部」でしたので、演技の勉強をする事も映画に出演する事もちょこちょこはありましたので、徐々に学んでいった感じでしょうか。
ロンドンのドラマセンターは、奨学金を頂いたのと、ドラマセンターの教授に入試のオーディションを受けるようにと誘われたのがきっかけで、偶然入学する事になりました。
―― 長井さんは2014年、第二次世界大戦でのインパール作戦を題材にしたショートフィルム『インパール1944』にて、モナコ国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞されました。この作品にご出演された経緯は、どのようなものだったのでしょうか。
長井シーナ志保子 監督さんは古くからの友人で、『インパール1944』の映画を作ろうと考えているとお話を頂き、直接依頼を受けました。
―― そして2015年頃から、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』や、『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』、『ドクター・ストレンジ』、「The Mummy」といったハリウッドやイギリス資本の大作映画に出演されています。
いかにしてこうした世界的な大作映画のお仕事をつかむようになったのか、ターニングポイントとなるようなエピソードがあればお教えください。
長井シーナ志保子 ロンドンのドラマスクールの卒業公演があり、ある作品で主役を務めました。その作品はバフタというイギリスのオスカーのような賞を取った監督さんの作品で、注目してくれたエージェントに誘われキャスティングや仕事をもらい始めました。
『スター・ウォーズ』への出演が決まるまで
―― さて、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の撮影についてお伺いしたいと思います。長井さんが参加されたジェダのシーンの撮影は、いつ頃に行われ、何日間ご参加されたのでしょうか?
長井シーナ志保子 公開から約1年前に、ロンドンの撮影所で数日間撮影しました。
―― 最初にエージェントから『スター・ウォーズ』最新作のお話が入った時は、どのようなお気持ちでしたか?
長井シーナ志保子 様々なオーディションやオファーは日々連絡が来ますので、その時はオファーの中の1つと深く考えず捉えていました。
―― オーディションはございましたか?
長井シーナ志保子 最初にエージェントから連絡が来た時は、とりあえず一番最近撮った写真を送ってと言われました。その時は外で仕事中でしたので、詳しい事は聞きませんでしたが、母親役でしたので、子供と顔をマッチングするためかなと思いました。
その後トントン拍子でキャスティングされ、撮影の運びになりました。
『ローグ・ワン』本編から削除されたカットの内容
―― 『ローグ・ワン』の小説版では、長井さんが演じられた「迷子の母親」は、フイカ・シリュウ(Huika Siliu)というキャラクター名となっています。撮影時には、この役名は存在していましたか?
長井シーナ志保子 キャラクター名は当日変わるかも知れないと言われました。
―― 撮影されたものの、本編では使用されなかったシーンのエピソードがございましたら教えてください。元々は、長井さんが演じられたキャラクターにもセリフが存在したと伺いましたが、それはどのような内容だったのでしょうか?
長井シーナ志保子 本編で使われたシーンはかなり短くカットされてしまいましたが、実際は台詞があって、まず私が子供の名前を呼び捜しているシーンがあり、その後ヒロインのジンが助けてくれたと知り、駆け寄り御礼を述べるが、ジンに早く行った方がいいと促され立ち去るというシーンでした。
―― 長井さんが参加されたシーンの撮影を指揮していたのは、ギャレス・エドワーズ監督でしたか?
長井シーナ志保子 ファーストユニットとセカンドユニットがあり、ファーストユニットのときがギャレス監督でした。
厳重!『ローグ・ワン』撮影現場の雰囲気は
―― 『スター・ウォーズ』の新作映画といえば、作品に関する情報の扱いがきびしいかと思います。撮影現場のセキュリティはやはり他の作品の現場よりも厳重でしたか?
長井シーナ志保子 撮影所内での撮影ではありますが、屋外の移動のときは必ずマントを着なくてはなりませんでした。衣装もコンフィデンシャルのため、上空から撮影される事も警戒しての事でした。
―― やはりドローンも警戒しているのですね…徹底しています。撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
長井シーナ志保子 撮影は待ち時間も長いので、その間は和気あいあいとですが、撮影自体は日程の変更があり、変更になった当日に午後から私は別件の撮影が後に入っていたこともあり、また子役の撮影時間も制限がありましたので、時間との闘いもあり緊張感はありました。
―― 参加されたシーンには、フェリシティ・ジョーンズやディエゴ・ルナといったチーム「ローグ・ワン」の面々を演じたキャストもいたかと思いますが、彼らと撮影時にコミュニケーションを取られましたか?
長井シーナ志保子 私のシーンは子役をのぞいては、フェリシティと一対一の会話のシーンでしたので、最初に現場に行った時、監督さんがフェリシティを紹介してくれて、挨拶を交わして簡単なお話をしました。
好きなことを続けていくことが、道を開く
―― 親しい方に『スター・ウォーズ』に出演することを伝えた時のご反応は、いかがでしたか?
長井シーナ志保子 私自身ももちろん『スター・ウォーズ』は大人気の映画とは知っていますが、職業柄ほかの仕事と同じ、仕事の1つととらえていた事もあり、他の人の反応で、大きな仕事だったなと改めて感じました。
―― 『ローグ・ワン』をご覧になって、いかがでしたか?
長井シーナ志保子 自分が参加した作品は、あのシーンはこのように編集されたんだ、知り合いの役者さんがあそこに出てる、などといつも興味深く見ています。客観的に作品自体を評価するのが難しいこともありますが、とても面白い作品でした。
―― 様々な分野で海外を目指されている方が多い中、多くのハリウッド映画に出演され、さらには『スター・ウォーズ』にも出演された長井さんのお話は、多くの方々が興味を持たれ、また勇気付けられることかと思います。
世界に向けてチャレンジしている日本の方に、メッセージがございましたらお願いします。
長井シーナ志保子 映画の仕事は決して華やかで楽しい事ばかりではないですが、こうして長く続けていけるのも、自分が好きな仕事だからだと思います。自分がやっていて楽しいと思える瞬間を大切にしています。
人生で手に入れたいもの、目標は人それぞれと思いますが、私自身は好きだと思った事しか長くは続けられないので、好きだと思っている事をとにかく一所懸命続けていけば仕事につながっていくのだと実感しています。
長井シーナ志保子さんへのインタビュー、いかがでしたでしょうか。
自分が好きだと思うことを続けていくこと。
何かを続けていくことは、たとえ好きなことであってもその裏には大きな努力が不可欠です。これをコツコツと続けることが、やがて世界の大きな舞台への道へ続いて行き、数々のハリウッド映画や『スター・ウォーズ』へと辿り着くことになったのでしょう。
『スター・ウォーズ』に日本人が出演しているということは、夢を追う多くの方々にとっても勇気付けられる事実ではないでしょうか。
『スター・ウォーズ』に出演した、 その他の日本人キャスト
『スター・ウォーズ』に出演した日本人というと、よく「もしも三船敏郎がオファーを受けて、『スター・ウォーズ』に出ていれば…」であったり、「日本人も出演して欲しい!」という声も多いと思いますが、実は長井シーナ志保子さんのほかにも、これまでに2人の日本人キャストが『スター・ウォーズ』シリーズに出演していることがわかっています。
まず、『エピソード6/ジェダイの帰還』にてグレー中隊のYウィングパイロットであるテルシジ中尉(Lieutenant Telsij)を演じた楠原映二さん(テルシジ中尉を演じたのが楠原映二さんであることを特定した、詳しい記事がNPRに掲載されています)。
そして、『エピソード3/シスの復讐』ではマサ・ヤマグチ(山口英勝)さんが議員役(キャラクター名はなし)で出演。
長井シーナ志保子さんの『ローグ・ワン』への出演は、『スター・ウォーズ』に参加した日本人キャストとしては3人目、そして最初の『スター・ウォーズ』日本人女性キャストという快挙となります。
冒頭でご紹介したように、『ローグ・ワン』以降も続々と出演作が公開される長井シーナ志保子さん。その活躍に、今後も注目です!
コメント
やっぱりあの人か!噂で日本人女性がいると聞いていたので母親かな、とは思ってましたが、インタビューまで出来たんですね!もうブログの域越えてますね…
>匿名さん
ありがとうございます!
「スター・ウォーズ ウェブログ」なのでいつまでもブログなのですが(笑)、
今後もこうした多くの方々が知りたくなるような、オリジナルの記事を
送り出したいと思いますので、今後もよろしくお願いします。