Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン2 第2話「チャプター10:乗客」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター10:乗客」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「マンダロリアン」シーズン2「チャプター10:乗客」までのネタバレを含んでいます。「チャプター10:乗客」に至るまでの本編鑑賞後にご覧ください。
「マンダロリアン」シーズン1のエピソードガイドは、以下のエントリーをご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン1のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「チャプター10:乗客」ストーリー
ディン・ジャリンはザ・チャイルドとボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーを乗せて、スピーダー・バイクでタトゥイーンを走っていた。
その行手には3人の襲撃者が罠を張っており、スピーダー・バイクは転倒し、積み荷とザ・チャイルドは吹き飛ばされてしまう。ディン・ジャリンは攻撃に遭いながらも、2人の襲撃者を倒す。
しかし、残りの1人はザ・チャイルドを人質に取った。ディン・ジャリンは持ち物を何でも持って行けと交渉し、襲撃者はジェットパックを持ち去る。
ディン・ジャリンはザ・チャイルドを保護すると、遠隔操作でジェットパックを操作して襲撃者を上空で振り落とし、自分の手元に戻すのだった。
モス・アイズリーまで徒歩で帰ってきたディン・ジャリン。カンティーナでは、ペリ・モットーがサバックをしていた。ディン・ジャリンは、コブ・ヴァンスからマンダロリアン・アーマーを得たが、マンダロリアンの同胞の情報は途絶えてしまった。サバックの対戦相手のドクター・マンディブルは、賭け金の500クレジットを肩代わりしてくれたら、助けになれると言う。
ディン・ジャリンが支払うと、ペリ・モットーはイディオット・アレイの手札で勝利した。ドクター・マンディブルは、マンダロリアンの居所を知る情報源をハンガーへ行かせると言う。
ペリ・モットーのハンガーでは、トレッドウェル・ドロイドがクレイト・ドラゴンの肉を焼いていた。ペリ・モットーによると、マンダロリアンはこのセクターの隣の星系にいると言う。
情報源は、情報料はなしで良いと言っているが、情報源本人もその星系に連れて行くことと、ハイパードライブを使用せず亜高速で航行することを条件としていた。
その情報源とはカエルに似たフロッグ・レディで、彼女は受精可能な期限が迫っていてハイパースペースでは死んでしまう卵を抱えており、コル・アイベン星系の衛星トラスクにいる夫のもとへ行きたいのだと言う。
フロッグ・レディを乗せて、タトゥイーンを発つレイザー・クレスト。コックピット内では、ディン・ジャリンがフロッグ・レディとのコミュニケーションを試みるが、言葉が通じない。一方、ザ・チャイルドはフロッグ・レディが持つ卵を丸飲みにしていた。
眠りについていたディン・ジャリンは、コックピットで鳴る計器の音で起きた。新共和国軍のXウィング2機が通信してきたのだ。レイザー・クレストからトランスポンダー・シグナルが発せられていないという新共和国軍のカーソン・テヴァからの指摘に対して、ディン・ジャリンは対処することを告げた。
しかし、続けて発信音の送信も求められる。ごまかそうとするディン・ジャリンだったが、識別不可能な場合は同行して飛行記録を調べなければならないと言われる。仕方なくディン・ジャリンは、機器が直ったフリをして発信音を送信する。
新共和国軍のパイロットたちは、別回線で通信し始めた。ほどなくして、レイザー・クレストと並走していたXウィングのSフォイルが攻撃状態に展開され、新共和国の監獄船ボサン5に近づいたことがあるか質問される。
ディン・ジャリンはレイザー・クレストを急加速させ、近くの惑星マルド・クレイスの上空に逃げ込む。追いかける新共和国軍のXウィング。
レイザー・クレストはXウィングを振り切ったものの、氷の峡谷に不時着した上に、着陸した氷床の陥没にも見舞われる。レイザー・クレストの主動力は起動せず、船体も損傷。その上、惑星の気温は夜になると下がっていくという窮地に立たされる。
眠っていたマンダロリアンを、傭兵グループの一員であったドロイドのQ9-0(ゼロ)の声が起こした。フロッグ・レディが、破壊され放置されていたドロイドの保安プロトコルをバイパスして発声装置に接続したのだ。
フロッグ・レディは、自分の一生のうちで産める最後の卵を持ってきており、夫も生態に適した唯一の星に命懸けで住みかを築いていると説明。ディン・ジャリンは生還すら怪しい状況だと言うが、フロッグ・レディは約束を守ることがマンダロリアンの掟だと指摘する。
レイザー・クレストの修理を始めるディン・ジャリンだったが、ザ・チャイルドが雪の中に残るフロッグ・レディの足跡を見つける。足跡を追うと、氷の洞窟の中にある温泉にフロッグ・レディが卵とともに浸かっていた。
卵に触ることをディン・ジャリンに咎められたザ・チャイルドは、雪洞内に白い卵を見つけて中の生物を食べた。すると、周囲の卵からクモ型のクリーチャーが無数にふ化し、巨大なサイズの個体も現れた。
クモ型のクリーチャーに囲まれた一行は、無事に脱出出来るのか…
「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「チャプター10:乗客」レビュー
案の定、前エピソードのラストで話題を呼んだボバ・フェットのその後についてはすぐに語られることはなく、「チャプター10:乗客」ではマンダロリアンの同胞を探すディン・ジャリンとザ・チャイルドの新たな冒険が繰り広げられる。ボバ・フェットについては「マンダロリアン」のシリーズを通しての謎として引っ張っていくのだろう。
エピソードタイトルが指す乗客は、文字通り卵を抱えたカエルに似た種族の女性。人間で言えば妊婦のようなもので、ディン・ジャリンは赤ちゃん(ザ・チャイルド)に加えて妊婦という守るべき弱者を連れている中、次々と危機的状況がやってくる。制約がある中、絶望すらしそうなシチュエーションの連続は、次の展開が気になるストーリーテリングの楽しさがある。
前エピソードでは控えめ目な登場だったザ・チャイルドは、「チャプター10:乗客」では様々なかわいらしい見せ場(中には、赤ちゃんならではの無邪気な残酷さも…)が用意されており、そのお芝居はシーズン1よりもさらに表現豊かになっている。
合わせて、Xウィングの迫力ある飛行シーンも必見!
また、「チャプター6:囚人」とストーリー上、強いつながりを持つエピソードなのも大きな特徴だ。「マンダロリアン」もシリーズが続いていくと、こうした過去エピソードとリンクする話も増えていくことだろう。
「チャプター6:囚人」での出来事が「チャプター10:乗客」で大きく関わってくることは、よい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるという因果応報を思い起こさせる。
人間は(ジェダイやシスではない限り)清濁併せ持って生きていくものだし、特に依頼主や依頼内容によって倫理観が大きく変わる賞金稼ぎであるディン・ジャリンはその最たるもので、今回はトータルでよい方向に働いたというのも彼らしい。
この「チャプター10:乗客」で、レディ・フロッグを助けたことの因果応報も、この後のエピソードで描かれていくことだろう。
信念に基づいた「よい行い」は、いずれその人の評判となって助けてくれるかも知れない。そう思わせてくれるエピソードだ。
「チャプター10:乗客」トリビアチェックポイント
ペイトン・リード
「チャプター10:乗客」のエピソード監督は、『チアーズ!』、『アントマン』などの監督のペイトン・リード。
ジェットパックを奪ったエイリアン
タトゥイーンでスピーダー・バイクに乗るディン・ジャリンを罠にかけて襲い、ザ・チャイルドをナイフで脅してジェットパックを奪ったエイリアンは、種族名は不明だが『フォースの覚醒』のジャクーのシーンに登場した、スクラップジョー・モティトというキャラクターと同じマスクを付けており、同種と思われる。
スクラップジョー・モティトは、ディズニーランドのテーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」で使えるアプリゲームの「スター・ウォーズ:データパッド」にも登場。
WED−15 トレッドウェル・ドロイド
クレイト・ドラゴンの肉を焼いているのは、WED−15 トレッドウェル・ドロイド。
WED−15 トレッドウェル・ドロイドは、修理ドロイドとして『スター・ウォーズ』シリーズの各所に登場しており、『新たなる希望」ではジャワのサンドクローラーにいたほか、『帝国の逆襲』では反乱軍のエコー基地にいた。
ポッド・レーサーのエンジンで肉を焼く
そんなトレッドウェル・ドロイドがクレイト・ドラゴンの肉を焼く火元にしているのは、ポッド・レーサーに用いられるエンジンだ。
これは「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」内のレストランである「ロント・ロースターズ」で、再利用したポッドレーサーのエンジンの火力で肉料理を提供していることを彷彿とさせる。
『スター・ウォーズ』ギャラクシーでは、エンジンで肉を焼くのはメジャーな料理法なのか…
フロッグ・レディの声はディー・ブラッドリー・ベイカー
カエルに似た種族の女性である、フロッグ・レディの声を演じているのは「クローン・ウォーズ」でキャプテン・レックスをはじめとしたクローン・トルーパーたちなどの声優のディー・ブラッドリー・ベイカーだ。
ハッティーズ
ディン・ジャリンは、フロッグ・レディにハッティーズは話せないのかと試みるが、彼女には通じない。
ハッティーズは、ハット語のこと。ハット以外にも多くの種族がハット語を使っている。
フォースとともにあらんことを
新共和国のXウィングパイロットたちと通信をしていた際に、ディン・ジャリンは「フォースとともにあらんことを」と言う。言わずと知れた『スター・ウォーズ』シリーズでの名セリフが「マンダロリアン」にも登場!
ジェダイ・オーダー、そして後の世の反乱軍も使っていたフレーズなので、新共和国に調子を合わせるためにディン・ジャリンは使ったものと思われる。
ゼロ(Q9-0)
「チャプター10:乗客」のオープニングのこれまでのストーリーの振り返りと、フロッグ・レディがディン・ジャリンとコミュニケーションを取るために利用して登場したのは、「チャプター6:囚人」の傭兵の一人であるドロイド、Q9-0(ゼロ)だ。
レイザー・クレスト内でザ・チャイルドを狙い、ディン・ジャリンによって破壊されたゼロの残骸が、船内に残されていたとは!
トラッパー・ウルフ
新共和国の監獄船からの囚人脱走事件に関わった疑いで、レイザー・クレストを追った新共和国軍のXウィングパイロットの一人は、「チャプター6:囚人」に登場したトラッパー・ウルフだ。
「マンダロリアン」のエピソード監督であり、「クローン・ウォーズ」、「反乱者たち」の製作総指揮のデイブ・フィローニが再びトラッパー・ウルフを演じている!
カーソン・テヴァ役は501軍団隊員
トラッパー・ウルフとともに登場する新共和国軍のパイロットであるカーソン・テヴァを演じているのは、韓国系カナダ人の俳優でポール・サン・ヒョンジュ・リー。
ポール・サン・ヒョンジュ・リーは、世界的なコスチューミング団体の501軍団のカナダ部隊の隊員でもある。帝国軍ではなく、新共和国軍での出演となったが夢が叶ったことだろう!
ボサン5
「チャプター6:囚人」の舞台となった新共和国の監獄船は、「チャプター10:乗客」でのカーソン・テヴァのセリフから「ボサン5」という船名だと明らかになった。
ボサンは、『ジェダイの帰還」のセリフに登場した種族名で、第2デス・スターの情報を手に入れる際にボサンのスパイたちが多く犠牲になったとモン・モスマが語っている。
そんなボサンたちに敬意を表した船名なのだろうか…
マルド・クレイス
トラッパー・ウルフとカーソン・テヴァに追われ、レイザー・クレストが逃げ込んだのは、氷の惑星マルド・クレイス。
シーズン1「チャプター1:マンダロリアン」の冒頭で、ディン・ジャリンがミスロルの男を捕らえに来た惑星だ。この時はラヴィナックに襲われており、今回はクモ型のクリーチャーの襲撃に遭った。寒冷な上、危険極まりない惑星だ…
ノビー・ホワイト・スパイダー
マルド・クレイスでディン・ジャリン、ザ・チャイルド、フロッグ・レディはクモ型のクリーチャーに襲われる。
クモ型のクリーチャーは、「反乱者たち」でアトロンにいたクリクナがいるが、その源泉となっているのが『帝国の逆襲』でラルフ・マクウォーリーが描いたダゴバでルークが遭遇する巨大なクモ、ノビー・ホワイト・スパイダーのコンセプトアートだ。
ノビー・ホワイト・スパイダーは、その後小説「ダークセーバー」などのスピンオフに登場。
マルド・クレイスのクリーチャーは、ノビー・ホワイト・スパイダーだと明確にされてはいないが、多くの特徴が似ている。
ウルフパック
トラッパー・ウルフは、ウルフパックのマークがデザインされたヘルメットを着用している。
ウルフパックは、クローン・トルーパー・コマンダーのウォルフが率いた分隊で、アーマーには狼を象ったウルフパックのマークがデザインされていた。
トラッパー・ウルフというキャラクター名は、デイブ・フィローニが狼好きであることが由来だが、劇中ではトラッパー・ウルフがクローン・トルーパー分隊のウルフパックをリスペクトしているということなのだろうか…
レジスタンスのマーチ
トラッパー・ウルフとカーソン・テヴァが、レイザー・クレストを襲うクモ型のクリーチャーを掃討して去る時に「レジスタンスのマーチ」をアレンジしたような一節が聴こえる。
まだレジスタンスは存在しない時代だが、反乱軍をイメージさせる曲として使用したのか…
コメント
食うなよ、食うな、食うなって、食ってる!
>匿名さん
やるなよと言っているのに…(笑)
しつけが必要ですね!