Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン2 第1話「チャプター9:保安官」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター9:保安官」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「マンダロリアン」シーズン2「チャプター9:保安官」までのネタバレを含んでいます。「チャプター9:保安官」に至るまでの本編鑑賞後にご覧ください。
「マンダロリアン」シーズン1のエピソードガイドは、以下のエントリーをご参照ください。
Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン1のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、エピソードをより深く知るためのテキストをまとめたエピソードガイドです。
「チャプター9:保安官」ストーリー
マンダロリアン(ディン・ジャリン)とザ・チャイルドは、夜の街中を歩いていた。
ガモーリアンが戦う闘技場に足を踏み入れたディン・ジャリンは、ザ・チャイルドを仲間の元に返すために他のマンダロリアンの助けを得ようと、マンダロリアンの居所を知るというゴア・コレシュに尋ねに来たのだ。
しかし、ゴア・コレシュはマンダロリアンの生き残りからベスカーを奪っていたのだ。ゴア・コレシュとその一味にブラスターを突きつけられるディン・ジャリンだったが、ホイッスリング・バードを発射して事態を打開。
手下を一掃してゴア・コレシュを吊し上げたディン・ジャリンは、タトゥイーンのモス・ペルゴの町にマンダロリアンがいるという情報を得る。ディン・ジャリンは、自分では手を下さないという約束通り、ゴア・コレシュを吊るした電灯をブラスターで撃って消し、闇夜に浮かぶ目を持つ生き物に取り囲ませてその場を去るのだった。
タトゥイーンに到着したディン・ジャリンは、顔なじみであるペリ・モットーとピット・ドロイドたちに迎えられる。ペリ・モットーからモス・ペルゴの場所を聞き、スピーダー・バイクを走らせる。
モス・ペルゴのカンティーナで聞き込みをしていると、マンダロリアン・アーマーを着た男が現れた。コブ・ヴァンスというこの町の保安官は、ジャワからこのアーマーを買ったのだと言う。
マンダロリアン・アーマーを脱ぐよう迫るディン・ジャリンとコブ・ヴァンスが一触即発の状態の中、突然地震が起こる。砂漠を、町をうねらせて地中を進み、巨大な怪物がバンサを丸飲みにして去っていった。
コブ・ヴァンスは、マンダロリアン・アーマーのおかげで無法者は撃退出来ても、巨大な怪物を倒すことは難しいと言い、マンダロリアン・アーマーを報酬としてディン・ジャリンに怪物の討伐を依頼。
巣を直接攻撃するため、コブ・ヴァンスとディン・ジャリンはスピーダー・バイクで移動。その最中、コブ・ヴァンスはモス・ペルゴと自身のこれまでの話をする。
第2デス・スターが破壊され、帝国軍の占領が終わったことでモス・アイズリーはお祭り騒ぎになった。しかし、モス・ペルゴにはこれに乗じたマイニング・コレクティブが襲撃を仕掛けて来た。なんとか逃げ出したコブ・ヴァンスは、襲撃者からシリカックス・クリスタルが詰まったカムトーノを盗み出す。
カムトーノを抱えて砂漠をさまようコブ・ヴァンスは、ジャワのサンドクローラーと遭遇。ここでシリカックス・クリスタルが何としても欲しいジャワから、引き換えにマンダロリアン・アーマーを手に入れたのだ。
そしてマンダロリアン・アーマーを着たコブ・ヴァンスは、そのアーマーの性能を活用してモス・ペルゴのマイニング・コレクティブを撃退したのだった。
峡谷にたどり着いたディン・ジャリンとコブ・ヴァンスは、マシッフの群れに囲まれる。ディン・ジャリンが手懐けると、タスケン・レイダーたちが現れた。ディン・ジャリンとタスケン・レイダーはコミュニケーションを取り、怪物は共通の敵であることがわかる。
その夜、タスケン・レイダーのキャンプにて、手話とタスケン・レイダーの言葉でやり取りするディン・ジャリン。コブ・ヴァンスとタスケン・レイダーとの間でいさかいが起きてしまっても、見事にこれを収める。
翌日、タスケン・レイダーの一団とともに怪物のクレイト・ドラゴンの棲み処にやって来た2人。クレイト・ドラゴンの消化サイクルによれば、エサを食べれば長く眠るという。
クレイト・ドラゴンをおびき寄せるため、タスケン・レイダーがバンサを連れて洞窟の入口まで向かうと、クレイト・ドラゴンは咆哮とともに陽光の元へ飛び出してくる。しかし、クレイト・ドラゴンが襲ったのはバンサではなく、タスケン・レイダーの方だった。
ディン・ジャリンとコブ・ヴァンスは、モス・ペルゴに戻って住人に協力を求める。タスケン・レイダーからも協力を得ることを知らせると、住民はこれまでの対立の経緯から反対の声を挙げるが、ディン・ジャリンはタスケン・レイダーはクレイト・ドラゴンに詳しく、約束を守ること、またこちらから手を出さなければ二度と町を襲わないと言っていることを話して説得に成功する。
タスケン・レイダーの一団が、モス・ペルゴに到着して住民とともにクレイト・ドラゴン討伐の準備を進める。長年の対立からいさかいが起こりながらも、コブ・ヴァンスは間に入って双方を落ち着けさせる。
ディン・ジャリンとコブ・ヴァンス、そしてモス・ペルゴの住民とタスケン・レイダーの連合軍は、クレイト・ドラゴンの棲み処に到着した。クレイト・ドラゴンが寝ている間にデトネーターを地中に埋め、誘い出してからクレイト・ドラゴンの弱点である腹が爆発物の上にまで来た時に、爆発させて倒すという作戦だ。
ついに目覚めたクレイト・ドラゴンだったが、なかなか埋設したデトネーターの直上までやって来ない。このクレイト・ドラゴン討伐作戦は上手くいくのか…
「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「チャプター9:保安官」レビュー
世界中の『スター・ウォーズ』ファンが、固唾を飲んで観たであろう「マンダロリアン」シーズン2最初のエピソードである「チャプター9:保安官」。
シーズン1でディン・ジャリンがザ・チャイルドを仲間の元に送り届けると決意したドラマを経て、冒頭からその目的のために向かっていくという、説明の必要がないシーズン2ならではのストーリーが展開。
ファンおなじみの地であるタトゥイーンを再び舞台として、小さな町の保安官が流れ者のガンマンとともに、街の住人だけではなく原住民とも協力し、安全を脅かす害獣の討伐に乗り出すという構図は、西部劇+『トレマーズ』といった雰囲気で、ワクワクする取り合わせだ。
シリーズ最長の52分という上映時間の中に、長年のファンはおなじみの存在であるクレイト・ドラゴンとの戦いを、映画並みのスケール感のあるビジュアルで展開。シーズン1で少し感じられた、こじんまりとした印象を払拭するかのようだ。
さらに、これから解説するようにファンならば『スター・ウォーズ』ギャラクシーの拡がりに触れることが出来る。シリーズ人気キャラクターであり、マンダロリアン・アーマーを着る代表的な存在であるボバ・フェットの消息に、このエピソードではいよいよ迫っていくのだ。
一方、「マンダロリアン」のマスコットキャラクターのようなザ・チャイルドは、ディン・ジャリンの側にいてリアクションするだけの控えめな回となったが、映画のようなスケール感に加えて今後のストーリー展開が気になるラストということで、「マンダロリアン」シーズン2最初のエピソードとしてロケットスタートを切っている。
「チャプター9:保安官」トリビアチェックポイント
ドロイドやスノートルーパーの落書き
「チャプター9:保安官」の冒頭、マンダロリアン(ディン・ジャリン)とザ・チャイルドが歩く夜の街中にある壁には、C-3POのような黄色いプロトコル・ドロイドや、白いスノートルーパーを描いたようなストリートアートが落書きされている。
ガモーリアン
ディン・ジャリンがゴア・コレシュを尋ねてやってきた闘技場のリングで戦っているのは、ブタに似た鼻を持つ緑色のガモーリアン。
ガモーリアンは、『ジェダイの帰還』でジャバ・ザ・ハットの宮殿の衛兵としてその姿を見られる種族。『ジェダイの帰還』と同様に、闘技場のガモーリアンたちもバイブロ=アックス(振動斧)で戦っている。闘技場で戦うことからか、ジャバの宮殿のガモーリアン・ガードよりも緑色の肌が見える衣服で、体つきも比較的太めではないようだ。
キューゾ
闘技場で観戦している観客の中で、笠のような帽子を被っているのはキューゾだ。
キューゾは、「クローン・ウォーズ」に登場した賞金稼ぎのエンボや、2015年のフォース・フライデーで新キャラクターとしてフィギュアが発売されたものの、『フォースの覚醒』本編には一瞬しか登場しなかったことで悪名高いズヴィオ巡査などがいる。
キューゾという種族の由来は、『七人の侍』で宮口精二が演じた久蔵から。
アビシン
ディン・ジャリンが他のマンダロリアンの居場所を聞いたゴア・コレシュの種族は、単眼のアビシン。
アビシンは、『エピソード4/新たなる希望』でのカンティーナのシーンに登場したマイオの種族だ。また、『ジェダイの帰還』のジャバ・ザ・ハットの玉座にはアビシンを模ったオーナメントが付いている。
ゴア・コレシュを演じたのはジョン・レグイザモ
ゴア・コレシュ役は、ユアン・マクレガー主演作『ムーラン・ルージュ』や、「マンダロリアン」の製作総指揮のジョン・ファブローの監督作『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』に出演したジョン・レグイザモだ。
ゴトラ
ゴア・コレシュは、タトゥイーンにマンダロリアンがいたという情報をゴトラから得たと言っている。
ゴトラとは、ドロイド・ゴトラのことと思われる。ドロイド・ゴトラは、クローン戦争が終結した後に放棄されて再利用されたバトル・ドロイドたちによって構成され、ドロイドの権利や解放のため犯罪組織のクリモラ・シンジケートの元で動いているというグループだ。
「ターキン」などの小説やコミックにて、これまで言及されている。
タスケン・レイダーとバンサ
ゴア・コレシュを脅し、マンダロリアン・アーマーを着た者がいたという情報を得て、ディン・ジャリンは再び「チャプター5:ガンファイター」で訪れたタトゥイーンにやって来た。
「チャプター5:ガンファイター」でも少し登場したタスケン・レイダーとバンサは、「チャプター9:保安官」では大きくフォーカスされ、タスケン・レイダーの部族とモス・ペルゴの住民たちと共同でのクレイト・ドラゴン撃退作戦がストーリーの中心に据えられる。
『エピソード2/クローンの攻撃』で見られた住居だけではなく、タスケン・レイダーたちの生活ぶりや行動、バンサの様子(タスケン・レイダーに歯を磨いてもらうバンサはほほえましい)が、より詳細に描かれるのはファンにとって興味深いところだろう。
ルーク・スカイウォーカーを襲い、ポッドレースは妨害し、シミ・スカイウォーカーを誘拐・殺害するなど、野蛮な種族と描かれていたタスケン・レイダーも、話せばわかる相手だとわかることは従来のファンのタスケン観が変わることになりそうだ。
また、ディン・ジャリンはタスケン・レイダーとコミュニケーションを取ることが上手いが、このスキルはどのようにして習得したのだろうか…
ペリ・モットーとピット・ドロイドたち
モス・アイズリー宇宙港に到着したレイザー・クレストを、「チャプター5:ガンファイター」に登場したベイ35で働くペリ・モットーとピット・ドロイドたちが出迎える。
ペリ・モットーは相変わらず、ザ・チャイルドがお気に入りの様子だ。「チャプター5:ガンファイター」から変化があった点として、ディン・ジャリンは幼少の頃に分離主義者のドロイド軍に襲われて以来、ドロイドを嫌っており、「チャプター5:ガンファイター」でもレイザー・クレストに近づくピット・ドロイドたちを威嚇射撃するほどだったが、「チャプター8:贖罪」にてIG-11により様々な面で助けられたことで、ディン・ジャリンはドロイドへの敵意を改めたようで、ピット・ドロイドたちをレイザー・クレストに修理させている。
R5-D4
ペリ・モットーが、モス・ペルゴの場所をディン・ジャリンに説明するため地図をホログラムで投影したアストロメク・ドロイドは、R5-D4だ。R5-D4は「チャプター5:ガンファイター」でカンティーナの店内に登場していたが、元々はベイ35の仕事をしていたのだろうか。
このR5-D4は、『新たなる希望』でジャワの手でラーズ家に売られる寸前に故障し、代わりにR2-D2が売られることで銀河の運命を変えることになった、あの赤いアストロメク・ドロイドだ。
「ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン」では、「チャプター5:ガンファイター」に登場したR5-D4には『新たなる希望』で吹き飛んだ頭部の箇所に跡が残っていることが紹介されているが、この「チャプター9:保安官」ではこれ見よがしなほどに、その損傷の跡(焦げた跡)が写っているカットがあるので、ぜひ確認してみて欲しい。
モス・ペルゴ
ゴア・コレシュから、ディン・ジャリンはマンダロリアンのひとりがモス・ペルゴの町にいるという情報を得る。
モス・ペルゴは、正史(カノン)のスピンオフ小説「スター・ウォーズ アフターマス」や、レジェンズのMMORPG「Star Wars: The Old Republic」にて触れられている。
「スター・ウォーズ アフターマス」では、本筋のストーリーの合間に幕間のような形で銀河各地の様子が描かれたショートストーリーが収められており、後述するコブ・ヴァンスも含めて「チャプター9:保安官」ではこの「アフターマス」でのショートストーリー「タトゥイーン」のエピソードをより広げている。
モス・ペルゴは、「アフターマス」の続編小説「Aftermath: Life Debt」ではフリータウンとして知られるようになっている。
モス・エスパ
R5-D4が投影した戦前の地図のホログラムで、モス・ペルゴの場所をディン・ジャリンに説明する際にペリ・モットーはモス・エスパに言及している。
モス・エスパは、『エピソード1/ファントム・メナス』でアナキン・スカイウォーカーが住んでいた街。クワイ=ガン・ジンやパドメ・アミダラらは、ここでアナキンと出会った。
スカリアー
モス・ペルゴに到着したディン・ジャリンのスピーダー・バイクから逃げる、カンガルーのような生物はスカリアーだ。
スカリアーは、1997年公開の『スター・ウォーズ 特別篇』でCGを用いてグレードアップしたモス・アイズリーのシーンにて追加された生物。これ以降、『エピソード1/ファントム・メナス』、『エピソード2/クローンの攻撃』で舞台となったモス・エスパのシーンにも登場している。
ウィークウェイ
モス・ペルゴのカンティーナでバーテンダーを務めているのは、ウィークウェイの男だ。
ウィークウェイは、『ジェダイの帰還』にてジャバのスキッフ・ガードとして登場。皮膚が分厚いため、ブラスターが効かないという設定がある。「クローン・ウォーズ」、「反乱者たち」などに登場するホンドー・オナカーの種族としておなじみだ。
ウィークウェイの名前の由来は、ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」の登場人物クイークェグから。
スポチュカ
モス・ペルゴのカンティーナでコブ・ヴァンス保安官が頼む飲み物のスポチュカは、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター4:楽園」に登場した惑星ソーガンの村で作られていた飲み物だ。
「チャプター4:楽園」では、ソーガンで村人たちが青い海老のような生物であるクリルを採っており、これが青白く光る飲み物のスポチュカの原料となっている。
コブ・ヴァンス
コブ・ヴァンス保安官は、前述のスピンオフ小説「スター・ウォーズ アフターマス」の幕間に収められている、邦訳版では8ページのショートストーリー「タトゥイーン」に登場したキャラクターだ(小説内での表記は「コブ・バンス」)。
「アフターマス」に続く未邦訳の続編小説「Aftermath: Life Debt」、「Aftermath: Empire’s End」にも同様に登場していたコブ・ヴァンスが、「チャプター9:保安官」で実写化されたのだ!
コブ・ヴァンスを演じたのは、『ダイ・ハード4.0』や『ヒットマン』などのティモシー・オリファント。
第2デス・スター破壊ホログラムのオーラベッシュの意味
第2デス・スターが破壊されたことを伝えるホログラムで、歓喜に包まれるモス・ペルゴの住民。
この第2デス・スターのホログラムの下の表示されているオーラベッシュは、以下の『ジェダイの帰還』のオープニングクロールの一部を表記したものだ!
Little does Luke know that the GALACTIC EMPIRE has secretly begun construction on a new armored space station even more powerful than the first dreaded Death Star.
ルークの知らぬ間に銀河帝国は、秘密裏に新たな宇宙要塞の建造に着手していた。それはあの恐るべき初代デス・スターをはるかに上回る強力な装備を持っていた。
ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマー
そんなコブ・ヴァンスは、襲撃してきた鉱山の運営者たち(マイニング・コレクティブ)からシリカックス・クリスタルが詰まったカムトーノを奪い、逃走の末ジャワのサンドクローラーまでたどり着いた。
ジャワたちはシリカックス・クリスタルを手に入れるため様々な品物を提示するが、コブ・ヴァンスはマンダロリアン・アーマーに目を留めて、これと引き換えることにする。
「チャプター9:保安官」を見ればわかる通り、このマンダロリアン・アーマーはあのボバ・フェットのものだ。
『ジェダイの帰還』にて、ルーク・スカイウォーカーたちはジャバ・ザ・ハットが率いる犯罪組織と戦い、ボバ・フェットはその戦闘の最中に目が見えないハン・ソロが振るった一撃によってジェットパックが暴走し、サルラックがいるカークーンの大穴に落ちていった。
スピンオフ小説「スター・ウォーズ アフターマス」では、ジャワのサンドクローラーにやって来たレッド・キー・カンパニーの所属だと言うアドウィン・チャルが、サンドクローラーにいたコブ・ヴァンスに仲介してもらってジャワと取引しようとする。
しかし、コブ・ヴァンスはアドウィン・チャルが採掘会社と見せかけた犯罪組織の一員であると見破っていた。アドウィン・チャルがマンダロリアン・アーマーを欲しがると、コブ・ヴァンスはそのマンダロリアン・アーマーは自分が買うものだとしてブラスターで負傷させ、アーマーを持って行くのだ。
「チャプター9:保安官」で描かれた、コブ・ヴァンスがマンダロリアン・アーマーに目を留める目をとシーンは、上記の「アフターマス」でのアドウィン・チャルが来る前の出来事だと思われる。
「アフターマス」では、このマンダロリアン・アーマーがボバ・フェットのものであるとは明示されていなかったが、「カークーンの大穴のあるタトゥイーンで回収されていたマンダロリアン・アーマー」ということから、当然のごとくファンの間ではボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーなのではないかと憶測を呼んでいた。
「チャプター9:保安官」でついに、この「アフターマス」のマンダロリアン・アーマーがボバ・フェットのものであると確定し、ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーの行方が明らかにされたのだ!
「アフターマス」で描写されているように、「チャプター9:保安官」に登場したボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーはサルラックに飲まれたためか、『ジェダイの帰還』時に比べて随所の塗装が剥げている。
ジェットパックからのミサイル発射
コブ・ヴァンスは、ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーを着用してマイニング・コレクティブを撃退する際、またクレイト・ドラゴンを討伐する戦いにおいてジェットパックからミサイルを発射する。
『エピソード2/クローンの攻撃』では、ジャンゴ・フェットがオビ=ワン・ケノービに対してジェットパックからのミサイル攻撃を加えていた。
また、ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーを使用して、おじぎをするように腰をかがめてミサイルを発射する様子は、ケナーが発売出来なかったロケットファイアリング・ボバ・フェットを連想させる。
ケナーは、『スター・ウォーズ』フィギュア4体のパッケージにある購入証明を送ると、ミサイルが背中のバックパックから飛び出すボバ・フェットのフィギュアのプレゼントキャンペーンを実施した。
しかし、キャンペーン開始直後にマテル社の「宇宙空母ギャラクティカ」のトイにて子どもの目に飛び出すミサイルが当たる事故が発生し、ケナーはミサイルの発射機構を外したボバ・フェットのフィギュアを送る対応を行うことに。
製品が世に出なかったため、検討用試作品はコレクターの憧れの的となっている。検討用試作品にも、発射レバー固定用スロットにL型、J型といったバリエーションが存在。コレクションの道は、恐ろしく深い…
このフィギュアのエピソードをどこまで意識しているかは不明だが、「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」のネタも入れ込む製作陣のため、こうしたファンの間での逸話も盛り込んできてもおかしくないと思えてしまう…
ポッドレーサーのエンジン
コブ・ヴァンスのスピーダーバイクは、ポッドレーサーのエンジンを流用したような外見となっている。
形状は、アナキン・スカイウォーカーのポッドレーサーに似ている(が、細部が異なっているのでアナキンのものとは断定出来ない)。
タトゥイーンで行われたポッドレースでクラッシュしたポッドレースのエンジンを回収し、使っているのだろうか…
マシッフ
コブ・ヴァンスが取り囲まれるものの、ディン・ジャリンが手懐けてしまう四本足で背中にトゲが生えた爬虫類型の生物は、マシッフだ。
マシッフは、『エピソード2/クローンの攻撃』でアナキン・スカイウォーカーが母のシミを救うため乗り込んだタスケン・レイダーのキャンプ地に、マシッフの姿を確認出来る。
一列で進むタスケン・レイダーの行軍
クレイト・ドラゴンを討伐するため、バンサに乗ったタスケン・レイダーの一団は一列になって砂漠を進んでいく。
『新たなる希望』で、ジャワのサンドクローラーが襲われた現場にてバンサの足跡があったことからタスケン・レイダー(サンドピープル)の仕業だと思ったルークに対して、オビ=ワン・ケノービは足跡が二列あることから、タスケン・レイダーは人数を隠すため一列の足跡しか残さないと指摘した。
「チャプター9:保安官」では、オビ=ワンが話していたタスケン・レイダーのこの習性を目の当たりにすることが出来るのだ。
マクロバイノキュラー
クレイト・ドラゴンの生息地へ向かうバンサを見るために、タスケン・レイダーが使用しているマクロバイノキュラーは、「チャプター5:ガンファイター」でトロ・カリカンと持っていたマクロバイノキュラーと同じ形状と色をしている。
「チャプター5:ガンファイター」では、ディン・ジャリンはタスケン・レイダーとトロ・カリカンの新品のマクロバイノキュラーを通行許可と交換していた。
この時のマクロバイノキュラーを持っていて、使用していたのかも知れない。
クレイト・ドラゴン
「チャプター9:保安官」にて、モス・ペルゴの街を脅かし、住民とタスケン・レイダーが共闘して駆除しようとする巨大生物が、クレイト・ドラゴンだ。
『新たなる希望』にて、脱出ポッドから出た後にCー3POが歩くタトゥイーンの砂漠にある大きな骨としてクレイト・ドラゴンが登場している。この骨は、通常のクレイト・ドラゴンよりも大型のグレーター・クレイト・ドラゴンのものであるとされている。
また、オビ=ワン・ケノービはルークがタスケン・レイダーに襲われた際にクレイト・ドラゴンの鳴き声を真似することで、タスケン・レイダーたちを追い払っている。
このように、これまでタトゥイーンにおいて恐ろしい存在であることが言及されるに留まっていたことが多かったクレイト・ドラゴンが、正史(カノン)の映像作品において巨大怪獣と呼んでも差し支えないほどのクリーチャーであると描かれ、ファンが見たかったものが映画さながらの迫力でついに映像化されたのだ。クレイト・ドラゴンの鳴き声も聞くことが出来る。
「チャプター9:保安官」に登場したクレイト・ドラゴンも、その大きさからグレーター・クレイト・ドラゴンだと思われる。また、過去に設定された通りに溶解液も吐き出してくる。
終盤にディン・ジャリンとコブ・ヴァンスがジェットパックで飛びながらクレイト・ドラゴンと戦うシーンは、プレイステーション2などで発売されたゲーム「スター・ウォーズ ジャンゴ・フェット」にてジャンゴ・フェットとクレイト・ドラゴンが戦う場面を彷彿とさせる。
また田舎町を地中から襲う巨大怪獣を、爆弾を飲み込ませて撃退するという点は、1990年公開の映画『トレマーズ』も連想させる。
ちなみに、『新たなる希望』のクレイト・ドラゴンの骨は「One of Our Dinosaurs is Missing」という1975年のディズニー映画のディプロドクスの骨を流用したもの。
シリカックス・クリスタル
マイニング・コレクティブがカムトーノに入れていたシリカックス・クリスタルは、タトゥイーンで採れる鉱物。
小説「Aftermath: Empire’s End」で登場した。
サルラック
クレイト・ドラゴンが生息しているのは、かつてサルラックの巣だった穴。
サルラックは、ジャバ・ザ・ハットがルーク・スカイウォーカーたちを捕食させて処刑しようとしていた生物。このサルラックはカークーンの大穴という場所に生息していたが、「チャプター9:保安官」でクレイト・ドラゴンが生息していたサルラックの巣は横向きの洞窟のような地形となっている。
ここに生息していたサルラックは、クレイト・ドラゴンに喰われたことが示唆されている。
ジェットパックへの一撃での誤作動
ディン・ジャリンは、デトネーターを満載したバンサとともに決死の覚悟でクレイト・ドラゴンに挑むため、コブ・ヴァンスのジェットパックへアンバン・スナイパー・ライフルで打撃を加え、ジェットパックを作動させて上空へと逃がした。
これは、『ジェダイの帰還』で目が見えないハン・ソロが振るった一撃によってボバ・フェットのジェットパックが暴走し、サルラックの元へと落ちていったシーンを彷彿とさせる。
クレイト・ドラゴン・パール
ディン・ジャリンとコブ・ヴァンスの奮戦と、タスケン・レイダーとモス・ペルゴの住人が力を合わせることで、倒すことが出来たクレイト・ドラゴン。タスケン・レイダーたちは、クレイト・ドラゴンの死骸を解体して肉を得るとともに、体内から球状のものを取り出して歓声を上げる。
クレイト・ドラゴンの体内にあった球状のものは、クレイト・ドラゴン・パールと呼れており、小説「スター・ウォーズ ダークセーバー」など現在はレジェンズとなった作品にて登場。
非常に長い寿命を持つクレイト・ドラゴンは、消化を助けるために摂取した岩石が消化液によって溶解され、長い年月をかけて体内で形成されたものがクレイト・ドラゴン・パールだ。そのため、非常に貴重で希少なものなのだ。
さらにごくまれに、摂取した岩石にカイバークリスタルが含まれていた場合、クレイト・ドラゴン・パールはライトセーバーのクリスタルに使用することも出来、そのライトセーバーは非常に強力なブレードになるという。
テムエラ・モリソン
このエピソードのラスト、ボバ・フェットのマンダロリアン・アーマーを載せて、タトゥイーンの二重太陽の夕陽の元をスピーダー・バイクで疾走するディン・ジャリンを、ひとり見つめる男を演じているのはテムエラ・モリソンだ。
テムエラ・モリソンは、『エピソード2/クローンの攻撃』にてジャンゴ・フェットを演じた俳優。ボバ・フェットはジャンゴ・フェットのクローンなので、この男はボバ・フェット本人だと思われる!
ボバ・フェットは、タスケン・レイダーが持つライフルやガッフィの杖を背負っている。一体、ボバ・フェットはこの5年間、タトゥイーンで何をしていたのだろうか…
「チャプター5:ガンファイター」でも、フェネック・シャンドの亡骸に近づく者が描かれたが、それがボバ・フェットだったのか?「マンダロリアン」のシリーズを通して、ボバ・フェットについての謎は明かされていくのだろう。
コメント