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「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」エピソードガイド【ネタバレ注意】

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「オビ=ワン・ケノービ」の最終話である第6話「パート6」のエピソードガイドです。

 このエピソードガイドは、「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。

 この記事はネタバレがございますので、「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」の本編鑑賞後にご覧ください。

「オビ=ワン・ケノービ」の他のパートのエピソードガイドは、以下をご参照ください。

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「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」ストーリー

 タトゥイーン。オビ=ワン・ケノービが働いていたサンド・ホエール解体現場監督のグロフ・ディッチャーは飲み物を待つ人々の列に割り込むが、背後にいたリーヴァに追い払われる。

 リーヴァは店員のダーディン・シャルに、オーウェンという農民を探していると尋ねた。

 ダース・ベイダーの旗艦であるインペリアル級スター・デストロイヤーのデヴァステーターは、ジャビームから逃げた輸送船を追撃していた。

 ダース・ベイダーの命令で火力を上げた砲撃の前に、輸送船内では不安が広がる。ローケンは、ハイパードライブはまもなく準備が出来ると乗客に知らせ、パワーを後方ディフレクター・シールドに回すよう指示。行き先はテッセンだ。

 オビ=ワンはローケンに話を聞くと、輸送船のモチベーターが破損しており、パワー・カップリングも悪い状態で、対処しているがシールドももたないという。

 乗客に不安が広がり、お互いに励まし合う中、レイアもダイユーでハジャ・エストリーが逃した少年のコランとその母を、L0-LA59(ローラ)で励ましていた。それを聞いたオビ=ワンは、自分もローラを借りられたらと言う。

 スピーダーの新しいベルトを探しに店を訪れていたオーウェン・ラーズとルーク・スカイウォーカーは、やって来たダーディン・シャルから悪い知らせを聞く。

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 オビ=ワンは、ダース・ベイダーを引きつけるために単独で輸送船を離れると決意するが、レイアたちは反対する。オビ=ワンは輸送船の修理の時間を稼ぐためと説明し、10年もジェダイを守った「パス」の面々に今こそその恩を返すというのだ。

 今や信頼するハジャ・エストリーに、レイアを送り届けることを頼むオビ=ワン。

 ラーズ家の水分農場で、オーウェン・ラーズはベルー・ラーズに危機を知らせる。ベルーは、誰もこの危機に巻き込まず、自分たちだけでやろうと言う。ベルーはお互いにこの日が来るのはわかっていたと、家の中に密かに隠していたブラスター・ライフルを取り出し、相手は日が暮れてから来ると予測して準備をする。

 オビ=ワンは、レイアにローケンが回収したというターラのホルスターを渡す。レイアは戻って来てと願い、オビ=ワンはその言葉に約束するのだった。

 脱出艇に乗り込む前に、オビ=ワンはローケンに今やリーダーは希少であり、立ち止まるなと励ましていく。

 輸送船から出発した、乗員が1名の脱出艇を確認したスター・デストロイヤーのデヴァステーターでは、大尋問官がネットワークを壊滅させる好機であるとこのまま輸送船を追うことを主張。しかし、ダース・ベイダーは脱出艇の追跡を指示する。

 オビ=ワンが乗る脱出艇が衛星へ向かうと、ダース・ベイダーもひとりでラムダ級T-4aシャトルで後を追う。脱出艇を着陸させ、外に出ようとしたオビ=ワンはローラの存在に気付く。レイアがこっそり貸してくれたのだ。オビ=ワンは、ローラをコックピットに残して脱出艇の外へと出て行く。

 二つの太陽が沈んだタトゥイーンでは、タスケン・レイダーが農場を襲撃してくると説明してオーウェンとベルーがルークを避難させたが、ついにリーヴァの侵入を知らせる警報が入る。

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 シャトルで到着したダース・ベイダーと対峙するオビ=ワン。私を倒しに来たのかというダース・ベイダーの問いに、オビ=ワンは使命を果たさねばと返してライトセーバーを起動。

 暗闇に青と赤の光が輝き、かつての師弟の熾烈な戦いが始まった。

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 マプーゾでの戦いの時とは異なり、オビ=ワンはライトセーバーの剣技もフォースの力も取り戻し、ダース・ベイダーにもそれを指摘される。だが、弱さが残っていると言うダース・ベイダーは、フォースで地割れを起こしてオビ=ワンを転落させ、さらにフォースで周囲の岩を落として埋めてしまう。

 ラーズ家の水分農場内に侵入し、ライトセーバーを起動したリーヴァはオーウェンとベルーからブラスター・ライフルを連射され、激しい抵抗を受ける。オーウェン・ラーズとの格闘の際に、何が望みか聞かれたリーヴァは正義だと答えてオーウェンを排除。

 続いて隠れていたベルーがリーヴァを不意打ちし、ルークをラーズ家の水分農場の敷地外に逃がす。リーヴァも砂漠へとルークを追いかけて行く。

 岩石に埋もれたオビ=ワンには、数々のダース・ベイダーの言葉がリフレインする。そしてルークやレイアを思い起こし、フォースで周囲の岩を吹き飛ばして駆け上った。

 ダース・ベイダーに再び立ち向かうオビ=ワン・ケノービは、周囲の無数の岩石をフォースで浮遊させて一気にぶつけていく。なんとかこの攻撃を耐えたダース・ベイダーは、接近してライトセーバーでの決闘に持ち込む。

 しかし生命維持装置に打撃を加えられ、ダース・ベイダーは劣勢となっていく。飛び込んだオビ=ワンの斬撃により、ダース・ベイダーのヘルメットは割れて素顔の一部が露出する状態に。

 アナキン・スカイウォーカーだった者の顔を、その目を見てオビ=ワンは思わずその名をつぶやく。ダース・ベイダーは、アナキンは死に、私はその残骸だと言う。オビ=ワンは目に涙を浮かべ、アナキンにすべてにおいて私が悪かったと謝罪する。

 ダース・ベイダーは、私はお前の失敗によるものではないこと、そしてアナキン・スカイウォーカーを殺したのはオビ=ワンではなく、私が殺したのだと告げる。同じようにお前も葬ると言うダース・ベイダーを見て、わが友は完全に死んだと悟ったオビ=ワンは「さらばだ、ダース」と言って去って行く。

 残されたダース・ベイダーは、オビ=ワンの名を叫び続けた。

 タトゥイーンでは、逃げるルーク・スカイウォーカーの足場をリーヴァがフォースで崩し、崖から転落させていた。脱出艇で衛星を離れたオビ=ワンは、ルークの危機を察知するとハイパースペースにジャンプしてタトゥイーンへと向かう。

 倒れたルーク・スカイウォーカーの前でライトセーバーを起動するリーヴァ。だが彼女にとって、倒れているルークがオーダー66が発令された時にダース・ベイダーに襲われた自身と重なり、激しく葛藤する。

 オビ=ワン・ケノービは、ルーク・スカイウォーカーを守り抜くことが出来るのか…

「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」レビュー

オビ=ワンとアナキン、2人の本当の別れ

 「オビ=ワン・ケノービ」の最終話である第6話「パート6」は、前話である「パート5」で見られなかったインペリアル級スター・デストロイヤーのデヴァステーターによる追撃シーンから始まり、オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーの再対決と、ルーク・スカイウォーカーを狙うリーヴァと彼女からルークを守ろうとするオーウェン・ラーズとベルー・ラーズの戦いに終始する、これまで5話をかけて描いてきたシリーズのフィナーレにふさわしい、終着点とそのアクションに絞った構成だ。

 上映時間中、ラストバトルだけを描くことは劇場映画には出来ず、多くの話数と時間をかけてひとつのストーリーを語るドラマシリーズならではの構成と言える。

 その中でも、絶望と諦観に沈んだ日々を過ごしていたオビ=ワン・ケノービの再生というシリーズの主題において、オビ=ワン・ケノービがダース・ベイダーと再び対峙することは最も重要だ。

 オビ=ワン・ケノービは、『エピソード3/シスの復讐』にてムスタファーでダース・ベイダーと決闘する以前で、最後にアナキン・スカイウォーカーとともに時間を過ごしたのは、自身がウータパウへ向かう直前のことだった。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
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ディズニープラスで配信中

 その後にオーダー66が発令され、クローン戦争は終結、銀河共和国は帝国へと変貌するなど、大きな変化が立て続けに起きた上でアナキン・スカイウォーカーがシスの暗黒卿、ダース・ベイダーとなってしまったわけだ。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
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 怒涛の展開の前に、弟子であり友であるアナキン・スカイウォーカーに何が起きたのか、きちんと心を通わす前にオビ=ワンとしては劇中のセリフの通り、すでに暴走していたアナキンに対して「義務を果たす」しかなかったのだろう。そしてアナキンを手にかけてしまったと思い込み、その罪の意識にも10年の間押しつぶされていなければならなかった。

 オビ=ワンは、アナキンときちんとお別れが出来ていなかったのだ。

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 この「オビ=ワン・ケノービ」の最後の決闘からは、そんなオビ=ワンが「アナキン・スカイウォーカーはもうおらず、ダース・ベイダーはその残骸である」ということを実感し、本当に別れを告げたのだということが感じられる。

「打ちのめされても、想像を超えるほど強くなる」オビ=ワンの再生

 『エピソード3/シスの復讐』で彼にはまだ善があるというパドメの今際の言葉を聞いたオビ=ワンは、「パート5」でリーヴァに本気でアナキンの死を望んでいるのかと問われた時に答えに窮している。

 また、『エピソード6/ジェダイの帰還』で父の中に善が残っていることを信じて、一緒に来るように言ったルーク・スカイウォーカーに、ダース・ベイダーはオビ=ワンもかつてはそう考えていたと告げている。

 危険を出来る限り遠ざけ、ルークに修行を積ませなければという強迫観念めいた思いにかられながら、隠遁生活により往時の力を失い、日々をただ生きているだけだった「パート1」から、アナキンとパドメのもう1人の忘れ形見であるレイアを守るために回を追うごとに徐々に復活を遂げたオビ=ワンは、自身の恐怖とトラウマの象徴であるダース・ベイダーと再び向き合うことで、ついに本来の自分を取り戻すどころか、より強くなることが出来た。

 まさに『エピソード4/新たなる希望』でオビ=ワンがダース・ベイダーに言っていたように、「たとえ打ちのめされても、想像を超えるほど強くなる」のだ。

 オビ=ワンにとっては直接アナキンに謝罪が出来たことも、心の整理において大きかったのだろう。

 上手く導くことが出来ず、その人生を大きく狂わせてしまったアナキン・スカイウォーカーに対して、すべて自分が悪かったのだと最後に謝ることが出来た。

 一方のダース・ベイダーは、「パート3」では私はお前が作ったものだと告げていたにも関わらず、「パート6」では私はお前の失敗によるものではなく、アナキン・スカイウォーカーを殺したのはオビ=ワンではなく、ダース・ベイダーである自身が殺したのだと発言している。

 すべては自身が悪かったと謝罪するオビ=ワンに対して、前回の邂逅の時とは異なりオビ=ワンの責任ではないことを告げており、これは今のダース・ベイダーなりにオビ=ワンを思ってのことなのだろう。実際に、決闘の後にはパルパティーンに自身の迷いを指摘されている。

 アナキン・スカイウォーカーに降りかかった過酷な運命と、自身の欲望の暴走によって捻じ曲げられてしまったダース・ベイダーと、ダークサイドに陥ることを師として止めることが出来なかったオビ=ワンだったが、こうにまでなってもお互いを思い合う部分はあったのだ。

 ダース・ベイダーは、オビ=ワンの生き埋めは狙うものの、確実に仕留めたかを確認せずに帰ろうとしていたことからもそれは伺える。

 「パート6」でのオビ=ワンは、ダース・ベイダーに対してかつてのオビ=ワンらしい振る舞いをしたと思う。

 アナキン・スカイウォーカーはオビ=ワンではなく、ダース・ベイダーが殺したのだという発言の後、もはや人格が変わってしまったのだと改めて悟ると、生命維持装置やヘルメットを破壊して戦闘不能にまでさせるも、『エピソード3/シスの復讐』と同様に、戦闘不能者の命は取らず(これがオビ=ワンをはじめとしたジェダイの慈悲の心だろう)、アナキンへの執着を断ち、去って行く。

 ダース・ベイダーのヘルメットが破壊され、中からアナキン・スカイウォーカーの顔が覗く演出は、ゲームをはじめとしたメディアミックス作品「フォース・アンリーシュド」のほか、「スター・ウォーズ 反乱者たち」でもあり、真新しさはないのだがヘイデン・クリステンセンが演じるという意味はあるシーンだ。

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 『エピソード3/シスの復讐』で見せたオビ=ワンの決めポーズも繰り出し、ライトセーバーだけではなくフォースを用いたダイナミックなアクションは、プリクエル・トリロジーのニック・ジラードが担当しているわけではないため、ライトセーバーの殺陣の振り付けに多少の違和感は感じるものの、最終話にふさわしい見せ場を作り出した。

ストーリーを動かしたリーヴァは、これから何者になるのか

 一方のタトゥイーンで展開されるのは、ルーク・スカイウォーカーを狙うリーヴァと子どもを守るラーズ家の攻防戦だ。

 もし彼に見つかり、子どものことを知られてしまったら男の子を助けるという、オビ=ワンとつながりのあるベイル・オーガナからのホログラム通信をたまたま目にしたリーヴァは、ここで「パート1」で出会ったことがあるオーウェン・ラーズの名前を聞いてタトゥイーンへ向かう。

 タスケン・レイダーの襲撃に鍛えられ、いつかルークを狙いに来る輩がやって来ることに備えていたオーウェン・ラーズとベルー・ラーズ夫妻の、ライトセーバーを持ったダークサイドのフォース感知者にも怯まない驚きの戦闘力の高さを目の当たりにしながらも、リーヴァはルークを追うのだ。

 リーヴァの動機は、アナキンやオビ=ワンに関連する子どもを狙った逆恨みだと思われるが、アナキンの実子というところまでわかるほどの驚異の勘の良さを発揮していたのかは、なんとも言えない描写であり、不明瞭である分、リーヴァがなぜそこまでするのかという動機付けが薄い。

 リーヴァというキャラクターは、アナキン・スカイウォーカーがダークサイドに堕ちたことで大事な家族を殺され、ダース・ベイダーへの復讐のため尋問官となり、その過程でさらに苦しむ人々が現れるという、悲劇が拡大・再生産されたかのような憎しみの連鎖を表している。

 最終的に、リーヴァは自分自身がされたことと重なってしまうため、年端もいかない子どもを殺すというダース・ベイダーと同じ所業は出来なかった。後悔の涙を流すリーヴァはようやく過去から、オビ=ワンが言うように自由になれたのかも知れない(これまで、「オビ=ワン・ケノービ」は各話で対応するエピソード番号のスカイウォーカー・サーガの作品の要素が組み込まれたシリーズ構成だったため、「パート6」のリーヴァの改心は『エピソード6/ジェダイの帰還』に重ねているものと思われる)。

 「パート1」のファーストカットから登場し、シリーズのもう一人の主人公とも言える存在のリーヴァの旅も終わったが、振り返ってみるとベイル・オーガナとオビ=ワンが友人であるという理由でレイア・オーガナを誘拐させ、オビ=ワンを誘き出して二人を出会わせ、さらにはダース・ベイダーへの復讐心も持ち合わせているという、主要なキャラクターとの接点を持ち、この物語を動かすには欠かせないキャラクターとなっている。

 逆に言うと、リーヴァは点と点を結び付ける線のようなキャラクターとも言え、今回が初登場となったリーヴァはこのストーリーを動かすことを主な目的として創作されたようにも受け取られた。

 ドラマシリーズは、シリーズを通してどこで盛り上げを図るか、いかにして視聴離脱を防いでいくかを考えながら構成を組んでいく必要がある。各エピソードのラストで次のエピソードが見たくなるような展開も必要だが、主要な悪役であるとはいえ、ほとんどのエピソードでラストに主人公たちに次のアクションを強いるような行動をするのはリーヴァだ。

 人気キャラクターであるオビ=ワン・ケノービの単独シリーズであることが企画の発端であるだろうが、それを成立させるために物語におけるストーリーの推進役が決まっていて、それにより観客側にも便利なキャラクターだと思われてしまっては、そのキャラクターの心情の理解に余計なノイズが入ってしまう。

 オーダー66の惨劇の生き残りであるジェダイ・イニシエイトであり、ダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーであることを目撃した数少ない生存者であるという興味深いキャラクターだったが、シリーズ後半のレビューで指摘してきたように、混乱したキャラクターでもあるし、このシリーズのストーリー設計において便利なキャラクターとして創作された部分が見え隠れするのは、惜しいところだ。

 ここまで秘密を知っているリーヴァが、今後のストーリーに影響がないようにどのように処理されるのかが「パート6」の見どころのひとつであると「パート5」のレビューに書いたが、結果的にはこれからどのようにでも出来るような、未来ある形となった。

 「オビ=ワン・ケノービ」によって生み出されたリーヴァというキャラクターは、今後『スター・ウォーズ』ギャラクシーの中でどこに居場所を見つけていくのだろうか。本作のエンディングに倣えば、何者になるのかを決めるのはリーヴァ自身ということになる。

オビ=ワンとスカイウォーカーの子どもたちのエモーショナルなエンディング

 終盤、スカイウォーカーの子どもたちに語りかけるオビ=ワン・ケノービは、晴れやかな笑顔が印象的だ。シリーズで終始に渡って苦悩を浮かべてきたユアン・マクレガーが、ここぞとばかりに良い表情を見せてくれる。

 シリーズを通して守り抜いてきたレイア・オーガナに、実母のパドメと実父アナキンの素晴らしいところを受け継いでいると語り、これまで見守ることが生きる目的となっていたルーク・スカイウォーカーと、ようやく近くで声を掛けてスカイホッパーの玩具を手渡せたオビ=ワン。

 思わず目頭が熱くなり、涙腺が緩むエモーショナルなシーンだ。それぞれのキャラクター性をよく理解するファンがいるからこそ成立する、長期シリーズならではの演出といえるだろう。

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 実の両親の話をオビ=ワンから聞いた上で、オーガナ夫妻こそが父母であるとより家族の絆を強めるレイア。一方のラーズ家の方もルークを守る強さと覚悟を見せ、両家ともにフォースの意思のままにあまり干渉することなく、愛のある家庭で育つべきだとオビ=ワンが思うのも納得だ。

 また、『エピソード4/新たなる希望』でのレイアからのホログラムメッセージで、「オビ=ワン・ケノービ」においてオビ=ワンとこれだけの出来事があったにも関わらず、かつて父がクローン戦争で助けられたとベイル・オーガナのことのみ言及したのは、お互いに関わりを知られないようにするためだったと、「オビ=ワン・ケノービ」劇中の描写をカバーしている。

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 さらに、エンディングではクワイ=ガン・ジンの霊体もついに登場。シリーズを通じて、オビ=ワンは師でありフォースの冥界から戻ったとヨーダが告げていたクワイ=ガンに語りかけていたが、声は返ってこなかった。

 クワイ=ガンは常に側にいたが、迷いがあったオビ=ワンには感じられなかったのだ。オビ=ワンがアナキンの師であり続けるように、クワイ=ガンもまたオビ=ワンにとっては師のままなのだろう。オビ=ワンが過去への執着を断ち切ったという成長が、わかりやすい形で表れている。

 終盤には「レイアのテーマ」、「ダース・ベイダーのマーチ」、「フォースのテーマ」といったおなじみのライトモチーフによる演出も登場し、よりオリジナル・トリロジーへと時代が近付いた実感を得られるようだ。

 一方で、「オビ=ワン・ケノービ」にはワイプなどのスカイウォーカー・サーガならではの映画的文法は取り入れられていない。カメラワークもシリーズ序盤はフィックスカメラが多かったものの、次第に手持ちカメラのシーンが増えていき、キャラクターの不安定な心情を表していく。

 これは基本的にカメラ固定で撮影された、スカイウォーカー・サーガのキャラクターがメインのドラマシリーズにおいて、異なる撮り方をされるとキャストが同じ分、違和感を感じる向きもあるだろう。一方で、「ジョージ・ルーカスによる映画『スター・ウォーズ』」とシームレスにつながる描き方ではなく、新しい表現をしたということもわかる。

 「オビ=ワン・ケノービ」は、オビ=ワンが惨劇から生まれた後悔や贖罪から立ち直り、かつての友や、その友が残した子どもたちへの執着を断ち切るまでの物語と言えるだろう。

 オビ=ワンは悔いる気持ち、やらねばならないという焦燥感から解放され、ルークとレイアもそれぞれのあたたかい家庭の中で育つことで未来は自ずと拓けるはずだと、ある程度達観して流れに任すようになる。

 暗闇と絶望の世の中であっても、いくら年齢を重ねていようとも、再び立ち上がることは出来るし、長年抱えていたものから自由になることも、向き合えなかったものへと向き直ることも出来るというストーリーは、暗い話題も多い2022年現在において勇気をもらえるようだ。

 『エピソード4/新たなる希望』まで、ここからあと9年、オビ=ワン・ケノービがどのような人生を過ごしたのか、これからまた様々な媒体で少しずつ語られていくことだろう。

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「オビ=ワン・ケノービ」第6話「パート6」トリビアチェックポイント

ラーズ家の水分農場

 「オビ=ワン・ケノービ」の「パート1」で少し登場した、オーウェン・ラーズ、ベルー・ラーズ、ルーク・スカイウォーカーが住む水分農場は、「パート6」で主な舞台に。

 『エピソード4/新たなる希望』のほか、『エピソード2/クローンの攻撃』、『エピソード3/シスの復讐』で登場したラーズ家の水分農場が見事に再現されており、従来の作品のようにチュニジアロケをしたのか気になるところだ(おそらくバーチャルプロダクションの「ボリューム」を使用したセットなのだろう)。

 さらに、ラーズ家の水分農場ではダークサイドのフォース感知者であるリーヴァを相手に、ラーズ夫妻が激しい戦いを繰り広げた場所であったことも明らかになった。これだけの戦闘力があれば、『エピソード4/新たなる希望』でもサンドトルーパーに負けなさそうだが、さすがに兵員の数が多かったのだろうか…

私は義務を果たす(I will do what I must)

 ダース・ベイダーと対峙したオビ=ワン・ケノービは、「私は義務を果たす(I will do what I must)」と決意を口にする。

 これは『エピソード3/シスの復讐』でムスタファーにてダークサイドに堕ちたダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)と決闘する前に言った、オビ=ワンのセリフと同じ。

アナキン・スカイウォーカーはダース・ベイダーが殺した

 謝罪するオビ=ワンに対して、アナキン・スカイウォーカーを殺したのはオビ=ワンではなく、自分が殺したのだとダース・ベイダーは告げる。

 『エピソード4/新たなる希望』でオビ=ワンは、若きジェダイで自身の弟子だったものの悪に転向したダース・ベイダーが、帝国に加担してジェダイを狩り出して滅ぼし、ルークの父もダース・ベイダーに裏切られて殺されたのだとルークに話している。

 『エピソード5/帝国の逆襲』でダース・ベイダーから自身の父であることを明かされた後、『エピソード6/ジェダイの帰還』でルークはなぜ教えてくれなかったのかと問いただすと、霊体となったオビ=ワンはアナキン・スカイウォーカーであることをやめてダース・ベイダーとなった時、善良な父は壊されたのだから、ある視点から見れば私の言ったことは真実なのだと答えている。

 オビ=ワンは、ダース・ベイダーに言われたことをルークに伝えていたのだ!ある視点とは、他ならぬダース・ベイダー本人から見たものであり、そうした意味ではオビ=ワンはやはりルークに真実を語っていたと言える。

ダース

 アナキンを殺したのはオビ=ワンではなく自分であると告げ、ダメージを負いつつなおもオビ=ワンを葬ろうというダース・ベイダーの鬼気迫る表情を見て、オビ=ワンは友が完全に死んだことを悟り、「さらば、ダース」と言い残して去って行く。

 『エピソード4/新たなる希望』のデス・スターでの決闘では、オビ=ワン・ケノービはダース・ベイダーを「ダース」と呼んでいる。

 アナキン・スカイウォーカーはもうおらず、ただシスの暗黒卿のダース・ベイダーがいるのみであると実感したオビ=ワンは、アナキンへの執着を捨てて、あえてシスの称号である「ダース」とだけ呼ぶことにして、それが9年後まで続いたのだろう。

パルパティーン

 オビ=ワン・ケノービとの戦いの後、ムスタファーの城でダース・ベイダーはパルパティーン皇帝とホログラム通信をしていた。

 パルパティーンを演じたのは、もちろんスカイウォーカー・サーガで長年この役を演じてきたイアン・マクダーミドだ。

サイドショウ・コレクティブル「ミトス」ベン・ケノービの装備

 住んでいた洞窟の家を引き払い、ラーズ家に訪れたオビ=ワン・ケノービは、ゴーグルや袖のないローブなどを着用している。

 オビ=ワンのこの衣装は、サイドショウ・コレクティブルのオリジナルな解釈が加えられたスタチューシリーズ「ミトス」にて2013年に発売された「ベン・ケノービ」と近く、影響を受けているようだ。

Star Wars (2015-2019) #15 (English Edition)

 また、同様のゴーグルなどを装備したオビ=ワンの姿はマーベルのコミック「ベン・ケノービ老人の日誌より」でも採用されている。

この「ベン・ケノービ老人の日誌より」の邦訳は、「スター・ウォーズ:サンスポットの騒乱」に収められている。

T-16 スカイホッパーの模型

 「オビ=ワン・ケノービ」の「パート1」で、ジャワのティーカから購入したT-16 スカイホッパーの模型をオビ=ワンがルークへプレゼントしようとしたが、オーウェン・ラーズによって返されてしまった。

 「パート6」では、オーウェンから対面の機会を与えられたオビ=ワンがルークに直接T-16 スカイホッパーの玩具を渡すことが出来た。

 『エピソード4/新たなる希望』でルーク・スカイウォーカーは、ラーズ家のガレージでT-16 スカイホッパーの模型を手にしている。10歳の頃からT-16 スカイホッパーの模型を手放さないルークの姿勢も素晴らしいが、ルークにとってはベン・ケノービからもらったという思い出もある品なのかも知れない。

Hello there

 オーウェン・ラーズから許可をもらってルーク・スカイウォーカーに話しかけたオビ=ワン・ケノービの第一声は、「Hello there(やぁ)」だった。

 『エピソード4/新たなる希望』で、ジャンドランドの荒野でタスケン・レイダーに襲撃されたルーク・スカイウォーカーを助けに来たオビ=ワン・ケノービは、側にいたR2-D2に「Hello there」と声を掛けた。

 また、『エピソード3/シスの復讐』ではウータパウでグリーヴァス将軍に単独で奇襲をかけた時、オビ=ワンの第一声は「Hello there」で、オビ=ワン・ケノービおなじみの名セリフのひとつとなっている。

クワイ=ガン・ジン

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 「オビ=ワン・ケノービ」の「パート6」のエンディングでは、霊体となったクワイ=ガン・ジンが新たな旅に出るオビ=ワン・ケノービの前についに現れた。

 『エピソード2/クローンの攻撃』では、タスケン・レイダーを虐殺するアナキンに対してクワイ=ガン・ジンの叫びが聞こえた。

 「クローン・ウォーズ」シーズン3 第15話「フォースの惑星」から続くエピソードではモーティスに訪れたオビ=ワンやアナキンの前に、クワイ=ガン・ジンが姿を伴って現れる(しかし、モーティスを出る時に記憶は失われているから覚えていない)。

 さらにシーズン6 第11話「声」では、ヨーダの元にクワイ=ガン・ジンの霊体の声が聞こえ、ヨーダをダゴバやフォースの惑星、シスの母星であるモラバンドへと導き、死後も自我を保つ方法をヨーダに教えることになる。この時は、まだ修行が不完全であるため姿を見せられず、声だけを届けられるのだと説明している。

 その上で、『エピソード3/シスの復讐』の終盤でヨーダはオビ=ワンに、クワイ=ガン・ジンとの交信方法を教えたのだ。

 これまでクワイ=ガン・ジンは声だけを伝えられるとされてきたが、「オビ=ワン・ケノービ」では霊体として現れた。これはオビ=ワン・ケノービが心の迷いを振り払い、次のステップへの成長を表すとともに、この10年の間にクワイ=ガン・ジンもまた修行を完成させたということなのだろうか?

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