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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」エピソードガイド【ネタバレ注意】

スター・ウォーズ:バッド・バッチ

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 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」のエピソードガイドです。

 このエピソードガイドは、「余波」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。

 この記事は「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」の他のエピソードガイドは、以下をご参照ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」ストーリー

 クローン戦争の末期。

 各地で連勝する共和国に対して、分離主義者はコルサントを急襲してパルパティーン最高議長を誘拐する作戦をアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービに食い止められ、壊滅寸前となっていた。

 グリーヴァス将軍はアウターリムに退却しつつ、激減してしまったバトル・ドロイドの戦力で無謀な反撃を展開。

 惑星カラーでは、ジェダイ・マスターのデパ・ビラバに率いられた共和国軍が、分離主義者に包囲されており、援軍を待ちながら防戦していた。

 そんな状況の中でデパ・ビラバのパダワン、ケイレブ・デュームが連れてきた援軍はわずか5人。

 斜面を転がってきた岩がバトル・ドロイドの軍勢をなぎ倒し、現れたのは突然変異の遺伝子を持ったエリート・クローン・コマンドー部隊のクローン・フォース99。バッド・バッチだ。

 ハンター、クロスヘアー、テク、レッカー、エコーの5人は、それぞれ特化されたスキルで瞬く間に分離主義者を壊滅させる。ケイレブ・デュームは、そんなバッド・バッチの面々をデパ・ビラバに紹介。

 テクは暗号化通信を傍受し、オビ=ワン・ケノービ将軍がウータパウでグリーヴァス将軍を発見したことを報告。戦況が共和国の勝利に近づく中、目の前の戦いに専念しようとケイレブ・デュームとバッド・バッチはさらなる反撃へと出向く。

 その時、パルパティーンがオーダー66を発令するホログラムをコマンダー・グレイが受信。デパ・ビラバにクローン・トルーパーがブラスターを撃ち始めた。

 防戦するデパ・ビラバだったが、離れた位置にケイレブ・デュームに逃げるように言うと銃声とともに倒れてしまう。

 繰り返される命令、オーダー66の意味が理解出来ないバッド・バッチの面々。ハンターとクロスヘアーは、ケイレブ・デュームを森の中へと追いかける。クロスヘアーは、樹上の上にいるケイレブを見つけて狙撃。ハンターは、真相がわかるまで撃たないよう攻撃をやめさせるが、クロスヘアーは「優秀な兵士は命令に従う」とつぶやくのだった。
 
 テクは、クローン・トルーパーたちがすべてのジェダイの抹殺命令を受けているとハンターに連絡。クロスヘアーに見つかったケイレブは、ブラスターを撃つクロスヘアーにライトセーバーを手にして立ち向かい、彼を倒して峡谷へと逃げる。

 ハンターはケイレブを落ち着かせようとするが、近付くクローン・トルーパーたちの声を耳にしたケイレブは谷の反対側へとジャンプして逃走。追ってきたクロスヘアーに、ハンターは跳んだところを撃ったと告げる。

 久しぶりのカミーノへの帰路につくバッド・バッチ。船内では、クロスヘアーがハンターを疑う素振りを見せる。

 到着したバッド・バッチが目にしたのは、ショック・トルーパーの隊列。グリーヴァス将軍はウータパウで敗れ、戦争が終わったのだと言う。担架で運ばれる遺体の手からはライトセーバーが滑り落ち、異様な雰囲気に満ちていた。

 自分たちの兵舎に帰ってきたバッド・バッチだったが、クロスヘアーはなおもハンターがジェダイをわざと逃がしたことを疑う。

 命令は命令だと言うクロスヘアーに対して、ハンターやエコーは長年仕えたジェダイを突然裏切ることはおかしいと考えていた。

 テクによると、カミーノアンはクローンが疑いを持たず、命令に従うようにプログラムしたものの、特異な遺伝子操作を受けたバッド・バッチにはプログラムへの免疫があったのではと推察。

 通常のクローンであるはずのエコーについては、スカコ・マイナーで受けたダメージによりプリセットされていた行動修正が白紙化されたと考えられた。

 共和国の現状の説明のためとトルーパーたちが集められた場所では、パルパティーンのホログラムがジェダイは反乱を起こしたことで粛清の対象となり、共和国は再編成されて銀河帝国となることを告げた。

 通路を歩くバッド・バッチの後を、彼らのことを知るオメガが追いかけてきた。オメガはナラ・セの医療助手なのだと言う。

 カミーノにはターキン提督も到着し、ラマ・スー首相と会談。ターキンは、戦争終結によりパルパティーン皇帝がクローンの必要性を疑問視していることを告げる。

 食堂では、トルーパーたちが提督による再考課を噂している。バッド・バッチのテーブルには、またもオメガがやってきた。その様子を見たクローン・トルーパーの一人がからかうと、バッド・バッチが侮辱されたことに怒ったオメガが食事を投げつける。

 ハンターが仲裁してその場が収まりかけたものの、レッカーもトレイを投げつけて食堂で大乱闘が始まってしまう。この様子をターキンが見ていることに気を取られたエコーは、一撃を受けて気を失った。

 医療ドロイドのAZI-3の診察を受けて目覚めたエコーをバッド・バッチの面々が見舞い、ターキンの求めにより訓練場での模擬戦闘へ向かう。

 各々の特性を活かしたチームワークで、模擬戦闘を制したバッド・バッチに対してターキンは実弾の使用を命じる。実弾を備えた戦闘用ドロイドが現れたことで、模擬弾では歯が立たず窮地に陥るバッド・バッチ。

 追い込まれたバッド・バッチは、フェルーシアで行った作戦を実行。取り押さえた戦闘用ドロイドをテクがその場で再プログラムし、他の戦闘用ドロイドを実弾で攻撃したことで形勢を変え、無事に制圧するのだった。

 模擬戦闘を見たターキンは、ラマ・スーとナラ・セにクローン・フォース99のことを聞く。ナラ・セによると、医学的欠陥を持つものの細胞の突然変異が戦闘能力を高めており、こうした強化されたクローンは5人のみが残っているのだという。

 ターキンは命令違反が多いことにも触れ、ジェダイ・パダワンを逃がしたという仲間内の報告からオーダー66を実行していないのではと、忠誠心を確かめる必要を指摘。

 バッド・バッチの兵舎にやって来たターキンは、オンダロンの反乱分子である分離主義勢力の討伐を命令する。早速任務の準備をするバッド・バッチだが、オメガはハンターにターキンについて警告するのだった。

 オンダロンに到着したバッド・バッチは、反乱分子の一団を発見するがドロイドの反応はない。それどころか、子どもや老人の姿も確認出来た。作戦中止を告げるハンターだったが、兵士たちに囲まれてしまう。

 バッド・バッチが出会ったのは、アナキン・スカイウォーカーとキャプテン・レックスにより訓練されたソウ・ゲレラが率いる、オンダロンの共和国の兵士たちだった。彼らは帝国の成立以来、難民となっていたのだ。

 ソウ・ゲレラは、クローン戦争は終わったが反乱は始まったばかりであること、そしてバッド・バッチに時代と共に生き延びるか過去と心中するか、自分たちで決めろと告げてジャングルの中へと去っていった。

 クロスヘアーは引き続き、帝国の命令に従うよう主張して他のメンバーとの軋轢を呼ぶが、そんな彼らの後をプローブ・ドロイドが尾行していたことが判明。

 ターキンとこの任務に警告していたオメガの話は信憑性が増し、テクもオメガは高性能クローンであることを明かす。ハンターはオメガをカミーノから救い出すことを決心した。

 オメガはAZI-3とバッド・バッチの兵舎を訪れる。何かを調べている様子のオメガだったが、ショック・トルーパーに見つかってしまい、AZI-3はスタンモードで撃たれオメガは連行されてしまう。

 カミーノに到着したバッド・バッチを出迎えたのは、ターキンに率いられたショック・トルーパーたちだった。ソウ・ゲレラと共謀した反逆罪に問われたメンバーは、営倉に送られてしまう。そこではオメガも収容されていた。

 ハンターを非難するクロスヘアーに対して、オメガは同情と共感を見せる。

 そんなクロスヘアーのみが、営倉から連行された。クロスヘアーことCT-9904の状態を分析したナラ・セは、遺伝子変異により行動抑制チップや脳内活動に大きな影響を受けており、通常のクローンほどではないものの命令が伝わっていると言う。ターキンは、プログラムの強化を命じる。

 残りのバッド・バッチとオメガが囚われている中、テクは営倉とされている場所はクローン戦争以前に造られたカミーノアンの施設のため、レッカーが持つパワーには脆弱性があることに気付く。

 パンチにより、わずかに出来た隔壁の隙間から体の小さいオメガを天井を経由して営倉の外に向かわせ、制御盤を解除。一同の脱出に成功した。

 格納庫からバッド・バッチの装備を取り戻していたところを、クロスヘアーがショック・トルーパーを引き連れて現れた。ハンターに対して投降を呼びかけるクロスヘアー。

 にらみ合いの末に、双方の間で銃撃戦が始まった…

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」レビュー

スター・ウォーズ:バッド・バッチ

 「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」の4エピソード「不良分隊」、「エコーの呼ぶ声」、「キーラダックの翼に乗って」、「やり残した仕事」に登場した不良分隊、バット・バッチと呼ばれるエリート・クローン・コマンドー部隊「クローン・フォース99」。

 突然変異の遺伝子によって、それぞれ特化した能力を持つ個性的なメンバーたちのクローン戦争後の活躍を描いていくのが、本シリーズ「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」だ。

 この「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」のCGのルックは「クローン・ウォーズ」と同様であり、「ファイナル・シーズン」で完結した「クローン・ウォーズ」の正当な続編と呼んで差し支えない。「ファイナル・シーズン」から、視点をバッド・バッチのメンバーに移してスピンアウトしたような形だ。

 第1話「余波」のオープニングも、「クローン・ウォーズ」と同様にトム・ケイン(日本語吹替版では若本規夫)による第二次世界大戦中のニュース調のおなじみの戦況を知らせるナレーションが入り、「クローン・ウォーズ」のフォーマットを踏襲。

 「クローン・ウォーズ」からシームレスに「バッド・バッチ」を見ることができ、まさに「クローン・ウォーズ」と地続きのシリーズだ。

 一方で、「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」でクローン戦争は終わり、シリーズは完結した。つまり、「バッド・バッチ」は「クローン・ウォーズ」とは別シリーズなので、「クローン・ウォーズ」を踏襲した演出も第1話まで。

 第1話の「余波」は、クローン戦争終結により、戦場に身を投じ続けてきたバッド・バッチにとっての日常が文字通り一変してしまった、終戦の境目を描いていく。

 オーダー66発令時、バッド・バッチのメンバーにどのような影響があったのかという、このシリーズが始まるにあたってファンが最初に抱くであろう疑問の答えは早々に明かされ、激変する情勢の中、自分たちの意志で道を歩み出すまでの約70分だ。

 「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」のラスト4エピソードと同様に、『エピソード3/シスの復讐』の出来事と同じ時間軸での異なる場所で起きたストーリーを描きつつ、バッド・バッチのメンバーがそれぞれのスキルを活かしたチームワークで痛快なアクションを繰り広げ、共和国から帝国へと変貌するその時の銀河の様子を伺い知ることが出来るエピソードとなっており、約70分というシーズン・プレミアのボリュームも納得。

 「クローン・ウォーズ」そのままのオープニングから、クローン戦争末期の惑星カラーでのデパ・ビラバとそのパダワン、ケイレブ・デュームとバッド・バッチの活躍がはじまり、これまでの『スター・ウォーズ』アニメシリーズを見てきたファンは開始早々思わぬキャラクターの登場に釘付けとなるはず。

 ケイレブ・デュームは、「スター・ウォーズ 反乱者たち」に登場したケイナン・ジャラスの本名であり、この「バッド・バッチ」第1話「余波」ではオーダー66という、彼の苦悩の原点とも言えるシーンが明かされるのだ。

 しかし、ケイレブ・デュームとデパ・ビラバのオーダー66の際のストーリーは、2015年刊行のコミック「スター・ウォーズ:ケイナン」にてすでに描かれているのだが、第1話「余波」では「スター・ウォーズ:ケイナン」とは明らかに異なる描写となっている。

 お互いに矛盾してしまうストーリーとなってしまったことは、熱心にスピンオフ作品を追いかけてきたファンほど混乱することは間違いなく、なぜこのようなストーリーとしたのか疑問が残るところだ。

 ケイレブ・デュームだけではなく、帝国軍の提督となったターキンは「クローン・ウォーズ」登場時よりも堂々とした悪役ぶりを披露し、「クローン・ウォーズ」シーズン5での出来事が間もない頃の、オンダロンで反乱の狼煙をあげ始めたソウ・ゲレラといった、映画でもおなじみのキャラクターの『エピソード3/シスの復讐』直後の様子も明かされる。

 それぞれのキャラクターの立場から、共和国から帝国へ変貌する銀河の情勢が語られることは、今のところ4エピソードしか登場していないバッド・バッチがメインのシリーズであっても、その冒頭からファンの関心を引き寄せていく役目を担っている。

 またオーダー66の影は、痛快なバッド・バッチのチームにも影を落とす。オーダー66を引き起こした、クローン・トルーパーの脳内にある行動抑制バイオチップは、突然変異の遺伝子を持つバッド・バッチの面々には影響を与えないことが明かされる(通常のクローン・トルーパーであるエコーは、分離主義者に捕まってサイボーグ化)が、射撃の名手のクロスヘアーだけはオーダー66や帝国の命令を遵守しようとしてしまう。

 そして、戦いしか知らなかったクローン・フォース99の面々は、カミーノで出会ったオメガという少女と出会い、もはやお互いに故郷に居場所がなくなった者同士で旅をすることに。

 戦いに生きる男と、子どもの逃避行を描いていくのは「マンダロリアン」と同様だ。ザ・チャイルドと同様に、オメガもまたその正体が気になる存在だが、ザ・チャイルドと異なるのは意志の疎通がより容易な相手であること。乳幼児のようなザ・チャイルドとはまた異なる、子連れ旅が描かれるシリーズとなるのだろう。

 共和国が帝国に変貌してしまい、一夜にしてあらゆる価値が変わってしまった激動の時代。これまで共和国で戦ってきたものの、帝国には加担しない意志を持ったバッド・バッチがこれから何のために戦っていくのか。戦争が終わり、戦いを抜いたら残るものがなさそうな彼らは、いわば主君をなくした侍の浪人のような状態だ。戦いさえあれば何でもいい傭兵として生きるのか、はたまた何か異なる道を見つけていくのだろうか。

 こうしたシリーズを通しての大きな主題とともに、クロスヘアーはどのように味方につけるのか(または味方にならないのか)、クローンであるオメガのオリジナルは誰なのか、そして終盤に頼るバッド・バッチの貴重な友人1名とは誰なのかといった、直近のエピソードも含めたシリーズとしての続きが気になる作りとなっていたことは、ディズニープラスという配信サービスのために制作された作品らしく、シリーズの興味を持たせるための第1話というお題を上手くこなしたと言えるだろう。

Disney+ (ディズニープラス)
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」トリビアチェックポイント

アニメ版『エピソード3/シスの復讐』

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(字幕版)

 クローン戦争が終結間近であることが語られる「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第1話「余波」のオープニング。この演出は、「クローン・ウォーズ」のオープニングそのままだ。

 パルパティーン最高議長の誘拐をジェダイが阻止し、グリーヴァス将軍がアウターリムに退却したという『エピソード3/シスの復讐』で描かれたストーリーがナレーションで表される際に、インビジブル・ハンド内でのオビ=ワン・ケノービとグリーヴァス将軍、ウータパウへ向かう分離主義者のシーシピード級輸送シャトルのカットが登場。

 『エピソード3/シスの復讐』のシーンが、「クローン・ウォーズ」タッチのアニメで描かれることに!

ウータパウ

 ウータパウは、『エピソード3/シスの復讐』でオビ=ワンがグリーヴァス将軍を追ってきた惑星。

 ここでオビ=ワンはグリーヴァス将軍を倒すも、直後にオーダー66の発令によって襲撃を受けることになる。

 「バッド・バッチ」第1話「余波」では、オビ=ワンがグリーヴァス将軍を発見したことが語られており、『エピソード3/シスの復讐』と同じ時間帯での別の場所でのストーリーが展開されることになった。

デパ・ビラバ

 惑星カラーで劣勢の共和国軍を率いているジェダイ・マスターは、デパ・ビラバ。

 デパ・ビラバは、『エピソード1/ファントム・メナス』、『エピソード2/クローンの攻撃』に登場したジェダイ評議会のメンバー。惑星キャラクタ出身のデパ・ビラバは、幼い頃に海賊に両親を殺され捕らえられていたところをメイス・ウィンドゥに助け出され、メイスのパダワンとなる。

 レジェンズでは、小説「スター・ウォーズ 破砕点」で大きくフォーカスされたキャラクターだ。

 共和国と分離主義者の代理戦争の様相を呈していたメイス・ウィンドゥの出身地であるハルウン・コルでの任務に赴いたデパ・ビラバは、あまりの凄惨な戦場に正気を失って闇に落ちてしまう。かつてのマスターであるメイス・ウィンドゥは手酷いダメージを受けながらなんとか事態を収め、デパ・ビラバをコルサントへ連れ帰るが意識が戻らない状態となるのだった…というストーリーが描かれた。

 正史(カノン)でも、ハルウン・コルの戦いで大きなダメージを負うのはレジェンズから踏襲されているが、その後復帰しており、レジェンズに比べればデパ・ビラバのストーリーは悲劇的なものではなくなっている。

 そんなデパ・ビラバのパダワンの名前は、ケイレブ・デューム。そう、彼は…

ケイレブ・デューム

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 「スター・ウォーズ 反乱者たち」をご覧になった方は、ケイレブ・デュームの名前に憶えがあるだろう。エズラ・ブリッジャーとともに歩むジェダイの生き残りであるケイナン・ジャラスの本名こそが、ケイレブ・デュームだ(ケイナン・ジャラスは、帝国の勃興後に名乗っている名前)!

 ケイレブ・デュームは、惑星カラーでバッド・バッチの面々を援軍に呼び、共和国と分離主義者の戦闘を一気に形成逆転。その後、マスターのデパ・ビラバはオーダー66の発令によりクローン・トルーパーたちの襲撃を受け、ケイレブ・デュームを逃がす。

 オーダー66に忠実なクロスヘアーとの小競り合いの後、ハンターはケイレブ・デュームを落ち着かせようとするも、ケイレブは追っ手の気配に逃走し、姿をくらます。この後、ケイレブは混沌とした銀河の中で「ケイナン・ジャラス」を名乗るようになり、「反乱者たち」へと続くわけだ。

Star Wars: Kanan Vol. 1: The Last Padawan (Kanan - The Last Padawan) (English Edition)

 前述の通り、このケイレブ・デュームとデパ・ビラバのオーダー66の際のストーリーは、2015年に刊行されたコミック「スター・ウォーズ:ケイナン」とは異なる描写となっている。

 伝統的に映像作品の方が優先されやすい傾向があるため、今後はこの「バッド・バッチ」でのストーリーが正史(カノン)となりそうな気配があるが、メディアやシリーズを超えて一貫性のあるストーリー/設定が損なわれてしまうのは残念なところ。

 パダワンのケイレブ・デュームを演じたのは、「反乱者たち」での大人になったケイナン・ジャラスと同じフレディ・プリンゼ・ジュニア(「バッド・バッチ」日本語吹替版ではバトリ勝吾。つまり「反乱者たち」の白熊寛嗣とは別キャストとなっている)。

 ちなみにデパ・ビラバとケイレブ・デュームの師弟は、「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」第9話「忘れがたき旧友」にてホログラムで登場していた。

「優秀な兵士は命令に従う」

 オーダー66の発令により、ケイレブ・デュームを狙撃するようになってしまったクロスヘアーは「優秀な兵士は命令に従う」とつぶやく。

 このセリフは、「クローン・ウォーズ」シーズン6 1話「未知の症状」にて行動抑制バイオチップが誤作動を起こしてオーダー66と同様の状態となってしまい、ジェダイ・マスターのティプラーを射殺したクローン・トルーパーのタップがつぶやいたセリフと同じだ。

ターキン提督

 カミーノに降り立ったのは、帝国軍のターキン提督。

 『エピソード4/新たなる希望』、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ではグランドモフとなっていたが、「バッド・バッチ」では「クローン・ウォーズ」での共和国在籍時から引き続き、提督として登場。

 バッド・バッチのメンバーであるエコーは、「クローン・ウォーズ」シーズン3 18話「鉄壁の要塞」、19話「決死の脱出」にてシタデル刑務所からターキンを救い出す任務にて、分離主義者に捕まりサイボーグ化されてしまうので、因縁のある相手である。

ラマ・スー

 ターキン提督が面会したのは、カミーノの首相であるラマ・スー。

 ラマ・スーは『エピソード2/クローンの攻撃』に登場し、パドメを暗殺しようした賞金稼ぎザム・ウェセルを殺したカミーノのセイバーダートの謎を追ってやってきた、オビ=ワン・ケノービを出迎えた。「バッド・バッチ」でターキン提督と話をしていた部屋も、オビ=ワンと話していた時と同様の特徴的なイスが登場している。

 ラマ・スーは「クローン・ウォーズ」で共和国からクローン・トルーパーの発注を受けつつ、シスともつながりを持っていた。クローン・トルーパーの脳内には、胎児の段階から「ティラナス卿」から提供された行動抑制バイオチップを埋め込んでおり、ラマ・スーはジェダイが裏切った場合に備えた安全装置であると説明されていたのだ。

 共和国が帝国へと変貌することに手を貸してしまったわけだが、ターキンから帝国はクローン・トルーパーを継続して用いるわけではないことを聞かされた時には、ラマ・スーも驚いたことだろう。

トーン・ウィー

 ターキンと話すラマ・スーの側に控えているのは、『エピソード2/クローンの攻撃』に登場したトーン・ウィーだ。

 カミーノにやってきたオビ=ワン・ケノービや、ジャンゴ・フェットと話すシーンが印象深いが、映像作品への登場は『エピソード2/クローンの攻撃』以来で久しぶり(19年ぶり!)となる。

ナラ・セ

 カミーノアンの科学者、ナラ・セは「クローン・ウォーズ」シーズン1 第3話「マレボランスの影」から登場。当初はクローン・トルーパーを治療する医療者としての顔を見せていたが、シーズン6 第2話「陰謀」からはオーダー66を引き起こす行動抑制バイオチップの秘密を隠蔽しようとする、パルパティーンの陰謀に関与する人物だったことがわかる。

 ナラ・セがオメガに関わっているところを見ると、オメガの秘密は一筋縄ではいかなさそうだ…

クローン・トルーパーの訓練施設

 バッド・バッチが、ターキンの前で模擬戦闘を行っているのは「クローン・ウォーズ」シーズン3 1話「トルーパーへの道」でドミノ分隊がテストをしていたのと同様の訓練施設だ。

 「トルーパーへの道」では、候補生時代のエコーが登場している。

AZI-3

 エコーを担当した医療ドロイドは、AZI-3(正式名称はAZI-345211896246498721347)。

 AZI-3は、「クローン・ウォーズ」シーズン6 第2話「陰謀」、第3話「逃亡者」に登場している。クローン・トルーパーのタップが、突如としてジェダイ・マスターのティプラーにブラスターを向けて射殺したことを発端として、すべてのクローン・トルーパーの脳内に行動抑制バイオチップが埋め込まれている謎を解き明かしたファイヴスに協力したのが、このAZI-3だ。

 残念ながら、オーダー66を引き起こす行動抑制バイオチップの事実はパルパティーンの陰謀によりもみ消されてしまうが、AZI-3はカミーノのティポカ・シティでオーダー66発令後も医療ドロイドとして働いていた。オメガに付き添い、相変わらず調査好きな面を見せていたが、ショック・トルーパーによりスタンモードで撃たれてしまう。

パルパティーン

 共和国の最高議長から、帝国の皇帝となったパルパティーン。「バッド・バッチ」第1話「余波」では、オーダー66の発令、そして銀河帝国の誕生を告げる姿のホログラムとして登場する。

 いずれも『エピソード3/シスの復讐』のシーンのホログラムで、声はイアン・マクダーミドの同作での音声が用いられている。

フェルーシア

 カミーノでの模擬戦闘で追い込まれたバッド・バッチは、ハンドサインでフェルーシアでの作戦を再現する。

 フェルーシアは、『エピソード3/シスの復讐』にてアイラ・セキュラがオーダー66に倒れた惑星。

 「クローン・ウォーズ」ではシーズン2 第17話「七人の傭兵」にて舞台となり、『七人の侍』にオマージュを捧げたストーリーが展開される。

オンダロン

 バッド・バッチが反乱分子の討伐に赴くオンダロンは、「クローン・ウォーズ」シーズン5「オンダロン支援作戦」、「戦場を駆ける者たち」、「王の奪還」、「ターニング・ポイント」の舞台となった。

 もともと中立の惑星だったところを、王位を奪ったサンジェイ・ラッシュにより分離主義者の支配地になってしまう。

 これを良しとしない反乱軍との間で内戦が行われるが、共和国はサンジェイ・ラッシュの王政を認めざるを得ず内政干渉は出来ないため、オビ=ワン、アナキン、アソーカ・タノ、キャプテン・レックスらがオンダロンの反乱軍の訓練を行う形で支援。

 ソウ・ゲレラはこのオンダロンの反乱軍にて戦い、妹のスティーラを失ってしまう。

ソウ・ゲレラ

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (字幕版)

 ソウ・ゲレラが初登場したのは、前述の「クローン・ウォーズ」シーズン5「オンダロン支援作戦」。

 オンダロンの反乱軍だったソウ・ゲレラは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でフォレスト・ウィテカーが演じる形で実写化。帝国と戦う反乱軍の過激派組織、パルチザンを率いていた。

 「スター・ウォーズ 反乱者たち」にも登場しているが、クローン戦争直後でまだオンダロンの兵士を率いている「バッド・バッチ」では、より「クローン・ウォーズ」登場時に近い容姿となっており、「クローン・ウォーズ」と「反乱者たち」の間の時期が伺える。

 「バッド・バッチ」でソウ・ゲレラの声は、「クローン・ウォーズ」と同じアンドリュー・キシノが再び演じた。アンドリュー・キシノは、「反乱者たち」のヘラ・シンドゥーラ役のヴァネッサ・マーシャルの夫でもある。

トゥーカのぬいぐるみ

 レッカーは、ルーラというトゥーカのぬいぐるみを持っていることが明らかになった!大柄な体格で、肉弾戦で大暴れするレッカーだが、高所恐怖症に加えてなんともかわいらしい一面を持っているものである…

 トゥーカのぬいぐるみは、「クローン・ウォーズ」シーズン1 第20話「ライロスの罪なき人々」にてトワイレックのヌーマが幼少期に持っていたほか、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のジン・アーソもラムーでの幼少期に所有するなど、基本的にはイメージ通り、幼い子どもが持つもののようだ。

Disney+ (ディズニープラス)
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中

コメント

  1. senoboo より:

    5/4の放送はお疲れ様でした。

    ソウ・ゲレラはあちこちに出てきますね。
    先日、忘れていた「ハン・ソロ」の小説版を読みましたが、
    ラストに映像にはないエンフィス・ネストとの話もあって驚きました。

  2. summer2005 より:

    >senobooさん
    配信をご覧頂きまして、ありがとうございました!

    ソウ・ゲレラは様々なシリーズに登場していますね~
    『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』も、
    コアキシウムの行方がソウ・ゲレラの元にやってくることになるので
    色々と得しているキャラクターだと思います(笑)