Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「戦いの傷痕」のストーリー、レビュー(感想・考察)、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」の本編鑑賞後にご覧ください。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」の他のエピソードガイドは、以下をご参照ください。
目次
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」ストーリー
バッド・バッチが乗るマローダーは、3隻の宇宙船から攻撃を受けて追われていた。ハンターが迎撃するも、ハイパードライブはエコーがオンラインに戻す作業の真っ最中。
ローカイが盗んだトカゲを、バッド・バッチが奪ったことで彼らに追いかけられているのだ。
オメガがルビーと名付けたそのトカゲは、マローダーが攻撃を受けた拍子に檻から脱走。トカゲに飛びつかれたレッカーはパニックに。
オメガがルビーを再び檻に戻した時、マローダーはハイパードライブが復活し、ハイパースペースに突入するのだった。
トカゲを携えてオード・マンテルに帰還したバッド・バッチ。
シドのパーラーの店内にいるフードを被った見慣れない客を、ハンターは見やる。レッカーとオメガは、「お決まり」と称して連れ立って街へと出掛けて行く。
シドのオフィスではハンターが報酬を受け取るも、聞いていた金額の3分の1だと抗議するが、シドは自らが3倍を約束されたと答える。
さらに、バッド・バッチはシドから借金も負っているのだと言う。その内訳は、ドック使用料、入港税、装備、燃料費、食費に加え、マンテル・ミックス20箱も。
その頃、レッカーとオメガは、シドのツケで任務の後のマンテル・ミックスを楽しんでいたのだった。
シドのパーラーの店内では、常連客のアイソリアンのボロとウィークウェイのケッチがフードを被った見慣れない客に自分の席からどけと因縁を付けていた。
シドがハンター、エコー、テクに、タクティカル・ドロイドを回収できなかったことを引き合いに出して、シドの醜い側面を見る前に手を考えろと圧力をかけていた時、店内からブラスターの発射音が聞こえてくる。
逃げ出したボロとケッチ。彼らを追い払った見知らぬ客は、クローン・トルーパーのキャプテン・レックスだった。
シドはまたしてもクローン・トルーパーがやって来たことにボヤきながら出て行き、ハンター、エコー、テクはレックスのこれまでの話を聞く。
クローン戦争の終結後、目立たないように過ごしてきたレックス。テクは、帝国でレックスは戦死と記録されていると言う。
レックスは、トレースとラファ・マルテスからはぐれクローン部隊にコレリアで助けられたことを聞き、オード・マンテルにいるというバッド・バッチを見つけ出したのだ。
マルテス姉妹は、彼らが子供と一緒だったこともレックスに伝えており、ハンターはオメガという同じクローンなのだと説明する。
ちょうどその時、レッカーとオメガがシドのパーラーに帰ってきた。レッカーはレックスを抱き上げ、再会を喜ぶ。
オメガと会ったレックスは、これまで多くのクローンと会って来たが、彼女のようなクローンと見たことがないと言う。オメガは、レックスの顔のシワから第一世代のクローンであると言い当てる。
レッカーは、このところ頻繁に起きている頭痛を訴えて、テクに医療パッチを頼むが、使い切ってしまったと言われる。
顔色が変わったレックスを察して、テクはバッド・バッチの規格外の特性により、クロスヘアー以外の行動抑制チップの作動は妨げられていると説明。
レックスは、バッド・バッチがまだチップを取り除いていないことを知ると、警戒してブラスターに手を伸ばす。
レックスは、バッド・バッチのメンバーが思う以上にチップは危険なものであり、チップが作動するとどうなるかを見てきたこと、そして自分自身も制御できなかったことを明かし、バッド・バッチにリスクを負わせたくないと言う。
ハンターが行動抑制チップを取り除く方法を問うと、レックスはまた連絡すると告げるのだった。
レックスと落ち合うブラッカへ向かうため、ハイパースペースを航行するマローダーの船内では、レッカーがチップを取り除く手術を嫌がっていた。
テクが制作しているチップ・スキャナーも完成が近付く。
廃船に覆われた惑星ブラッカに到着した一行は、レックスと合流。
レックスは自身のチップを取り除いた時と同じように、ブラッカに残されたヴェネター級スター・デストロイヤーの設備を使おうとする。
艦から離れた地点で合流した理由は、ブラッカ全体を牛耳る解体ギルドに見つからないようにするためだ。
レックスは、クローン・トルーパーのファイブスがチップについて伝えようとしていたことを話し、ハンターはチップの存在はオメガから教えられたと言う。
ハンターは、初代の生産分だとレックスが説明したヴェネター級スター・デストロイヤーが沈む水面を見て、この水際には近寄らないようにテクに注意する。
医療ベイへ向かう途中、断絶された通路をケーブルを伝い渡る一行だったが、高所恐怖症のレッカーは躊躇していた。
いざケーブルにしがみつくと、重さでケーブルがちぎれてレッカーは汚水の水面間際まで落下。辛うじてケーブルにぶら下がっていたが、水中からダイアノーガが触手で襲い掛かってきた。
レッカーを引っ張り上げようとするクローンたちだが、レッカーはダイアノーガによって汚水の中に引きずり込まれてしまう。
なんとか水上に上がってきたレッカーになおも襲い掛かるダイアノーガを、クローンたちはブラスターで狙撃して退散させ、レッカーは無事に引き上げられるのだった。
スクラップ・ラットがうごめく医療ベイに到着した一行は、外科用ポッドを起動させてレッカーの手術の準備を始める。
オメガは行動抑制チップを取り除く手術がもし失敗して、独りぼっちになってしまうことを心配するが、ハンターはそんなオメガを
励ます。
処置を始めようとしたテクを、突然レッカーは掴んで投げ飛ばした。ブラスターを撃ち始めたレッカーが医療ベイの設備を破壊してしまわないように、ハンターとレックスはレッカーを誘導しようと艦内の通路へと走り出す。
ハンター、レックス、エコーはレッカーを止めようとするが、その圧倒的なパワーの前に追い詰められてしまう。
「オーダー66に背いたクローンは、すべて抹殺される」とハンターに告げるレッカーに、オメガはクロスボウを放つ。
レッカーに命中せず、逃げ出して荒廃した艦内に隠れるオメガ。
しかし、ついにレッカーに見つかってしまう。私は友達よと言うオメガに、レッカーは「優秀な兵士は命令に従う」と非情に返す。
オメガは、そしてレッカーは救われるのか…
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」レビュー
前話の「ドロイドの墓場」で気になるエンディングだった、トレースとラファにタクティカル・ドロイドの回収を依頼したと思われる、帝国に抵抗する者とのホログラム通信。
そして、これまでのエピソードで度々描かれてきたレッカーの異変。
これらの鍵となり、また「クローン・ウォーズ」ファン待望のキャラクターであるキャプテン・レックスの登場が、第7話「戦いの傷痕」の最大の見どころだ!
クロスヘアーと同様に、オーダー66を引き起こした行動抑制バイオチップの影響下にレッカーが陥ってしまう展開と、その解決のために行動抑制バイオチップの切除について知るキャプテン・レックスの登場が予想されたことは、前話の「ドロイドの墓場」のエピソードガイドに書いた通り。
気になる問題の答えはあまり引っ張らずに、次の話を見ればわかるというわけだ。
ゲーム「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」に登場した惑星ブラッカを舞台に、廃棄されたヴェネター級スター・デストロイヤーの暗い艦内で、ついにレッカーの行動抑制バイオチップが機能してしまい敵に回ってしまう展開は、これまでのエピソードになくシリアスでダークな雰囲気に。
明るくわかりやすいムードメーカーのレッカーが豹変して襲い掛かってくる様子は、直前までオメガと無邪気にお菓子を食べに行ったり、高所恐怖症であわてるコミカルな様子とのコントラストが効いており、朽ちた戦艦の暗い内部という舞台設定も相まって、まるでホラー映画のような演出となっている。
パワー最強のレッカーの転向は、これまでのレビューでの予想通り脅威となったが、機械的に、妄信的に圧倒的なパワーで襲い掛かって来る存在は会話が通じないという類の恐ろしさもあるし、本人の心が止めてもそうせざるを得ない行動抑制バイオチップの威力を改めて思い知らされる。
あのダイアノーガまで登場し、色々な意味で恐怖が色濃いエピソードだ。
バッド・バッチ内の行動抑制バイオチップの問題は、第7話というシリーズの中盤にて解決することになった。
行動抑制バイオチップを解除出来たということは、帝国軍に忠実な兵士となっているクロスヘアーも元に戻せる可能性もあるということ。
「戦いの傷痕」の終盤では、ハンターはバッド・バッチとオメガが進む最善の道を見つけるという目的をレックスに語っており、これが「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」のシリーズ後半のテーマとなってくるだろう。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第7話「戦いの傷痕」トリビアチェックポイント
マンテル・ミックス
レッカーが「やっぱ、任務の後はこれだよな!」と言ってオメガと食べるマンテル・ミックスはスナック菓子。
その形状や名称から連想されるのは、カリフォルニアのディズニーランドとフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの『スター・ウォーズ』のテーマエリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」の「カット・サカのケトル」で販売されているアウトポスト・ミックスだ。
アウトポスト・ミックスはつまり、パーク内で販売しているポップコーンのことなので、レッカーとオメガもポップコーンを食べていると思えば、感覚的にわかりやすい。
ちなみにマンテル・ミックスは1箱7クレジット、アウトポスト・ミックスは$6.49だ。
それにしても、レッカーはあんな体格でお菓子が好きでお気に入りのぬいぐるみがあるとは、実にかわいらしい…
レックス
シドのパーラーにバッド・バッチを訪ねて来たのは、「クローン・ウォーズ」でアナキン・スカイウォーカーやアソーカ・タノらとともに戦ったクローン・トルーパーのCT-7567、レックスだ。
レックスはキャプテンとしてシリーズを通して活躍し、「ファイナル・シーズン」ではコマンダーに昇進してマンダロア包囲戦にアソーカ・タノととも参戦。モールを捕えてコルサントに向かう途中でオーダー66が発動され、レックスも影響下に置かれてしまうがアソーカの尽力により行動抑制バイオチップの解除に成功。
レックスとアソーカ・タノは、襲い掛かるクローン・トルーパーたちの攻撃と、乗船していたスター・デストロイヤーの墜落からもなんとか生還する。
「反乱者たち」でも主要キャラクターとして登場するほか、エンドアの戦いにも参戦したことになっている。「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」と「反乱者たち」の間のレックスの足取りの一部が、この「バッド・バッチ」で明かされることになった。
ちなみに、『エピソード6/ジェダイの帰還』のエンドアのシーンでレックスと容姿が似た反乱軍兵がいる。このキャラクターはニック・サントと設定されており、当然ながら『エピソード6/ジェダイの帰還』が制作されたのは「反乱者たち」よりもはるか以前のことだ。
デイヴ・フィローニは、このニック・サントがレックスなのかというファンの説については、ファンの想像の自由を確保し、どちらかに決めつけたくないという立場を取っている。
「戦いの傷痕」の終盤では、ランデブーポイントに向かう連絡をしているので、この時点でレックスには他にも仲間がいる模様だ。
ブラッカ
行動抑制バイオチップが解除出来る設備を備えた共和国軍の艦船の残骸が残る惑星ブラッカは、2019年に発売のゲーム「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」に登場。
主人公のカル・ケスティスは、ブラッカ上空のヴェネター級スター・デストロイヤーに乗艦していた際にオーダー66に遭遇し、そのまま脱出ポッドでブラッカへとたどり着き、ここの解体ギルドにて廃船の解体作業に従事して身を隠していた。
解体ギルドも、この「戦いの傷痕」に登場。バッド・バッチとレックスがブラッカに来た時、カル・ケスティスもどこかにいたはずだ。
ヴェネター級スター・デストロイヤー
レックスとバッド・バッチが医療設備を使用するため忍び込んだ戦艦は、ヴェネター級スター・デストロイヤーの残骸。
ヴェネター級スター・デストロイヤーは、『エピソード3/シスの復讐』で初登場した共和国軍の戦艦。「クローン・ウォーズ」でも共和国軍の主要艦船として活躍した。
ブラッカの廃船の山の中には、ヴェネター級スター・デストロイヤーのほかにも『エピソード2/クローンの攻撃』の終盤に登場したアクラメーター級アサルトシップのほか、ハンマーヘッド・コルベットの残骸が見える。
ダイアノーガ
ヴェネター級スター・デストロイヤーの残骸の内部でレッカーを襲ったのは、ダイアノーガ。
ダイアノーガは、『エピソード4/新たなる希望』にてデス・スターのゴミ処理区画内でルーク・スカイウォーカーを襲った触手を持った生物。
これは正史(カノン)ではないが、廃船の中でダイアノーガに襲われるというシチュエーションは、ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」のケフ・バーのシーンを連想させる。
スクラップ・ラット
ヴェネター級スター・デストロイヤーの残骸で見かけるネズミのような生物は、スクラップ・ラット。
スクラップ・ラットは、「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」にてこの「戦いの傷痕」と同様に、ブラッカのヴェネター級スター・デストロイヤーの残骸で登場している。
「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。