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「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」のレビュー(感想・考察・批評)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」本編鑑賞後にご覧ください。

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目次

「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」レビュー

「クローン・ウォーズ」から15年、アソーカ・タノが拓くストーリー

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」シリーズがスタートしてから15年。

 「クローン・ウォーズ」のために生み出され、シリーズを通しての主人公とも呼べるキャラクターであるアソーカ・タノが、ついにタイトルロールとなったドラマシリーズ、それが「スター・ウォーズ:アソーカ」だ。

「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」

© & TM 2016 Lucasfilm Ltd.

 「クローン・ウォーズ」のスタートとともにデビューしたアソーカ・タノは、アナキン・スカイウォーカーやオビ=ワン・ケノービといったジェダイたち、またキャプテン・レックスをはじめとしたクローン・トルーパーらとクローン戦争を戦い抜く中で成長。

 アナキンの弟子となる劇場版で始まり、シーズン5でジェダイ・オーダーを離れることでその時点でのエンディングを迎えたこの「クローン・ウォーズ」は、アソーカ・タノがアナキン・スカイウォーカーと師弟だった日々を描いたストーリーと言えるだろう。

 その後も「スター・ウォーズ 反乱者たち」で、かつての師のアナキン・スカイウォーカーであったダース・ベイダーや彼が率いる帝国軍と戦ってストーリーの中で重要な役割を果たし、「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」でアソーカにとってのクローン戦争の終わりが描かれた。

 さらに、「マンダロリアン」、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」といった実写作品にも登場し(声だけではあるが、スカイウォーカー・サーガである『スカイウォーカーの夜明け』にも登場している)、帝国が崩壊して新共和国の世となってからの動向が垣間見えたほか、「スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ」では誕生間もない頃にまで遡りそのルーツと、「ファイナル・シーズン」後の帝国の時代の初期にどのように生きていたかという補完がなされるなど、この15年でアソーカ・タノは様々な作品・またその劇中時間で描かれ続け、「クローン・ウォーズ」当初から見ていた視聴者とともにアソーカも変化・成長し、着実にファンを増やしながらその活躍の場を広げてきた。

 この「スター・ウォーズ:アソーカ」では、アニメーション出身のキャラクターを実写化する上でのキャラクターメイキングといったビジュアル構築の面と、また「マンダロリアン」で触れられたこの時代のアソーカの旅の目的であるスローン大提督の捜索(と、エズラ・ブリッジャーの捜索)というストーリーラインにおいて「マンダロリアン」、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の流れを汲んだシリーズだ。

 その一方で、「スター・ウォーズ 反乱者たち」のメインキャラクターであるヘラ・シンドゥーラ、サビーヌ・レンが新共和国時代に歩んでいる道とも交差させ、「反乱者たち」のフィナーレのさらにその先のストーリーへと突入していく。

「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」ストーリー

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 「マンダロリアン」シーズン2 第5話「チャプター13:ジェダイ」でアソーカ・タノに敗れ、新共和国の法廷へと護送されていたモーガン・エルズベスは、ライトセーバーとフォースを操るがジェダイではないと言うベイラン・スコールとシン・ハティによって解放されてしまう。

「マンダロリアン」シーズン2 第5話「チャプター13:ジェダイ」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアを、ネタバレありで解説します。

 アソーカ・タノは、惑星アルカナにあるダソミアのナイトシスターの魔女の聖堂を探索していた。

 モーガン・エルズベスが戦力にしていたHK-87暗殺ドロイドの襲撃をかわし、スローン大提督の居場所へとつながる星図を確保したアソーカ・タノは、行動を共にしているヒュイヤンとともにT-6シャトルでアルカナを後にする。

 ほどなくして最重要事項だという新共和国からの連絡が入り、向かったホーム・ワンではヘラ・シンドゥーラ将軍が出迎えた。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 ヘラ・シンドゥーラから2人のフォースの使い手がモーガン・エルズベスを解放したことを知ったアソーカは、元ジェダイの可能性があることから残されたホログラムを分析してライトセーバーの調査をヒュイヤンに依頼。

 アソーカからスローン大提督の居場所の手がかりとなり得る星図を奪取したことを聞いたヘラは、星図を見る際に必要な鍵を解く上で頼れる者の存在を示唆する。
 
 ロザルでは、エズラ・ブリッジャー中佐の犠牲によって帝国を打ち負かし、ロザルを解放した反乱の指導者を称える記念碑にて式典が行われていた。

 ライダー・アザディ総督が演説の中でサビーヌ・レン中佐を呼ぶが、その姿は見当たらない。ジャイ・ケル議員がスピーチを行う間、ライダー・アザディはサビーヌ・レンを警備班に捜索させる。

 新共和国軍の同僚の制止も聞かず、かつてエズラ・ブリッジャーが住んでいた住居に帰ったサビーヌは、エズラが最後に残したホロメッセージを見ていた。

 アルカナにあるダソミアのナイトシスターの魔女の聖堂の跡地にやって来たモーガン・エルズベス、ベイラン・スコール、シン・ハティ。モーガン・エルズベスはアソーカ・タノが星図を持ち去ったと断定し、その元弟子であるサビーヌ・レンがいるロザルへとシン・ハティを送る。

 サビーヌ・レンの元には、アソーカ・タノとヒュイヤンが星図を持って訪れた。芸術家であるサビーヌ・レンに、その星図を解読する方法を依頼するアソーカは、スローンの行方を追うほかの勢力のことを考えて星図の持ち出しは禁ずる。

 ヒュイヤンは、ライトセーバーのアーカイブデータからモーガン・エルズベスを解放した者たちのライトセーバーを確認。そのうちの一人の持ち主がクローン戦争末期に消えたジェダイ、ベイラン・スコールであることを突き止めた。

 アソーカの制止にも関わらず、星図を持ち帰ってしまったサビーヌ。彼女を見つけ出すため、ロザルに到着したシン・ハティは探索を開始していた…

アソーカ・タノを生み出し、成長させたデイヴ・フィローニならではの作家性

 「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」、「スター・ウォーズ 反乱者たち」、そして「マンダロリアン」、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」や「スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ」に至るまで、様々な物語のストリームの中にいるアソーカ・タノ。

 15年という時間の中でアソーカ・タノの半生、また『スター・ウォーズ』シリーズを見続けた上でこの「スター・ウォーズ:アソーカ」を見ていると、様々なキャラクターや場所、出来事といったこの銀河のそれぞれの構成要素が交差していき、ひとつの広大な銀河系の中での大きな物語の潮流に乗っているかのような感覚になる。

 それは、本作「スター・ウォーズ:アソーカ」も含めたこれらのアソーカ・タノが描かれた作品群にて監督・製作総指揮・脚本といったその方向性を決め得る重要な役割をデイヴ・フィローニが担ってきたことによる一貫性があるからだ。

 ジョージ・ルーカスが創造した映画『スター・ウォーズ』があった上で、ともに「クローン・ウォーズ」を作り、継承したデイヴ・フィローニだからこそ、その「クローン・ウォーズ」で生み出されたアソーカ・タノの人生を、自身が「クローン・ウォーズ」で拡張した『スター・ウォーズ』ギャラクシーの中でアニメーションから実写ドラマへと表現方法が変わっても、核となる部分を変えることなく描き続けることが出来る。

 アニメーションは画の中のすべての要素を描く必要があるため、その構成要素のすべてに作為があり、偶然性はない。

 デイヴ・フィローニが監督・製作総指揮・脚本を務めた「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」は、カメラワークやフレーミングといった画作りにおいて実写でもアニメーションらしさのある「決まる画」で構成されており、アニメーション出身であるデイヴ・フィローニならではの作品であると感じる。

 第1話「パート1:師と弟子」は、時代背景や物語の前段を説明するオープニングクロールから始まる。ディズニープラスオリジナルドラマシリーズでオープニングクロールが用いられている作品は「スター・ウォーズ:アソーカ」が初めてで、スカイウォーカー・サーガ、いや『スター・ウォーズ』が元にしたクラシック映画も彷彿とさせる。

 スカイウォーカー・サーガのようにワイプも多用するといった映画文法も相まって、画の見せ方やスケール感も含めて映画作品と地続きに感じられるビジュアルは「スター・ウォーズ:アソーカ」の大きな魅力であり、それはデイヴ・フィローニが監督する「マンダロリアン」、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」、「スター・ウォーズ:アソーカ」といった新共和国時代のシリーズを締めくくる映画作品も見越しての作り方だと思われる。

 「クローン・ウォーズ」に登場しライトセーバーの制作をジェダイ・イニシエイトたちに教えていたドロイド、ヒュイヤンがアソーカ・タノをサポートする存在であったり、スローン大提督につながる星図があったアルカナの遺跡や、モーガン・エルズベスのルーツが「クローン・ウォーズ」でその詳細が描かれたダソミアのナイトシスターの魔女にあると明かされるほか、もちろんエズラ・ブリッジャーの行方を案じるヘラ・シンドゥーラとサビーヌ・レンといった「スター・ウォーズ 反乱者たち」の続編的な要素など、ストーリーにおいてもデイヴ・フィローニがアソーカ・タノというキャラクターとともに作り上げ、拡張し続けてきた作品の延長線上にあり、デイヴ・フィローニの印が作品の随所にある。

 待望の「反乱者たち」のストーリーの続きが、まさか実写で見られることになるとは!「クローン・ウォーズ」や「反乱者たち」といった作品を鑑賞していれば、この感動もひとしおだろう。

ミステリアスなストーリーは、新規ファンもともに楽しめる

「スター・ウォーズ 反乱者たち」

© 2019 & TM Lucasfilm Ltd.

 「反乱者たち」をまだ見ていないファンにとっては少し「スター・ウォーズ:アソーカ」を敬遠してしまうかも知れないが、「反乱者たち」と「スター・ウォーズ:アソーカ」の間にどのようなドラマがあったのかはまだ明かされておらず、その点においては「反乱者たち」を鑑賞していてもしていなくても同じ目線となる。

 「反乱者たち」の後、師弟であったというアソーカ・タノとサビーヌ・レン。「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」の時点でギクシャクしているこの2人の間に、一体何が起きたのか?アソーカはいつ頃からヒュイヤンと行動をともにしているのか?

 劇中では当たり前のように描かれていることも、視聴者には明かされていない。それこそ、「スター・ウォーズ:アソーカ」と同じくオープニングクロールから始まる第一作『エピソード4/新たなる希望』も同様だった。

 「反乱者たち」未見の方も「スター・ウォーズ:アソーカ」で明かされる新たなドラマ展開を一緒に楽しみ、キャラクターが歩んできた過去のストーリーが気になるようであれば、ディズニープラスですべて見られるので「スター・ウォーズ:アソーカ」の後に過去に発表された作品を鑑賞しても良いと思う。

 配信プラットフォームにおいて、ユーザーから多くの再生数を得て滞在時間を増やし、時とともに埋もれがちな過去作を掘り起こす。「スター・ウォーズ:アソーカ」はそんな既存作品のハブとなり、ディズニープラスの利用促進を図るという役割も果たしていると言える。

女性が当たり前に『スター・ウォーズ』を好きでいられる世界において、アソーカ・タノが与えた影響

 「スター・ウォーズ:アソーカ」は、アソーカ・タノ、ヘラ・シンドゥーラ、サビーヌ・レンと、主要なキャラクターが女性であることも特徴のひとつだ。

 ジェダイ・オーダーがある時代のプリクエル・トリロジーでは、女性のジェダイは登場してはいるが大きな役柄ではなく、ただでさえジェダイが少ない時代のオリジナル・トリロジーにおいては皆無だった中で、アソーカ・タノは「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」で映像作品では初めて主要なキャラクターとして活躍する女性ジェダイだった。

 ジェダイとしてライトセーバーを振るう姿は、シークエル・トリロジーでレイに受け継がれ、『最後のジェダイ』公開の2017年のトイザらスのクリスマスカタログでは女の子のモデルがライトセーバーのトイを持っている写真が使用されるようになった。

 2010年代は、女の子が「男の子向け」の『スター・ウォーズ』が好きだというだけで学校などで肩身の狭い思いをして、その話を聞いた世界中のファンが彼女を激励したというエピソードがいくつかインターネットで話題にもなった。その頃に比べれば、今は女性が当たり前に『スター・ウォーズ』を好きでいられる世界に近付いたのではないか。

 アソーカ・タノというキャラクターはそんな世界の実現に重要な役割を担ったとも思え、そのアソーカが主人公のシリーズであれば主要なキャラクターが女性であるというキャラクター配置もうなずけるところだ。

見えない師弟関係も感じさせる演出

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」というサブタイトルの通り、このエピソードでは師と弟子がキーワードとなる。

 アソーカ・タノとサビーヌ・レン、ベイラン・スコールとシン・ハティという、ライトサイドとダークサイドにおいてともに「ジェダイではない」という対照的な二組の師弟。かたやアソーカ・タノとサビーヌ・レンの関係は破綻しているようで、ダークサイドのベイラン・スコールとシン・ハティの方がまともな師弟関係を築いているように見える。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 ベイラン・スコール役のレイ・スティーブンソン、シン・ハティ役のイヴァンナ・ザクノともに魅せるアクションシーンを演じており、2人のお披露目となるエピソードの中で魅力的な悪役を印象付けている。

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 しかし、この「パート1:師と弟子」のエンドクレジットで本作がレイ・スティーブンソンに捧げられているように、レイ・スティーブンソンは2023年5月に急逝している。「スター・ウォーズ:アソーカ」も含め、多数の出演作が公開されている中での逝去が改めて悔やまれる。

 レイ・スティーブンソンはこのベイラン・スコールだけではなく、「クローン・ウォーズ」、「反乱者たち」ではガー・サクソンを演じている。

 ライトサイドとダークサイドの2組の師弟のうち、それぞれの弟子にあたるシン・ハティとサビーヌ・レンの決闘にて、サビーヌ・レンがライトセーバーを構えた姿はダークセーバーを所有したサビーヌに剣術の訓練を施したケイナン・ジャラスからの教えも彷彿とさせる。もう1人の師の姿も思い起こさせてくれるような殺陣となっているのも、「反乱者たち」と同じデイヴ・フィローニによる作品ならではだ。

 そしてアソーカ・タノは、このエピソードの中でアナキン・スカイウォーカーの元を離れたことも振り返る。サビーヌ・レンから離れたことと重ね合わせており、師と同じく弟子からも離別したアソーカの葛藤が見え隠れする。この2人の間に起きた出来事と、2人の関係性は「スター・ウォーズ:アソーカ」のシリーズとしての軸となっていくだろう。

 そんなサビーヌ・レンの危機にアソーカが駆け付ける幕切れは、同時配信の第2話を早く再生したくなるエンディングとなっており、シーズンプレミアとして上々な滑り出しだ。

「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」トリビアチェックポイント

オープニングクロール

 「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」は、スカイウォーカー・サーガのようにオープニングクロールから始まる。が、オープニングクロールの進行方向は画面奥ではなく下から上へと進み、そのフォント色は「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」第9話「パートⅠ 忘れがたき旧友」のオープニングでの「クローン・ウォーズ」ロゴのように、黄色ではなく赤となっている。

 このオープニングクロールでの「Evil Galactic Empire」、「sinister agents」という言葉は、『エピソード4/新たなる希望』のオープニングクロールでも使われている。

『エピソード4/新たなる希望』とは逆のアングルで通り過ぎる艦船

 オープニングで通り過ぎていく新共和国の輸送船は、『エピソード4/新たなる希望』ではスター・デストロイヤーの下部からのアングルであったことに対して、艦船の上部からのアングルとなっている。

ホーム・ワン

 モーガン・エルズベスを護送する新共和国の輸送船が合流しようとしていたのは、ホーム・ワン。

 後のシーンではセリフだけではなく実際にホーム・ワンが登場し、アソーカ・タノとヒュイヤンが乗艦。ヘラ・シンドゥーラと艦内で会っている。

 ホーム・ワンは、『エピソード6/ジェダイの帰還』のエンドアの戦いで反乱軍の旗艦であった改造型MC80スター・クルーザーで、アクバー提督が指揮していた。

 「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」には、『エピソード6/ジェダイの帰還』でモン・モスマ、アクバー提督によるエンドアの戦いの作戦説明が行われた戦闘指揮所も登場。

 第2デス・スターのホログラムが投影されていた場所で、アソーカ・タノとヒュイヤン、ヘラ・シンドゥーラは、ベイラン・スコールとシン・ハティのホログラムを確認する。

イータ級シャトル

 ベイラン・スコールとシン・ハティが移動に使用しているのは、イータ級シャトル。

 イータ級シャトルは「クローン・ウォーズ」に登場し、ジェダイや共和国が使用。『エピソード3/シスの復讐』でダース・シディアスが使用していたシータ級T-2cシャトルにフォルムは似ている。

 少なくともベイラン・スコールはジェダイの頃から同じライトセーバーを使用していることが「パート1:師と弟子」でわかっているが、イータ級シャトルも当時の乗機をそのまま使用しているのかも知れない。

シン・ハティのパダワンの三つ編み

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 シン・ハティの頭髪には、パダワンの三つ編みが確認出来る。

 『エピソード1/ファントム・メナス』ではオビ=ワン・ケノービが、『エピソード2/クローンの攻撃』ではアナキン・スカイウォーカーがそれぞれパダワンの三つ編みをしていた。

 かつてはアソーカ・タノにあったパダワンの三つ編みは、頭髪のないトグルータであるためシルカ・ビーズと呼ばれるビーズをつないたものだった。

監獄の扉

 モーガン・エルズベスが収監されている監獄の扉は、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター6:囚人」の舞台となった新共和国の監獄船、ボサン5のものと同様のデザインだ。

ヒュイヤン

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 アソーカ・タノと行動をともにしているドロイドのヒュイヤンは、「クローン・ウォーズ」シーズン5 第7話「試される力」、第8話「アソーカを救え」、第9話「求められる絆」に登場した、ライトセーバー制作の教授であるアーキテクト・ドロイド。

 『エピソード4/新たなる希望』から約2万5千年以上前から、ジェダイ・イニシエイトたちにライトセーバー制作を教えており、その中にはジェダイ・イニシエイトだった頃のヨーダや、メイス・ウィンドゥも含まれている。

 「クローン・ウォーズ」ではジェダイ・トレーニング・クルーザーのクルーシブルにて、イラムでカイバー・クリスタルを見つけ出すギャザリングを終えたジェダイ・イニシエイトたちにライトセーバー制作を指導。

 このジェダイ・イニシエイトの中には、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」に登場したグンジもいた。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

HK-87暗殺ドロイド

 アルカナでアソーカ・タノから星図を奪おうとしたドロイドは、HK-87暗殺ドロイドだ。

 HK-87暗殺ドロイドは、「マンダロリアン」シーズン2「チャプター13:ジェダイ」にてコルヴァスでモーガン・エルズベス監督官が戦力としていた。

 HKシリーズ 暗殺ドロイドは、レジェンズとなったゲーム「Star Wars: Knights of the Old Republic(スター・ウォーズ:ナイツ・オブ・ザ・オールド・リパブリック)」にて登場したHK-47ドロイドと同じシリーズ名だ。

 HK-87のデザインは、『帝国の逆襲』にてラルフ・マクウォーリーが描いたドロイドの賞金稼ぎのコンセプトアートに似ており、ここからインスピレーションを受けたものと思われる。

 「スター・ウォーズ:アソーカ」でHK-87の声を務めているヘレン・サドラーは、「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」やゲーム「Star Wars バトルフロント」でジン・アーソを、「LEGO スター・ウォーズ/ホリデー・スペシャル」、「LEGO スター・ウォーズ:サマー・バケーション」でレイの声を演じている。

フルクラム

 ホーム・ワンからの通信に応答する際にヒュイヤンが名乗るのは「フルクラム」。

 フルクラムは、反乱軍の情報員たちが使用していた暗号名。「反乱者たち」ではアソーカ・タノがフルクラムを名乗り、その素性を隠してヘラ・シンドゥーラらロザルの反乱者たちと連絡を取っていた。

 また、帝国保安局(ISB)のエージェントだったアレクザンダー・カラスも反乱軍に与するようになってからはフルクラムとなり、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ではキャシアン・アンドーも使用するなど、複数名が使用することで特定されにくくなっていた。

 「クローン・ウォーズ」シーズン7 第9話「忘れがたき旧友」では、アソーカ・タノがアナキン・スカイウォーカーと通信を取る際に使用しており、その源流はクローン戦争中にまで遡ることが出来る。アナキンは、最初にソウ・ゲレラからの通信だと思っていたので、ソウ・ゲレラも使用していたことがわかる。

T-6シャトル 1974

 アソーカ・タノとヒュイヤンが使用するT-6シャトルは、ジェダイ・オーダーが用いていた翼の回転機構を持つ宇宙船。そのコックピットの機構は、Bウィングに影響を与えたという設定だ。

 アソーカ・タノのT-6シャトルの番号「1974」は、デイヴ・フィローニの誕生年の1974年と同じ数字。

ヘラ・シンドゥーラ

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 今や新共和国軍の将軍となっているヘラ・シンドゥーラは、「反乱者たち」のメインキャラクターで宇宙船ゴーストを駆ってエズラ・ブリッジャー、ケイナン・ジャラス、サビーヌ・レン、ゼブ、チョッパーことC1-10Pらロザルの反乱者たちとともに帝国軍と戦った。

 当初、ヘラ・シンドゥーラたちの戦いはロザルでの小さな反乱だったが、やがて反乱軍へと結実していく。

 「スター・ウォーズ:アソーカ」でのヘラ・シンドゥーラは、「反乱者たち」の時には付けていなかったブラスターのホルスターを装着しており、そのホルスターはケイナン・ジャラスが付けていたものと似ている。今は亡き、大切な人の思いとともに新しい世でも戦いを続けているのだろうか…

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 「スター・ウォーズ:アソーカ」で実写版のヘラ・シンドゥーラを演じるのは、『10クローバーフィールド・レーン』などのメアリー・エリザベス・ウィンステッド。

 2022年にオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーと結婚しており、夫婦ともに、そして前妻イヴ・マヴラキスの娘であるエスター・ローズ・マクレガーも「オビ=ワン・ケノービ」第2話「パート2」に出演しているので、一家で『スター・ウォーズ』に出演していることになる。

ライダー・アザディ

 ロザルの総督であるライダー・アザディは、「反乱者たち」に登場。エズラ・ブリッジャーの両親であるエフライムとミラによる革命放送を支持していたことで帝国の刑務所に収監されていたが、この2人が計画した脱獄に成功。

 エズラ・ブリッジャーに両親の死を伝えて以降、ライダー・アザディはロザルの反乱活動に協力し、帝国の支配からの解放へと導いていった。

 実写版のライダー・アザディは、「反乱者たち」で声優を務めたクランシー・ブラウンが演じている!

 クランシー・ブラウンは、ライダー・アザディのほかに「クローン・ウォーズ」でサヴァージ・オプレス、「スター・ウォーズ テイルズ・オブ・ジェダイ」で尋問官を演じたほか、「マンダロリアン」シーズン1「チャプター6:囚人」でデヴァロニアンのバーグを演じている。

 日本語吹替版でライダー・アザディを演じたのは「反乱者たち」と同じく、バンダイ『スター・ウォーズ』プラモデルのボックスアートイラストを描いたイラストレーターでもある天神英貴。

ジャイ・ケル

 サビーヌ・レンが見当たらないことで、ライダー・アザディから「名言が飛び出すでしょう」とムチャ振りをされてスピーチする議員のジャイ・ケルも、「反乱者たち」に登場。

 ロザルの帝国アカデミーで訓練を受けていたジャイ・ケルは、潜入していたエズラ・ブリッジャーと知り合いになる。しかし、フォース感知者でもあったジャイ・ケルは訓練を通してフォース感知者を探し出そうとする大尋問官の関心を惹いてしまい、エズラ・ブリッジャーはジャイ・ケルを帝国アカデミーから逃がして身を隠させた。

 4年後、ジャイ・ケルはライダー・アザディの反乱勢力の一員として活動しており、エズラたちゴースト・チームに協力していた。

 ロザルが帝国から解放された後に、ジャイ・ケルは新共和国の議員となったことが「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」でわかり、ライダー・アザディ総督とともにより良いロザルにしようとしているようだ。

エズラ・ブリッジャー

 ライダー・アザディ総督が讃えているエズラ・ブリッジャーは、「反乱者たち」の主人公。

 帝国を批判した両親が帝国に捕まってしまったため、ロザルにひとりで生きていたエズラ・ブリッジャーは、帝国に抵抗していたゴースト・チームと知り合い、戦いに加わる。

 フォース感知者であることがわかり、ケイナン・ジャラスを師としてジェダイのトレーニングを積むことで成長し、ダース・ベイダーや尋問官らとの激しい戦いも生き延びていき、帝国への反乱活動の中で重要な役割を担う。

 スローン大提督率いる帝国軍からロザルを守る戦いの中、自らとともにハイパースペースを航行することが出来るパーギルの力でスローン大提督をスター・デストロイヤーとともに排除。どこかへと飛び去ってしまった。

 このように消えたエズラ・ブリッジャーを探すため、「反乱者たち」シーズン4 最終話「家族の再会 – そして別れ」のエンディングではアソーカ・タノとサビーヌ・レンが決意とともに旅立ったはずだが…

 「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」ではセリフでの言及だけではなく、ホログラムで実写版が登場。実写版のエズラ・ブリッジャーを演じたのは、『ドリームプラン』などに出演のエマン・エスファンディ。

サビーヌ・レン

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 式典から逃れ、スピーダーバイクでロザルのハイウェイを疾走しているのはサビーヌ・レン。エズラ・ブリッジャーやヘラ・シンドゥーラと同じく、「反乱者たち」のメインキャラクターだ。

 サビーヌ・レンはマンダロア出身であり、マンダロリアン・アーマーを装備して爆発物を使いこなし、ゴースト・チームで帝国軍と戦った。芸術家であり、戦いの中でもグラフィティアートを随所に残しており、反乱軍のシンボルマークの源流となるスターバードの紋章をよく描いていた。

 アーティストとしての顔により、「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話「パート1:師と弟子」でもアソーカ・タノから星図の解読を依頼されることになる。この時点でもサビーヌ・レンの周囲に絵はよく見られ、スピーダーバイクで走っている際のヘルメットや住居、またアソーカのT-6シャトル 1974のベッドにロズ=キャットが描かれている。

 このことから、アソーカ・タノとはともにT-6シャトルで暮らした時期があるようだ。

 また一時期、ダークセーバーの所持者だった。ダソミアでモールが奪っていたダークセーバーを入手するも、これを持つ意味を理解しているため、しばらくケイナン・ジャラスに預けていたが、決意とともにケイナン・ジャラスから剣術を学び、ダークセーバーの扱いを習得。

 この修練もあって、帝国に付き、総督としてまた「皇帝の手」としてマンダロアを支配していたガー・サクソンに対して、サビーヌ・レンは家族のためエズラ・ブリッジャーのライトセーバーを手に決闘し、勝利した。

 ダークセーバーはマンダロリアンの指導者にふさわしい者として、サビーヌ・レンの手からボ=カターン・クライズに渡される。ここから「マンダロリアン」でのダークセーバーのストーリーへとつながっていく。

 「反乱者たち」シーズン4 最終話「家族の再会 – そして別れ」のエンディングはサビーヌ・レンのモノローグで締めくくられており、エズラから始まった物語を閉じる役目も担っていた。

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 実写版のサビーヌ・レンを演じたのは、Netflixドラマ「ザ・ソサエティ」などに出演のナターシャ・リュー・ボルディッツォ。「反乱者たち」では明るい面も見せていたサビーヌ・レンだが、帝国崩壊後に様々な出来事があったのか、ナターシャ・リュー・ボルディッツォが演じる「スター・ウォーズ:アソーカ」では気だるげな面が強調されていると感じる。

 「グリーン・デスティニー」の続編「Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー」にて剣術のトレーニングを受けたこともあって、上記のようにライトセーバーの扱いを習得している役柄にナターシャ・リュー・ボルディッツォはマッチしており、様々なアクションを披露している。

サビーヌの壁画

 ライダー・アザディ総督が演説している後方には、サビーヌ・レンが描いた壁画が置かれている。

 この壁画は、「反乱者たち」シーズン4 最終話「家族の再会 – そして別れ」に登場した、エズラ・ブリッジャー、ケイナン・ジャラス、ヘラ・シンドゥーラ、サビーヌ・レン、ガラゼブ・オレリオス、C1-10P(チョッパー)らゴースト・チームと、ロズ=ウルフやロズ=キャットを描いたもの。

 家族であったゴースト・チームのロザルでの日々を残すのこの壁画は、ロザル解放の記念碑として移設されたようだ。

Eウィング

 スピーダーバイクに乗ったサビーヌ・レンを追跡する新共和国のキャプテン・ポーターが搭乗しているのは、Eウィングだ!

 Eウィングは、レジェンズのコミック「ダーク・エンパイア」に登場。新共和国の元で開発された最初の戦闘機となった。

 ウォルト・ディズニー・カンパニーのルーカスフィルム買収以降、2014年からの正史(カノン)/レジェンズの区分けが出来てからは、正史(カノン)の作品ではないが「LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険」シーズン2 第4話「エンバースチールのブレード」にてEウィングが初めて登場。

 正史(カノン)においては、コミック「スター・ウォーズ:ポー・ダメロン」に登場している。

ケナーのR2-D2フィギュアのようなアストロメク・ドロイド

 Eウィングに搭乗しているアストロメク・ドロイドの頭部は、ケナーから発売されていたR2-D2のフィギュアをそのままリアルにしたようなデザインとなっている。

「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」にて、筆者撮影

 ケナーのR2-D2のフィギュアは、実際のR2-D2よりも簡略化したような丸く、大きいカメラアイと、三角形のモールドをデザインして表現していた。デザインを見る限り、このケナーのR2-D2のフィギュアにオマージュを捧げたものと思われる。

スペクター

 Eウィングに乗る新共和国のキャプテン・ポーターは、スペクター2-1というコールサインを使用している。

 「スペクター」はゴースト・チーム(スペクターズ)がコードネームとして使用しており、それぞれエズラ・ブリッジャー(スペクター6)、ケイナン・ジャラス(スペクター1)、ヘラ・シンドゥーラ(スペクター2)、サビーヌ・レン(スペクター5)、ガラゼブ・オレリオス(スペクター4)、C1-10P(チョッパー、スペクター3)だった。

 ロザルの新共和国軍は彼らスペクターズに敬意を払って、その一員かのようにスペクターのコールサインを使用していることが伺える。

ロザルのハイウェイ

 サビーヌ・レンがスピーダーバイクに乗って疾走するロザルのハイウェイは、「反乱者たち」で度々戦いの舞台となっていた。

エズラ・ブリッジャーの家

 サビーヌ・レンは、かつてエズラ・ブリッジャーが住居としていたロザルネット通信タワーE-272に住んでいるようだ。

 ストームトルーパーやスカウト・トルーパーのヘルメットも置かれており、エズラが集めていた帝国軍のヘルメットコレクションもサビーヌはそのまま取ってある模様。さらに、エズラ・ブリッジャーのライトセーバーも使用している。

ホロプロジェクター

 サビーヌ・レンは、エズラ・ブリッジャーが最後に残したメッセージをホロプロジェクターで視聴している。

 このホロプロジェクターは、『エピソード1/ファントム・メナス』に登場したソロスーブ社製イメージキャスターと同じもののようだ。ジェダイによって使用されている描写も多く、「オビ=ワン・ケノービ」ではタトゥイーンに隠遁していたオビ=ワン・ケノービも所持していた。

プローブ・ドロイドで捜索するシン・ハティ

 ロザルに到着し、サビーヌ・レンをプローブ・ドロイドで捜索するシン・ハティは、『エピソード1/ファントム・メナス』にてタトゥイーンに着陸し、クイーン・アミダラの一行をシス・プローブ・ドロイドで探すダース・モールのシーンを連想させる。

ダソミアのナイトシスター

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 モーガン・エルズベスは、自身の祖先はダソミアのナイトシスターであると言う。
 
 ナイトシスターは、ダソミアの魔術を用いる女性たちの氏族。もともとはレジェンズの小説「レイアへの求婚」に登場し、ダソミアの魔女として知られている。

 正史(カノン)としては「クローン・ウォーズ」にて、ダソミアのナイトシスターたちがストーリーに深く関与。ドゥークー伯爵の弟子であるアサージ・ヴェントレスのほか、ダース・モールの母であるマザー・タルジンらがパルパティーンやドゥークー伯爵といったシスと因縁を繰り広げていく。

 ナイトシスターに対して、ダソミアの男性の集団であるナイトブラザーもおり、ダース・モールやその弟であるサヴァージ・オプレスはナイトブラザーの出身。

 ダソミアのナイトシスターは、独立星系連合を率いるドゥークー伯爵とグリーヴァス将軍によって壊滅状態となるが、生き残りはわずかにおり、モーガン・エルズベスもそのひとり。

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