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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2の他のチャプターのエピソード、またシーズン1のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」レビュー

「クローン・ウォーズ」に登場のウーキーのジェダイ、グンジの帰還

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 新たに判明したオーダー66を生き残ったウーキーのジェダイ。

 バッド・バッチは、このウーキーのジェダイを故郷のキャッシークのウーキーたちの元へと向わせる手助けとともに、ウーキーの宿敵であるトランドーシャンたちと帝国軍の侵攻を食い止めるという、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ではシーズン1 第1話「余波」以来でジェダイとバッド・バッチの面々によるアクションが見られるエピソードだ。

「スター・ウォーズ:バッド・パッチ」第1話「余波」のストーリー、レビュー(感想・考察)、トリビアを、ネタバレありで解説します。

 この「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」の大きな特色は、これまでの「クローン・ウォーズ」シリーズに触れていればいるほど、さらに楽しめる要素があるということにある。

 バッド・バッチが密輸集団ヴァンガード・アクシスとチェーンコードの取引をしている最中、捕らえられていたウーキーの脱出に手を貸したオメガ。そのウーキーは、フォースとライトセーバーを使うジェダイだった。

 ともにヴァンガード・アクシスから逃れたグンジと名乗るウーキーを、バッド・バッチはキャッシークまで送り届けることに。しかし、キャッシークでは帝国軍とトランドーシャンがウーキーを狩り出していた…

 まず、「クローン・ウォーズ」を見ていたファンにとって見どころとなる点は、シーズン5に登場したウーキーのジェダイ、グンジの登場だ!

 「クローン・ウォーズ」登場時はまだジェダイ・イニシエイトであったグンジの、あのオーダー66を生き延びて成長した姿を見ることが出来るのは感慨深いものがある。

幻の「クローン・ウォーズ」未完成エピソードが今によみがえる

 続いて「クローン・ウォーズ」の周辺情報まで熱心に追いかけている方々の心を躍らせるポイントは、この「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」が、実質的に「クローン・ウォーズ」未完成エピソードのエッセンスを汲み取ったものになっているという点だ。

 「クローン・ウォーズ」は、ルーカスフィルムがディズニー傘下となった後の2013年にシリーズの終了が発表され、2014年に放送の「フィフス・シーズン」にて終了。

 その後、シリーズ終了決定時点で完成していたエピソードは、「シーズン6 ザ・ロスト・ミッション」として公開されたものの、「クローン・ウォーズ」には他にも未完成エピソードが多数存在している。

 そのシリーズ終了決定前に制作を予定していた「クローン・ウォーズ」未完成エピソードについては、コミック「スター・ウォーズ:ダース・モール ダソミアの後継者」、小説「Dark Disciple」とアニメーションではなく書籍に形を変えて正史(カノン)作品となったものもあれば、StarWars.comや「ザ・ロスト・ミッション」ブルーレイ特典映像にて制作途中の映像が公開されたもののほか、「スター・ウォーズ セレブレーション」のトークパネルではコンセプトアートなどとともに未完成エピソードの概要が語られており、「クローン・ウォーズ」が当初の予定通り継続していた場合の構想は熱心なファンには知られているのだ。

 「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」の「不良分隊」からなるバッド・バッチ初登場エピソードも、元々は未完成エピソードのうちのひとつ。

 未完成エピソードを復活させる流れがなければ、バッド・バッチが正史(カノン)になることはなく、ましてやそこからのスピンオフであるこの「バッド・バッチ」というシリーズも存在しなかっただろう。

 キャッシークを舞台にした未完成エピソードは、ヨーダがバッド・バッチとともに分離主義者とトランドーシャンらと戦うというストーリーだった。

 時代設定をクローン戦争後とし、ヨーダの存在を除いてグンジに置き換えるなどの調整はあるものの、シーズン2 第6話「部族」はこの未完成エピソードの大まかな骨子を用いていることがわかる。

 他にも、シーズン2 第6話「部族」にはウーキーたちが木々と対話するシーンや、キャッシークの森林が火災に見舞われるが、未完成エピソードではターフルが木と対話することや、キャッシークの町から敵を追い出すために木を燃やす必要に迫られ、ウーキーが動揺するというストーリーが構想されており、随所に未完成エピソードのエッセンスを見受けられる。

 ちなみに、キャッシークを舞台にしたこの「クローン・ウォーズ」未完成エピソードでは、『エピソード3/シスの復讐』でのヨーダがキャッシークのウーキーたちと良好な関係を結んでいるという発言とつなげる役割を持っていたという。

様々なレイヤーのファンが楽しめるエピソード

 上記のようなこれまでの「クローン・ウォーズ」シリーズのエピソードや、未完成エピソードの構想を知らなくても、ウーキーの故郷として知られるキャッシークでのバッド・バッチとグンジのバトルシーンやストーリーは充分楽しめるはずだ。

 また「バッド・バッチ」シーズン2は、オメガがストーリーの推進役としてバッド・バッチを様々な場所へと連れ出していることが顕著になっていると改めて感じる。困っている人を見捨てないオメガの正義感がクローンを信用できないグンジとバッド・バッチを結び、ともにキャッシークへと向かわせた。オメガの心が向く方向が、バッド・バッチの行く道だ。

 さらに、これまでのエピソードでも同様だが、軌道上に浮かぶヴァンガード・アクシスの拠点の全景や、キャッシークで起こる森林火災などのビジュアルは美麗で、実写作品のVFXのようにも見えるクオリティの高さを改めて実感させられる。

 このように、シーズン2 第6話「部族」は様々なレイヤーのファンが楽しめるエピソードとなっている。もともと未完成エピソードからの出自であるということで、今後も「バッド・バッチ」は日の目を見なかったアイデアを完成作品に盛り込んでいくという役割を果たしていくかも知れない。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」トリビアチェックポイント

チェーンコード

 バッド・バッチがヴァンガード・アクシスに売ろうとしたのは、テクが作った偽造したチェーンコードだ。

 チェーンコードは「マンダロリアン」にて最初に登場し、個人が特定出来るIDとして、賞金稼ぎがターゲットを捜索する際に用いたり、犯罪歴が記録されたり、身分証明として使用されていた。

 「マンダロリアン」シーズン2「チャプター14:悲劇」では、ボバ・フェットがマンダロリアン・アーマーが自身のものであると証明するために、ジャンゴ・フェットも含めた歴代の持ち主がマンダロア語で記載されたチェーンコードをディン・ジャリンに見せている。

 また「バッド・バッチ」第2話「脱出」では、チェーンコードは帝国が市民を管理するため、旧クレジットを使うために必要であるとし、帝国時代になって制定されたものであることが明かされた。

グンジ

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 ヴァンガード・アクシスに捕らえられていたジェダイのウーキーは、グンジだ。

 グンジは、「クローン・ウォーズ」シーズン5「ギャザリングへの挑戦」にて初登場。自らのライトセイバーを作るためのカイバー・クリスタルを見つけ出すため、イラムのクリスタルの洞窟にて試練に挑戦するジェダイ・イニシエイトの中のひとりだ。

 イラムにてカイバー・クリスタルを見つけ出した後、ジェダイ・イニシエイトたちが乗るジェダイ・トレーニング・クルーザーのクルーシブルはホンドー・オナカーの海賊の襲撃を受ける。グンジは他のジェダイ・イニシエイトたちとともにフローラムで、捕らえられたアソーカ・タノを救出。その後、グリーヴァス将軍率いる分離主義者とも戦って生き延びた。

 この「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」によって、グンジのオーダー66後の消息が明らかとなった。

キャッシーク

 バッド・バッチがグンジとともに向かうキャッシークは、ウーキーの母星である森林の惑星。

 キャッシークは、レジェンズであるテレビ特番「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」にて初めて登場し、ルークやレイア、ハン・ソロ、チューバッカ、C-3PO、R2-D2がキャッシークでウーキーの祝日であるライフ・デイ(生命の日)を祝った。

 正史(カノン)としては、『エピソード3/シスの復讐』にクローン戦争末期の戦場として登場。ヨーダはキャッシークでオーダー66の発令に遭うものの、襲撃を回避してターフル、チューバッカといったウーキーの助けによって脱出した。

 「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」でのハンターやレッカーの発言からは、以前にキャッシークを訪れたことがわかる。

レーション

 オメガが、グンジに渡したレーション(戦闘糧食)の容器や内容は、『エピソード5/帝国の逆襲』にてルーク・スカイウォーカーがダゴバに到着した際に食べていたレーションを彷彿とさせる。

スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ グッズ

 また、カリフォルニアのディズニーランド、フロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオのテーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」でも、同様の形状の容器に入ったレジスタンスのMRE(軍の戦闘糧食)が販売されている(内容はお菓子だが)。

ヴェノモー

 帝国軍のAATを用いて、ウーキーを攻撃するトランドーシャンのコマンダー・ヴェノモー。

 シリーズ終了が決定となる前に、「クローン・ウォーズ」にはシーズン7以降のストーリーが考えられており、その未完成エピソードの中にはキャッシークにてヨーダとバッド・バッチがウーキーとともに分離主義者と戦うというストーリーがあった。

The Untold Clone Wars Panel | Star Wars Celebration Anaheim

 そのキャッシークを舞台にした未完成エピソードでは、バブワ・ヴェノモーというトランドーシャンのリーダーがいたことが明かされている。

 つまり、「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」のヴェノモーは、「クローン・ウォーズ」未完成エピソードのキャラクターを原型としたものなのだ。

キンラス

 「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」で、キャッシークを舞台にした「クローン・ウォーズ」未完成エピソードからの引用はヴェノモーだけではなく、バッド・バッチとウーキーたちが協力してトランドーシャンの攻撃を撃退するというストーリー自体も原型としているが、クモのようなクリーチャーであるキンラスの登場もそのひとつだ。

 キンラスは、レジェンズのゲーム「Star Wars: Knights of the Old Republic」に登場。「クローン・ウォーズ」未完成エピソードでアニメシリーズに顔を見せることになりかけたものの、前述のようにキャッシークのエピソードは幻となってしまったのだ。

 しかし、「バッド・バッチ」シーズン2 第6話「部族」での登場により、キンラスは『スター・ウォーズ』の正史(カノン)となった。

 またキンラスだけではなく、ウーキーたちが騎乗する巨大な類人猿型クリーチャーも、「クローン・ウォーズ」未完成エピソードからの引用だ。

 ウーキーが類人猿型クリーチャーに乗り、バッド・バッチとともにキンラスと戦うシーンの作成途中のアニメーションは、「スター・ウォーズ セレブレーション アナハイム 2015」のパネル「The Untold Clone Wars Panel」の配信映像で見ることが出来るので、見比べてみると良いだろう。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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