後世でも、歴史の大きな転換期として振り返られることになるであろう2020年が終わり、新しい年、2021年がはじまりました。
2020年は、イベントの延期やオンライン化、テーマパークの休園、海外では書籍の発売延期など、『スター・ウォーズ』にも新型コロナウイルス感染症拡大が大きな影響を及ぼし、年始に書いた年間のイベントスケジュールの予定も、その通りにはならない点が多々ありました。
『スカイウォーカーの夜明け』が映画館で上映され、スカイウォーカー・サーガの終わりに盛り上がっていた年の初めから、ここまで世界が一変してしまうとは多くの方々が思いもよらなかったでしょう。
振り返れば『スカイウォーカーの夜明け』の公開が、新型コロナウイルスによる新しい時代が到来する、まさに夜明け前のうちに終わっていったことが、『スター・ウォーズ』ファンにとってせめてもの幸いだったかも知れません。
そんな中でも、「マンダロリアン」シーズン2や「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」といったディズニープラスで配信されるオリジナル作品が世界中のファンの心を熱狂させたことは、この時代ならではの作品の届け方・楽しみ方が始まった年として記憶されるでしょう。
世界中の多くの人々が、多かれ少なかれ環境の変化を経験し、ストレスを受け続けた日々の中で、毎週新作『スター・ウォーズ』が見られたことは、ファンに希望を与え、その日常を支えたのではないでしょうか。エンタテイメントには、そうした力があると思います。
2021年も、引き続き新型コロナウイルスの影響がある中で、我々は日常を生き、その中に何らかの楽しみを見出し続けるのでしょう。
以下には、現在わかっている2021年の『スター・ウォーズ』関連イベントやアニバーサリー(記念日)に関するスケジュールをまとめています。情勢により、随時変更があることも想定されるものではありますが、この先に楽しみがあるということは日々を乗り越える糧になり得ます。
2021年、状況が少しでも改善すること、またそんな日々の中でも遠い昔、はるか彼方の銀河系の物語が多くの方々の心の支えになればと願います。
目次
「スター・ウォーズ ザ・ハイ・リパブリック」シリーズ続々刊行
スカイウォーカー・サーガの200年前の時代を舞台にした『スター・ウォーズ』新書籍シリーズ「スター・ウォーズ ザ・ハイ・リパブリック(Star Wars: The High Republic)」の刊行が1月より刊行が開始され、これまで語られていなかった銀河共和国とジェダイ・オーダーが栄華を極めていた時代を、小説、コミックなどあらゆる書籍媒体にて、複数の作家が描いていくスピンオフ書籍プロジェクトが始動となります。
1月に刊行されたのは、小説「Star Wars: The High Republic: Light of the Jedi」、ジュニアノベル「Star Wars: The High Republic: A Test of Courage」、「The High Republic: The Great Jedi Rescue」、マーベルのコミックで、2021年は以下のタイトルの刊行が予定されています。
- 2月2日 「The High Republic: Into the Dark」(ジュニアノベル)
- 2月24日「Star Wars: The High Republic Adventures」(コミック)
- 6月29日「The High Republic: The Rising Storm」(小説)
- 6月29日「The High Republic: Race to Crashpoint Tower」 (ジュニアノベル)
- 7月27日「The High Republic: Out of the Shadows」(ジュニアノベル、このほかタイトル未定の1冊が同日刊行)
ゲーム「レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ」発売
『エピソード1/ファントム・メナス』から『スカイウォーカーの夜明け』までのスカイウォーカー・サーガ全九部作を、ひとつの「レゴ スター・ウォーズ」ゲームで楽しめる「レゴ スター・ウォーズ:スカイウォーカー・サーガ」が、2021年春に発売予定です。
『スター・ウォーズ』の日 2021年
5月4日(火)は、毎年恒例となった『スター・ウォーズ』の日!
『スター・ウォーズ』シリーズの名ゼリフ「May the force be with you(フォースと共にあらんことを)」から、May→5月、the force→the4th→4日、という言葉遊びに由来するもので、日本では一般社団法人・日本記念日協会に「スター・ウォーズの日」として制定されており、正式な記念日となっています。
2020年は初のオンラインでの展開となりましたが、2021年の「スター・ウォーズの日」も現在の情勢を考えると、2019年までのような大規模なイベントの開催は難しい状況が続いていくことが予想され、2021年も2020年と同様に、ファンがそれぞれの形で楽しむ1日となるでしょう。
3月12日追記:2021年の「スター・ウォーズの日」も、オンラインイベントの開催となりました。
また、新作アニメシリーズ「スター・ウォーズ:バッド・パッチ」は5月4日(火)にDisney+ (ディズニープラス)にて配信開始となりますので、今年2021年の『スター・ウォーズ』の日は新作を楽しめる記念すべき日となりそうです。
過去6年間、『スター・ウォーズ』の日にどのようなイベントが行われていたかについては、以下を参照ください。
「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」10周年
ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」が、2011年のリニューアルオープンから10周年となります!
2011年5月20日にフロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオにて、同年の6月3日にはカリフォルニアのディズニーランドでもオープンしました。
日本の東京ディズニーランドでの「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」のオープンは、それから2年後の2013年のことです。
「帝国の後継者」30周年
1991年5月に刊行されたスピンオフ小説「スター・ウォーズ 帝国の後継者」は、2021年で30周年を迎えます(日本での刊行は1992年)!
「帝国の後継者」は、1990年代に映画の公開がない『スター・ウォーズ』冬の時代の中で、『ジェダイの帰還』以降のルークたちの活躍が初めて描かれたスピンオフで、「スター・ウォーズ 反乱者たち」にて正史の作品にも登場したスローン大提督、後にルーク・スカイウォーカーの妻となるマラ・ジェイドといった人気キャラクターを生み出した作品です。
2019年には邦訳版が復刊され、30年の時を経ても容易に読むことが出来ます。
「帝国の影」25周年
1996年、『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』の間に起きた出来事を、小説、コミック、ゲームといった様々な表現方法で描いていくマルチメディアプロジェクト「帝国の影」が発表されました。
復讐のためダース・ベイダーの失脚をもくろむシゾールが、彼の息子であるルーク・スカイウォーカーを狙う中、レイア、チューバッカ、ランド・カルリジアンらはカーボナイト凍結されたハン・ソロの奪還を目指すストーリーが描かれます。
この大きなひとつのストーリーを、小説ではシゾールやダース・ベイダーの皇帝の右腕の座を巡る陰謀劇を、コミックではボバ・フェットがハン・ソロを無事にジャバの宮殿まで運び込むまでの賞金稼ぎたちの抗争を、そしてNINTENDO64のゲームではダッシュ・レンダーを中心にするなど、各メディアそれぞれの視点から語られていくという点が、「帝国の影」ならではの大きな魅力です。
また、ストーリー中でルーク・スカイウォーカーが新しいライトセーバーを作り、レイアがブーシの衣装を入手した経緯が明かされるなど、『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』の間の空白の1年が埋まっていくのも面白い点でした。
こうしたスピンオフでの展開に留まらず、フィギュアやトレーディングカード、さらに映画作品ではないにも関わらず、サウンドトラックCDも発売されるなど、1997年の『スター・ウォーズ 特別篇』の公開前に盛り上がりを作ったのです!
実際に、『スター・ウォーズ 特別篇』には「帝国の影」との連動が多く見られ、モス・アイズリー宇宙港上空には、「帝国の影」のキャラクターのダッシュ・レンダーの愛機アウトライダーが飛び、街中にはダース・ベイダーが訓練をしていた相手のドロイドのシリーズであるASP-7の姿や、スウープ・ギャングが乗っていたスウープ・バイクも登場します。
『スター・ウォーズ』ノベライズ45周年
アラン・ディーン・フォスターによる『スター・ウォーズ』第1作(「ルーク・スカイウォーカーの冒険より」の副題付き)のノベライズは、映画よりも先行して1976年11月12日に刊行されました。
そのため、2021年で映画そのものよりも早く45周年を迎えます。
映画との相違点のほか、序文のウィルズ(ホイルス)銀河史など、ノベライズ独自の要素はスカイウォーカー・サーガが完結した、今だからこそ楽しめるところもあるでしょう。
ルーカスフィルム50周年
1971年にジョージ・ルーカスによって立ち上げられたルーカスフィルムは、2021年で50周年を迎えます!
『スター・ウォーズ』のほか、『インディ・ジョーンズ』シリーズなど数々の映画作品を送り届けるとともに、視覚効果、音響、アニメーションなど、映画技術において様々な革新をもたらし、これまでにルーカスフィルムはアカデミー賞にて38、エミー賞にて29の賞を獲得してきました。
ルーカスフィルムは1年を通して、この周年を祝っていくということです。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』公開5周年
2016年12月16日に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、2021年で公開から5周年となります!
『エピソード4/新たなる希望』の直前、デス・スター設計図を奪取することになった一団の物語は、約40年前に公開されたシリーズの原点に新たな意味をもたせるとともに、スカイウォーカー・サーガ以外を描く映画シリーズ「スター・ウォーズ アンソロジー・シリーズ」の第1作として、『スター・ウォーズ』の可能性を拡げた作品となりました。
2021年ディズニープラス配信『スター・ウォーズ』新作シリーズ
2021年には、以下の『スター・ウォーズ』新作シリーズがDisney+ (ディズニープラス)にて配信されます。
2021年を通して配信されるこれらのシリーズが、今年も世界の『スター・ウォーズ』ファンたちを楽しませてくれることに期待です!
スター・ウォーズ:バッド・パッチ
「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」に登場の不良分隊、バッド・パッチと呼ばれるエリート・クローン・コマンドー部隊「クローン・フォース99」を主役に据えたアニメシリーズ「スター・ウォーズ:バッド・パッチ」は、2021年にDisney+ (ディズニープラス)にて配信されます。
クローン戦争が終わり、共和国が帝国に変貌した後の時代の「クローン・フォース99」が傭兵としてのミッションに身を投じながら、彼ら自身の新たな目的を模索する姿が描かれます。「クローン・ウォーズ」は完結しましたが、「クローン・ウォーズ」と同様のルックで描かれるということで正統な続編と言えそうです。
「スター・ウォーズ:バッド・パッチ」のDisney+ (ディズニープラス)での配信は、『スター・ウォーズ』の日である5月4日(火)から第1話が配信開始。第2話は5月7日(金)、これ以降のエピソードは毎週金曜日に配信開始となります。
Star Wars: Visions(スター・ウォーズ:ヴィジョンズ)
日本のアニメクリエイターにより、10作のアンソロジー形式の短編アニメシリーズ「スター・ウォーズ:ヴィジョンズ」も、2021年にディズニープラスにて配信。
日本のアニメーションスタジオが、どのように『スター・ウォーズ』を描き、それが世界にどのような受け止められ方をするのか、楽しみな作品です!
The Book of Boba Fett(ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット)
ボバ・フェットが主役の新シリーズ「ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット(The Book of Boba Fett)」は、2021年12月にDisney+ (ディズニープラス)で配信されます。
「マンダロリアン」と同時代を描き、ボバ・フェット役にテムエラ・モリソン、ボバ・フェットのパートナーとなった危険な暗殺者、フェネック・シャンド役としてミンナ・ウェンがそれぞれ出演。
製作総指揮は「マンダロリアン」を手掛けたジョン・ファブロー、デイヴ・フィローニに加えて、ボバ・フェットが本格的な登場を果たした「マンダロリアン」シーズン2「チャプター14:悲劇」のエピソード監督のロバート・ロドリゲスが務めます。
2021年の『スター・ウォーズ』 イベント情報がわかり次第、随時更新します
上記の2021年の『スター・ウォーズ』イベントは、現在わかってる範囲での情報であり、変更される可能性があるほか、今後様々なトピックスも追加で公開されていくことでしょう。2020年に引き続き、2021年も情勢によっては大きな変更が相次ぐ可能性もありますので、情報が追加されましたら随時更新します。
2021年も、「スター・ウォーズ ウェブログ」をよろしくお願いします。
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。