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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン1、シーズン2、またファイナル・シーズンの他のエピソードについては、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」レビュー

第1話「囚人」での伏線が効いた、初回同時配信の第3話

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンの初回3話同時配信の第3話目となる「タンティスの影」は、第2話「未知の道」でハンターとレッカーのストーリーを挟み、再びタンティス山の帝国軍施設に囚われているオメガとクロスヘアーの視点に戻ってくる。

 第1話「囚人」に直結するエピソードとなっており、続けて鑑賞すれば第1話「囚人」での様々な描写が第3話「タンティスの影」でのオメガとクロスヘアーの脱出行へとつながっていることがよくわかるだろう。

 第1話「囚人」での丁寧な前振りから、ストーリーが動き出すスピード感の緩急が第3話「タンティスの影」でついており、初回3話同時配信というリリース方法も納得だ。

 パルパティーンの登場に加え、タンティス山の帝国軍施設での研究内容、そしてオメガの謎が深まっていくなど、初回同時配信の3本を締めくくり、今後の先行きが気になるファイナル・シーズンのスタートにふさわしいエピソードだ。

 エメリー・カーが独房に現れ、いつものようにオメガの朝は始まる。

 しかし、ウェイランドのタンティス山の帝国軍施設内では、通常よりもトルーパーの数が多くなっていた。

 ドクター・ヘムロックとナラ・セは、予定外の客人に対応するため、エメリー・カーにラボの監督を依頼。早速、血液サンプルの検査から始めようとするエメリー・カー。その中には、採取したオメガの血液も含まれている。

 ナラ・セは、血液サンプルを検査されれば危機に陥るため、自身のデータパッドを使ってこの帝国軍施設から逃げるようオメガに伝える。

 タンティス山を訪れた予定外の客人とは、パルパティーン皇帝その人だった。パルパティーンは、ドクター・ヘムロックが行う作業の進捗をその目で確認しに来たのだ。それはネクロマンサー計画と呼ばれている。

 クロスヘアーの独房にやって来たオメガは、ナラ・セのデータパッドで牢を開け、2人はともに施設を脱出しようとするが、皇帝のシャトルを除いて全シャトルが飛行禁止となっていた。そこで以前にジャングルに墜落したシャトルを目指し、その通信機でハンターとレッカーに連絡を取ることに。

 オメガとクロスヘアーは、今は使われていないルルカ・ハウンドのバッチャーの檻から続く通路からタイマー式のレイ・シールドをかいくぐって外へ脱出を図る。しかし、彼らの前にエメリー・カーが説得に現れる。クロスヘアーはエメリー・カーをスタンさせるが、すでにエメリーから警報は送られていた。

 パルパティーンを見送ったドクター・ヘムロックは、オメガとクロスヘアーの逃走の一報を知る。上空のシャトルの航路を辿って墜落したシャトルを目指すオメガとクロスヘアーを、回収チームとルルカ・ハウンドが追跡し…

カウントダウンが盛り上げる、オメガとクロスヘアーの脱出行

 第1話「囚人」で、脱走をあきらめず、クロスヘアーもあきらめず、ルルカ・ハウンドのバッチャーもあきらめなかったオメガは、タンティス山の帝国軍施設からの脱出において、これら見捨てなかったすべてのものによって事態が好転し、再び自由を手にした。

 第1話「囚人」で描かれた淡々とした日々の積み重ねが、脱出へと結実していくことはパズルのピースがはまっていくようで爽快感がある。

 また、第1話「囚人」でも印象的に登場した血液サンプルをかける遠心分離機は、レビューで触れたように時計の文字盤のようにデザインされていることが充分に活かされ、この第3話「タンティスの影」ではまさにカウントダウンを刻む時計の役割を果たしている。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第1話「囚人」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 遠心分離機にかけられたオメガの血液が検査されるまで、時計周りにサンプルが回っていき、ナラ・セが恐れていたオメガが危機に陥る事実の暴露の時が近づいていく。

 これがオメガとクロスヘアーの脱出までの残り時間のカウントのように機能し、サスペンスを盛り上げているのだ。

オメガのM値の陽性反応の謎

 一方で、帝国による遺伝工学によるM値(カウント)の増強と移植の研究、またオメガに関する謎について、その一部を明かしながらも、今後のファイナル・シーズンの鑑賞を高めるように謎をさらに深めてくる。

 前述のように、オメガの血液サンプルからはM値の陽性反応が出ていることが判明した。

 オメガは遺伝子に純粋な第一世代のDNA、つまりオリジナルであるジャンゴ・フェットの遺伝子が見つかっており、通常のクローンに施されている成長加速や従順さの遺伝子組み換えを受けていない存在であるが、バッド・バッチと同じ遺伝子変異のあるクローンだ。

 他のクローンからはM値の陽性反応が出ていないことから、オメガが遺伝的に改良を受けたのはM値に関する事柄なのだろうか?

 いずれにしてもドクター・ヘムロックにとっては重要なサンプルとなるため、脱出を果たしたオメガだが、その身柄は今後も常に狙われ続けるだろう。

「マンダロリアン」とつながる「ネクロマンサー計画」の謎

 そして、そのドクター・ヘムロックが取り組んでおり、パルパティーン皇帝が視察にまでやって来るほど関心を寄せているのはネクロマンサー計画であることが明かされる。このネクロマンサー計画の存在は、「マンダロリアン」シーズン3 第7話「チャプター23:スパイ」にて登場し、新しい指導者の必要性を語るモフ・ギデオンに対して、ブレンドル・ハックス司令官がネクロマンサー計画はそのためにあるのだと発言していた。

 ネクロマンサーといえば、死者や霊を用いた術を操る者のことだ。

 遺伝子工学によるM値の増強とその移植は、帝国の残党の新しい指導者を生み出すことへとつながっていくのだろうか?ダース・プレイガスは、ミディ=クロリアンを操って生命を作り出し、死から遠ざけることも出来たとパルパティーンは語っている。パルパティーンはダース・プレイガスが持っていたという力を、何らかの方法で再現しようとしているのだろうか。

 ひとつ言えることは、帝国が起こってから間もない頃(『エピソード3/シスの復讐』の1年後)から帝国が崩壊してしばらくした頃(『エピソード6/ジェダイの帰還』の5年後頃)までの約27年もの間、このネクロマンサー計画は存在し続けたということだ。

 厳重な警備の上、幾重にも張られたレーザーゲートの先には被検体が保管されており、M値の複製に関連するテストが可能となっている模様。

 ネクロマンサー計画の謎は、「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンを通してカギとなり、また「マンダロリアン」などの他シリーズや今後公開される新作へとつながっていくことだろう。

 さらに冒頭では、「バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」でランパート中将からカミーノのティポカ・シティが崩壊した真相を知るクローン・トルーパーを暗殺していた、いわゆるクローンXと同じヘルメットをした者の姿もある。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第7話「クローン謀議」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 これまでのシリーズで散りばめられた謎の解明と、そして今後の新作へとつながる新たな謎の創出も、「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンに期待していきたい。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第3話「タンティスの影」トリビアチェックポイント

ロイヤル・ガード

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 ウェイランドのタンティス山の帝国軍施設に到着したシャトルから、パルパティーン皇帝に先んじて降り立ったのは、2名のロイヤル・ガードだ。

 皇帝のボディガードであるロイヤル・ガードは、『エピソード6/ジェダイの帰還』に登場。

 パルパティーン皇帝が第2デス・スターで1度、倒される頃だけではなく、共和国にて最高議長となっていた『エピソード2/クローンの攻撃』の時点からパルパティーンはオフィス内にロイヤル・ガードを置いている。

 共和国が帝国となった『エピソード3/シスの復讐』のほか、「クローン・ウォーズ」においてもロイヤル・ガードは登場。

 「バッド・バッチ」では、この「クローン・ウォーズ」のロイヤル・ガードから更新されたモデルが使用されている。

イアン・マクダーミド

「東京コミコン2022」にて、筆者撮影

 ウェイランドのタンティス山の帝国軍施設にやって来た、ドクター・ヘムロックが言うところの予定外の客人とは、パルパティーン皇帝だ。

 ドクター・ヘムロックによるるM値(Mカウント)の増強とその移植、またネクロマンサー計画の進捗をその目で見るために、わざわざウェイランドまでやって来たようだ。

 パルパティーンの声を演じたのは、映画シリーズ、そして「バッド・バッチ」シーズン2 第8話「真実と結末」での登場の際と同じく、イアン・マクダーミド!

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第8話「真実と結末」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 このイアン・マクダーミド本人によるパルパティーンの演技は、普段は吹替版で鑑賞している方々も、ぜひ英語版でご覧頂きたい。

ネクロマンサー計画

 ウェイランドのタンティス山の帝国軍施設をパルパティーン皇帝が視察にやって来た理由は、ネクロマンサー計画のためだという。

 このネクロマンサー計画の存在は、「マンダロリアン」シーズン3 第7話「チャプター23:スパイ」にて登場している。

「マンダロリアン」シーズン3 第7話「チャプター23:スパイ」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 帝国軍の残党の軍将たちによるシャドー評議会のホログラム通信会議にて、スローン大提督の帰還を待つよりも新しい指導者の必要性をモフ・ギデオンが口にした後、ブレンドル・ハックス司令官(アーミテイジ・ハックスの父親)がネクロマンサー計画(日本語字幕版では「蘇り計画」)は、そのためにあるのだと発言した。

ナラ・セのデータパッド

 オメガが奪取するナラ・セのデータパッドに表示されている図表は、『エピソード1/ファントム・メナス』にてオビ=ワン・ケノービが、クワイ=ガン・ジンから送信されたアナキン・スカイウォーカーの血液サンプルのミディ=クロリアンの数値を分析した際に、ナブー・ロイヤル・スターシップのモニターに表示された画面に似ている。

 ナラ・セのデータパッドもミディ=クロリアンの数値を表示していたとしたら、やはりM値はミディ=クロリアンのことなのか…

ストームトルーパーの声はサウンドエンジニア

 オメガとクロスヘアーがタンティス山の帝国軍施設内を脱出しようとしている際に現れるTKストームトルーパーの声は、音響編集監修/音響デザインのデヴィッド・コリンズと、「クローン・ウォーズ」などの音響デザインのデイヴ・アコードが担当。

 デヴィッド・コリンズはゲーム「スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド」のプロクシー役などを演じているほか、デイヴ・アコードも数々の作品で声の出演をしている。

レイ・シールドの通路

 ルルカ・ハウンド用の通路を通って脱出するオメガとクロスヘアーは、レイ・シールドが次々と発生する中を走り抜けていく。

 次々と発生する赤いレイ・シールドは、『エピソード1/ファントム・メナス』でオビ=ワン・ケノービとクワイ=ガン・ジンがダース・モールと戦った、シード・パワー・ジェネレーターのレーザー・ドアがある通路を彷彿とさせる。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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