75367 Venator 2023.10.2-2023.12.31
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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」のレビュー(感想・考察・批評)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2の他のチャプターのエピソード、またシーズン1のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」レビュー

奪われたマローダーの奪回

 前話である「バッド・バッチ」シーズン2 第9話「分かれ道」に続き、バッド・バッチの移動手段であり、シドからの救援が頼りない現状では惑星からの脱出手段として必要不可欠なマローダーを泥棒の手から取り戻すまでを描く。

 シドが買った鉱山にイプシウムを採掘しにやって来たが、目を離した隙に停泊していたマローダーを何者かに盗まれてしまったバッド・バッチ。

 なんとか廃墟となった宇宙港にたどり着き、シドに連絡を取るも数日待てという返事。しかしそれでは食料ももたない。

 マローダーを盗んだのはモッコの下で泥棒をしているベンニだった。ベンニは手柄を取ったと思ったが、特別に改造された宇宙船であるマローダーを盗んだことで注目を集めるのは避けたい考えであり、ベンニは思ったほど讃えられなかった。モッコは用心のため、マローダーの解体を手下に命じる。

 一方、オメガは、マローダー船内に残されているパワー・ドロイドのゴンキーを追跡することを思い付く。ガラクタのスピーダー・バイクを修理し、ゴンキーの信号を追った先はモッコのイプシウム鉱山だった。

 早速ベンニを見つけたバッド・バッチは、マローダーのありかまで案内させる。坑内でブラスターを使えばイプシウムが爆発する危険があるため、煙突が排気する合間に降下して密かに施設内に潜入することに。

 バッド・バッチは無事にマローダーまでたどり着くも、ハイパードライブも含めた部品が解体されていた。また、離陸するためにはレイ・シールドを解除しなければならず、オメガはベンニとともに中央タワーの制御室へ向かう。

 モッコの側近であるドレイクから、ベンニが制御室への入室カードを奪う際にモッコが今回の「稼ぎ頭」を発表するが、マローダーを盗んだにも関わらずベンニは選ばれず、ドレイクの名が発表された。「稼ぎ頭」以外のメンバーには、充分な食事も与えられない。

 さらに、レイ・シールドを解除する過程で、モッコが部下には虚偽を伝えて分け前を与えず、イプシウムの利益を独り占めしていることをベンニは知る。そんな中、ベンニの密告によりオメガはモッコに捕らえられ…

鉱山の中の銀河の縮図

 今回は、常に若者を競わせながらも貧しい境遇に置き、利益は自身が独占するならず者の集団に遭遇したバッド・バッチ。権力により人々を搾取し続けている構図は、帝国が支配した銀河の縮図のようである。

 本当のことを知った人々によって、反乱を起こされる点も含めて、だ。

 貧しく、家族もおらず、犯罪を生業にして生きていかざるを得ないベンニは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でのハン、「スター・ウォーズ 反乱者たち」の初期エピソードでのエズラ・ブリッジャーを彷彿とさせる。

 特に、若者たちのグループがモッコの支配のもとで搾取されている様子は、コレリアでホワイトワームズに所属してレディ・プロキシマのもとで犯罪を重ね続けていたハンの境遇にそっくりだ。

 銀河のあちこちに、こうした若者や子どもたちがいたのだろう。

 騙されて搾取されていたにも関わらず、反逆されて落下したモッコを助け出そうとしたベンニの、それでもモッコへの情があったことがわかる葛藤の表情に、彼の複雑な思いが現れている。

 それは過酷な環境の中で庇護のもとに置いていてくれた感謝なのか、またはマインドコントロールに近い扱いを受けていたためなのか。

 利害だけの世界で生きてきたベンニが、オメガの損得のない真っ直ぐさにおそるおそる触れ、モッコからの評価を得るためにオメガを密告した罪悪感を感じる微妙な表情と目線も良い芝居をしている。

 自由を得ているオメガ、モッコのイプシウム鉱山に縛り付けられたベンニという構図も対照的。彼らに共通する「家」を大切にする気持ちから、ベンニがマローダーを奪った行いがいかにオメガを傷付けたか気付かせ、彼が自ずと反省する流れもスムーズだ。

 オメガとテクは、帝国による支配だけではなくこうした第三勢力に苦しめられている人々がいることも認識する。

 エコーは増大していく帝国に対抗していく道を選んだが、帝国の他にも戦うべき相手、救うべき人々がいることを知ったことで、残されたバッド・バッチのメンバーが見出す道は変わっていくのだろうか。

 イプシウムの採掘で、彼らが得たものは大きいようだ。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第10話「奪回」トリビアチェックポイント

ベンニ・バーロの声の出演はユーリ・ローエンタール

 ベンニ・バーロの声を演じているのは、「スター・ウォーズ 反乱者たち」にてゴールドリーダーのジョン・”ダッチ”・ヴァンダー役で声の出演をしていたユーリ・ローエンタール。

 ユーリ・ローエンタールは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『最後のジェダイ』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』といった映画作品や、ゲーム「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」などに声の出演で参加しているほか、「NARUTO -ナルト-」のうちはサスケ役、「TIGER & BUNNY」のバーナビー・ブルックスJr.役など、日本のアニメの英語版声優としても活躍している。

テクノ・ユニオン

 モッコのイプシウム鉱山の施設は、もともとテクノ・ユニオン鉱山だったところを乗っ取ったとベンニは説明している。

 テクノ・ユニオンは、ワット・タンバーが率いていた商業ギルドで分離主義勢力を支えていた。「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」第1話「不良分隊」から始まるアナクセスの戦いでは、ローラ・サユーで捕虜となったエコーをサイボーグ化し、共和国のアルゴリズムの知識を引き出して利用する。

 クローン戦争後、テクノ・ユニオンは帝国に吸収されたが、一部ではモッコのようにテクノ・ユニオンが不在となった施設がそのまま他の勢力に利用されることもあったのだろう。

フィールドレーションZ 300

 オメガがバーロにあげたレーションバーのパッケージには、オーラベッシュで「フィールドレーションZ 300」と記載されている。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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