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「マンダロリアン」シーズン3「チャプター20:孤児」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」のレビュー(感想・考察・批評)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」本編鑑賞後にご覧ください。

 「マンダロリアン」シーズン3の他のチャプターのエピソード、シーズン1、シーズン2のエピソードガイドは、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」レビュー

マンダロリアンの「孤児」救出作戦と、グローグーの過去

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 ディン・ジャリンとボ=カターン・クライズが合流したチルドレン・オブ・ザ・ウォッチは、周囲の捕食者たちの脅威と常に隣り合わせだ。

 この「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」は、チルドレン・オブ・ザ・ウォッチのメンバーが訓練を続けていく中で直面する困難を描くとともに、グローグーの知られざる記憶がまたひとつ、明らかになるエピソードだ。

 エピソード監督は、「チャプター12:包囲」でも監督を務めたグリーフ・カルガ役のカール・ウェザース。

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 ディン・ジャリンはグローグーに、1対1の戦闘訓練を受けさせる。相手となったラグナー(「チャプター17:背教者」冒頭でチルドレン・オブ・ザ・ウォッチに迎え入れられた少年)と訓練用ダートで対戦するグローグーはダートの撃ち方もよくわからず、すぐに2本先取されてしまう。

 後がなくなったグローグーは、ルーク・スカイウォーカーとのジェダイの訓練を活かして宙返りで翻弄し、ラグナーに3本のダートを命中させて勝利。

 しかし、そのラグナーが翼を持った巨大生物であるラプター(名称は英語の音声解説より)の襲撃を受け、連れ去られてしまう。

 ブラスターを使えば掴まれた子どもは殺されてしまうため、ジェットパックで追跡するディン・ジャリンとパズ・ヴィズラらだったが、途中で燃料切れに。だがコムルク級ファイターに乗ったボ=カターン・クライズは、ラプターの巣まで追跡して場所を特定することに成功。

 高所にある巣へ行くためには、まずふもとまでコムルク級ファイターで向かい、気付かれると子どもが殺されてしまうためジェットパックを使用せず、巣がある山頂まで岩山をよじ登っていくことに。

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 ディン・ジャリンがボ=カターン・クライズ、パズ・ヴィズラやシュリーク=ホーク練兵隊とともに捜索へ向かう間、グローグーはアーマラーから、ベスカーのかけらを集めて作ったアーマーの新しいパーツを与えられる。自分が獲得した物の一部を孤児に分け与えることがマンダロリアンの文化なのだ。

 この新しいパーツを鋳造している間、グローグーはオーダー66が起きた時のジェダイ・テンプルのことを思い出していた。ジェダイたちはグローグーをクローン・トルーパーの攻撃から守り、ジェダイ・マスターのカレラン・ベクの元へと届けた。

 カレラン・ベクは、スピーダー・バイクに乗ってグローグーとともにジェダイ・テンプルを脱出。クローン・トルーパーが追ってくる中、ナブー王室保安軍の助けを得てナブーのヌビアン・ヨットに乗り込んだカレラン・ベクとグローグーは、コルサントを離れてハイパースペースに突入した…

 ラグナーをラプターの巣から救助する捜索隊は、巣がある岩山をワイヤーを使ってよじ登る。息子であるラグナーのためパズ・ヴィズラは熱反応がある方へと急ぐが、それはラプターのひなであり、親のラプターもやって来てしまう。

 親のラプターの口内にいたラグナーは再びかぎ爪で掴まれ、空へと連れ去られてしまう。マンダロリアンたちによるラプターの救助は成功するのか…

マンダロリアンたちのハイスピードな空中戦

 主な見どころは、ラプターとマンダロリアンらの空中でのスカイアクションと、オーダー66でのジェダイとクローン・トルーパーとの戦闘の2本立てだ。

 「マンダロリアン」では幾度となく巨大クリーチャーとの戦いを描いており、シーズン3 第1話「チャプター17:背教者」の冒頭でもダイナソー・タートルとマンダロリアンたちの戦いが展開されたが、今回の空を舞うラプターとの空中戦も見応えがある。

 ジェットパックで高速飛行するマンダロリアンたちと巨大な翼で飛ぶラプターのチェイスは、ズームを多用し、手持ちカメラの手法を取り入れた臨場感のあるカメラワークによりスピード感を演出。

 前話であるシーズン3 第3話「チャプター19:改心」でのナブー・N1スターファイター、コムルク級ファイターとタイ・インターセプターのドッグファイトシーンの応用のように、ディン・ジャリンのジェットパック脇からのアングルも印象に残る。

 ブラスターを封じられた空中でのラプターとの戦いはワイヤーを駆使しており、巨大な相手にワイヤーとジェットパックで挑み、切り付けるアクションは「進撃の巨人」かのようで躍動的な空中戦となっている。

ジャージャー・ビンクス役、アーメド・ベスト演じるカレラン・ベクがドラマシリーズに登場!

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 そして「チャプター20:孤児」では、グローグーがいかにしてオーダー66によって攻撃を受けたジェダイ・テンプルから脱出出来たのか明らかになった。

 「チャプター13:ジェダイ」でアソーカ・タノは、グローグーはクローン戦争の終わりに何者かによりジェダイ聖堂から連れ出され、帝国の勃興とともに隠されたと言っており、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の「チャプター6:砂漠から来た流れ者」ではオーダー66当時のグローグーの記憶の一部が描かれたが、ついにその先へと迫る。

 なんと、WEB配信番組「スター・ウォーズ:ジェダイ・テンプル・チャレンジ(Star Wars: Jedi Temple Challenge)」に登場していた、カレラン・ベクが助けていたとは!WEBのキッズ向けゲームショーのキャラクターとは、またすごいところとつなげたものだ…

 ジャージャー・ビンクス役で知られるアーメド・ベストが、「ジェダイ・テンプル・チャレンジ」に続いて再びカムバックしてくれたこともうれしい驚きである。

 『エピソード1/ファントム・メナス』でジャー・ジャー・ビンクスを演じたアーメド・ベストは、2018年7月に自身のTwitterにて彼の息子とともに橋の上から眼下を見下ろした写真とともに、かつてこの場所で自殺を考えていたというショッキングな投稿を行った(2023年3月現在、アカウントは削除されている)。

 『エピソード1/ファントム・メナス』で初登場したジャー・ジャー・ビンクスは、それまでに公開されていた『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーにはいなかったタイプのドタバタギャグを繰り広げるキャラクターで、公開当時ファンやメディアから批判の声が数多く飛び交った。

 SNSは存在しない時代にしろ、当時普及しつつあったインターネットでも「Jar Jar Binks Must Die!!!」というWEBサイトが立ち上がったほか、最低映画を決める映画賞の1999年のゴールデンラズベリー賞では助演男優賞を受賞している。

 日本でも、公開直後から「ジャー・ジャーはウザい」という声は存在していたものの、演じたアーメド・ベスト本人をバッシングするというよりも、キャラクターとしてのジャー・ジャー・ビンクスそのもの、またこのキャラクターを創造し、演出したジョージ・ルーカスを批判するという傾向だったように個人の体感としては思える。

 ただ、自身が演じたキャラクターが世界中からバッシングされたことは、耐え難かったのだろう。苦難を生き抜き、踏みとどまったおかげで生まれた新しい命とともに、公開から20年近く経ってようやく告白されたTwitterでのアーメド・ベストの投稿は、重苦しいものだった。

「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」にて、筆者撮影

 その後「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」では、トークパネル「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 20周年」に登壇。会場に集まった多くのファンからの熱い声援を受けていた。

 そして2020年、「スター・ウォーズ:ジェダイ・テンプル・チャレンジ」に出演。それまでにも「クローン・ウォーズ」やゲームの声の出演はあったが、『スター・ウォーズ』実写作品へとカムバックしたのだ。

 そんなアーメド・ベストのジェダイアクションが、『スター・ウォーズ』ドラマシリーズで見られるようになるとは…

 二刀流のライトセーバーもかっこよく、前話である「チャプター19:改心」に登場したウメイトやモニュメント・プラザをも舞台にしたクローン・トルーパーとのチェイスシーンも、グローグーの記憶の続きとして見ごたえがある(遮蔽物に隠れたりせずに、棒立ちで銃撃戦をしていたナブー王室保安軍の演出には違和感があったが)。

 おそらく重圧を跳ね除けて出演を決めたであろうアーメド・ベストの心中を想像し、上述した『エピソード1/ファントム・メナス』以降の出来事に思いを馳せると、ますますドラマチックなシーンに感じられる。

 グローグーがどのようにオーダー66を生き延びたのか、その謎が明かされた一方で新たな謎も浮かび上がってくる。

 ジェダイたちは、なぜカレラン・ベクにグローグーを託そうとしていたのか。オーダー66は突如として始動したはずなのに、カレラン・ベクやナブー王室保安軍はなぜグローグーを連れてコルサントを脱出する準備が出来ていたのか。なぜナブー王室保安軍は、犠牲を払ってまでカレラン・ベクとグローグーを助けたのか…

 グローグーの謎は、段階的に明らかになっている。ハイパースペースを抜けた先で、カレラン・ベクとグローグーを待っていたものもいずれ明かされていくだろう(アーメド・ベストが演じたキャラクターつながりということで、ジャー・ジャー・ビンクス議員が手引きしたという設定になったりするのだろうか…)。

あらゆる「孤児」を受け入れるマンダロリアンの共同体

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 エピソードタイトルとなっている「孤児(Foundling、ファウンドリング)」とは、マンダロリアンとして生まれてはいない者でも仲間として受け入れられた、身寄りのない子どものことを指す。保護された孤児は、子どもの仲間の元へと返されるか、一人前になるまでマンダロリアンとして育てられることになる。

 グローグーの場合はディン・ジャリンに保護され、ジェダイであるルーク・スカイウォーカーの元へと届けられたが、自身の意思でマンダロリアンの道を歩むことになったわけだ。

 ただ「チャプター20:孤児」からは、この「孤児」という言葉には子どもたち全般を指すような、より包括的な意味を持っていることがわかる。

 アーマラーはボ=カターン・クライズに、教義の最高の栄誉である孤児を救うことを成し遂げたと発言しているが、パズ・ヴィズラが言うようにラグナーが自身の実の息子であれば、「孤児」という言葉は必ずしも親がいない子どもを指すわけではないことになる。

 ディン・ジャリンの発言によれば、孤児が訓練を積んで成長するとアプレンティス(弟子)になれるようなので、ジェダイにおけるイニシエイト、ヤングリングやパダワンのような称号に近いものなのだろうか。

 また、その「孤児」の概念はラプターのひなたちを保護したように、知的生命体に限らないということも明らかになった。ラプターのひなたちを無事に育て上げることが出来れば、ラプターに乗って飛び回るマンダロリアンたちの姿を見ることが出来るだろう。チルドレン・オブ・ザ・ウォッチが、またにぎやかになりそうだ。

 様々な孤児が集まったチルドレン・オブ・ザ・ウォッチ。ネヴァロの戦いで仲間が減っても、ここまで集団が増えた要因はあらゆる「孤児」を受け入れる体制にあるのかも知れない。

© 2023 Lucasfilm Ltd.

 そして、ミソソー(ミソサウルス)を見たのは今のところボ=カターン・クライズだけであり、アーマラーも実物を見たという話は真に受けていないようだ。

 ボ=カターン・クライズだけが、ミソソーを見たことに何らかの意味があるのだろうか。マンダロリアンたちの新時代到来を告げると言われるミソソーの紋章を自身のポールドロンに刻んだボ=カターン・クライズの中でも、何かが変わりつつあるようだ。

「マンダロリアン」シーズン3 第4話「チャプター20:孤児」トリビアチェックポイント

シュリーク=ホーク

 ディン・ジャリンがボ=カターン・クライズ、パズ・ヴィズラとともにラグナー救助へ向かったのは、シュリーク=ホーク練兵隊。

 シュリーク=ホークとは、惑星マンダロアの鳥類のこと。ヴィズラ氏族は、シュリーク=ホークを氏族の紋章として使用している。

キリモラット

 ボ=カターン・クライズは、ラプターの巣がある岩山の頂上は訓練で登ったキリモラットの頂上よりは低いと言う。

 キリモラットは、ゲーム「スター・ウォーズ リパブリックコマンド」のスピンオフであるレジェンズの小説「Republic Commando: True Colors」に登場するマンダロアの砦の名称として使われていた。

 レジェンズのキリモラットは建造物だが、ボ=カターン・クライズの言い方からすると正史(カノン)でのキリモラットは山のようである。

カレラン・ベク

 オーダー66の最中、グローグーをジェダイ・テンプルから逃がしたのはジェダイ・マスターのカレラン・ベクだった。

Star Wars: Jedi Temple Challenge – Episode 1

 カレラン・ベクは、『スター・ウォーズ』公式サイトのStarWarsKids.comとStar Wars Kids Youtubeチャンネルにて配信されているWEB配信番組「スター・ウォーズ:ジェダイ・テンプル・チャレンジ(Star Wars: Jedi Temple Challenge)」のキャラクターだ!

 子供たちがジェダイになるための試練に挑戦するゲームショー形式の番組であるこの「スター・ウォーズ:ジェダイ・テンプル・チャレンジ」で、カレラン・ベクはジェダイ・マスターとして子供たちを導き、進行役を務めている。

 カレラン・ベクを演じているのは、『エピソード1/ファントム・メナス』などでジャージャー・ビンクスを演じたアーメド・ベスト!

Ahmed Best and Mary Holland Talk Jedi Temple Challenge, And We Celebrate The Empire Strikes Back!

 アーメド・ベストは、『エピソード2/クローンの攻撃』でコルサントのアウトランダー・クラブにいたアチク・メド=ベクも演じている。WEB番組「The Star Wars Show」では、カレラン・ベクとアチク・メド=ベクは自分の中で関連があるかと質問され、これを認めているが、あくまでキャスト個人の意見なのでそうした設定は今のところ構築されていない。

 「チャプター20:孤児」でのカレラン・ベクは、「スター・ウォーズ:ジェダイ・テンプル・チャレンジ」とは異なる、ハイ・リパブリック期のジェダイのようなより気品のある衣装を身に付けている。

 カレラン・ベクが、ここまで重要な役割を担うとは…

BARCスピーダー

 カレラン・ベクを逃すまいと、ジェダイ・テンプルのサブ=レベル・プラットフォーム1215に到着したクローン・トルーパーが乗っているのはBARCスピーダーだ。

 BARCスピーダーは、『エピソード3/シスの復讐』でオーダー66が発令された際にサルーカマイでクローン・コマンダー・ネーオらが搭乗し、ジェダイ・マスターのスタス・アリーが乗るスピーダー・バイクを撃墜。「クローン・ウォーズ」や「バッド・バッチ」にも登場している。

Hタイプ・ヌビアン・ヨット

 カレラン・ベクとグローグーがコルサントから脱出する際に搭乗する宇宙船は、ナブーのHタイプ・ヌビアン・ヨットだ。

 Hタイプ・ヌビアン・ヨットは、『エピソード2/クローンの攻撃』にてパドメ・アミダラとアナキン・スカイウォーカーがナブーからタトゥイーンへ、さらにジオノーシスへの移動に使用した宇宙船で「クローン・ウォーズ」にも登場している。

 「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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