75367 Venator 2023.10.2-2023.12.31

「キャシアン・アンドー」第6話「目」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「キャシアン・アンドー」第6話「目」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「キャシアン・アンドー」第6話「目」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「キャシアン・アンドー」第6話「目」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「キャシアン・アンドー」シーズン1の他のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「キャシアン・アンドー」第6話「目」レビュー

シリーズ前半のピークとなる、緻密なクライム・サスペンス

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 大自然の驚異と祝祭の最中に進む、敵地への潜入と資金の強奪、そして脱出。

 全12話の「キャシアン・アンドー」シーズン1のうち、前半部分の締めくくりとなる第6話にして、第4話「アルダーニ」から始まったアルダーニでの帝国軍の資金強奪作戦の顛末が語られるのがこの第6話「目」だ(第1話から第3話まででフェリックスからの旅立ちを描いていたので、これまでのところ「キャシアン・アンドー」は3話単位でひとつのエピソードを構成している)。

 「キャシアン・アンドー」シーズン1 前半部分の締めくくりとなるシリーズ構成の通り、このシリーズにおけるひとつのピークを迎えたエピソードと言えるだろう。

 前話である第5話「やった側は忘れる」でのキャシアン・アンドーという中心点はあるものの、直接の接点がない人々の点描は鳴りを潜め、ついに決行となったアルダーニの帝国軍から資金を強奪する作戦を集中して描いていく。

 アルダーニが属する宙域全体における帝国軍の四半期分の給与資金という莫大なクレジット(最終的に強奪した総額は、アーヴェル・スキーンの見積もりによると8000万クレジット)を、アルダーニで3年に1度起きる天体ショー「アルダーニの目」に乗じて盗み出すのだ。

 まずキャシアン・アンドー、カリス・ネミック、アーヴェル・スキーン、タラミン・バーコナが帝国軍の兵員に変装し、アルダーニ・ダムへ。

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 アルダーニ人の恋人を失ったことから、帝国への復讐のために作戦の手引きをしている帝国軍のゴーン中尉により、一行は近隣のアルケンジ航空基地からの兵として「アルダーニの目」を見るために神聖な谷へとやって来たアルダーニの巡礼者たちとの儀式に参加したジェイホールド・ビーハズ司令官の一家に護衛として接近し、要塞内部へと潜入。

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 ヴェル・サーサとシンタ・カズは湖から潜水してアルダーニ・ダムにたどり着いて通信妨害工作を行った後に、土壇場でのヴェルのためらいはあったものの作戦の実行を指示。

 キャシアン・アンドーたちはジェイホールド・ビーハズ司令官一家を人質に取ることに成功し、子どもは解放するよう抵抗したペティガー大佐を合流したシンタが射殺。

 シンタに人質と制圧した司令室を任せて、金庫室に向かった一行はジェイホールド・ビーハズ司令官に解錠させ、武装解除した兵員には脱出用の輸送船へのクレジットの運び込みを強要する。

 しかし通信妨害に気付かれ、作戦中の通信を傍受されたことで帝国軍の兵員が異常を認識。さらに、アルケンジ航空基地からも金庫室の施錠警告を検知され、金庫室には帝国軍の兵員が、空からはタイ・ファイターが向かって来ることに…

 緻密に練られた計画が進行していくスマートな面白さ、そんな中で不測の事態が少しずつ発生して歯車が噛み合わなくなっていく、サスペンスフルなライブ感。

 これらは『スター・ウォーズ』シリーズ作品であるという以前に、舞台をそのまま現代劇に移しても成立するクライム・サスペンスの醍醐味だ。

 「アルダーニの目」を待ち受ける民たちの祝祭の歌と踊りとともに、ボルテージは高まっていく。前半部分で帝国の暴虐とアルダーニの民の静かな怒りを表現していることで、「アルダーニの目」の祝祭は帝国に一矢報いて次の希望へとつなげるこの作戦をエモーショナルに盛り上げるのだ。

 さらに、祝祭の描写は「アルダーニの目」に乗じて脱出するというこの作戦のタイムリミットをも表しており、緊迫感の表現として直感的にわかりやすいだけではなく、よりスリリングな演出となっている。

 また、アルケンジ航空基地からのタイ・ファイターの出撃準備の過程を丹念に描いているのは、脱出を阻む援軍が来てしまうというサスペンス演出とともに、これまで映像作品でここまで詳細には描かれて来なかったタイ・ファイターの発進を見られることで、ファン心がくすぐられる。

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 そしてこのタイ・ファイターに追われる脱出シーンの背景となる「アルダーニの目」は、美しくスペクタクル感のある映像表現だ。流星群の中でのチェイスシーンは、障害物がある中で敵に追われるという『スター・ウォーズ』ではおなじみのシチュエーションで、このエピソードのここまでの展開から一転して『スター・ウォーズ』らしいシーンだと言える。

無情な死、それでも信念は誰かに届く

 しかし、そんな中でも「キャシアン・アンドー」特有の現実の無情を思い出させるようなドライさは健在で、この危険で困難な任務によって反乱チームも帝国軍を問わず多くのキャラクターが大げさな見せ場を作ることもなく、あっけない死を迎える。ここまで丹念に時間をかけてキャラクター描写をされていたとしても、この「キャシアン・アンドー」では条件が揃えば死は避けられないということだ。

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 中でも、高潔な思想と反抗心を持つカリス・ネミックは、宇宙船の発進時のGによりクレジットの塊に挟まれるという予期せぬ危険により命を落とす。リアルで痛みがこちらに伝わるような、決して英雄的ではない死の描写だ。

 元ストームトルーパーであったことがこのエピソードで明かされたタラミン・バーコナも、特にこの設定がストーリーに絡むことはなく、銃撃戦にて敵のブラスターが命中してしまう。アルダーニ人の恋人を失って帝国への復讐のため、この作戦に重要な役割を果たしたゴーン中尉の死とともに、見落としてしまいそうなわずかなカットだ。

 アーヴェル・スキーンに至っては、キャシアン・アンドーに強奪した8000万クレジットの持ち逃げを提案し、前のエピソードである第5話「やった側は忘れる」で語られた兄を死に追いやった帝国への復讐という動機すら嘘であり私利私欲に生きているだけだと明かされた上に、危険を察知したキャシアン・アンドーに素早く射殺される。

 アーヴェル・スキーンに自身と同じだと言われたキャシアン・アンドーだが、依頼された仕事の報酬のみを頂いていき、どうしても受け取って欲しいと言い遺されていたネミックの宣言書を受け取るなど、筋は通っているようだ。アーヴェル・スキーンとカテゴリーは近いのかも知れないが、違うところも多々ある。

 そのネミックの宣言書を受け取ったキャシアン・アンドーは、これをきっかけに反乱へ感化されていくのだろうか。その死はあっけないものだったとしても、信念は残り続け、後に続く者も出てくるだろう。これは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にも通じるものがある。誰かに届いているのだ。

 彼らが起こした反乱の種火は銀河の中枢、コルサントにも届く。議員がまばらな帝国元老院を静かに騒然とさせ、ISB(帝国保安局)は職員に残業を強いて緊急報復計画を作成させ、糸を引いたルーセン・レイエルは高笑いする。

 「アルダーニの目」とともに立ち上った狼煙は、銀河に何を伝え、それを目にした人々をどこへと向かわせるのだろうか。

「キャシアン・アンドー」第6話「目」トリビアチェックポイント

アルダーニ・ダムのロケ地はスコットランドのクルアチャン・ダム

 キャシアン・アンドーらアルダーニの反乱チームが帝国の資金強奪作戦を展開するアルダーニ・ダムは、スコットランドにあるクルアチャン水力発電所のダムにて撮影されている。

 戦後のスコットランド建築の最も重要な建造物のひとつであるクルアチャン水力発電所のダムの巨大な姿を、装飾はされているものの印象的なフォルムはほぼそのまま使用しているようだ。

 「キャシアン・アンドー」のプロダクション・デザイナーであるルーク・ハルは、ナショナルジオグラフィックのTwitter動画にて、クルアチャン・ダムがダース・ベイダーのマスクに似ていることにも言及している。

帝国のトーチカ

 アルダーニの帝国のトーチカは、ラルフ・マクウォーリーが描いた『エピソード5/帝国の逆襲』のホスのエコー基地のコンセプトアートを元にしている。

オレンジ色の帝国軍階級章

 ペティガー大佐の帝国軍の階級章にて、オレンジ色の階級章が登場した。オレンジ色の階級章は、ペティガー大佐が技術部門の出身であることを示している。

アルダーニの帝国軍のブラスター・ライフル

 アルダーニの帝国軍兵員が装備しているブラスター・ライフルは、ストームトルーパーに装備されているE-11ブラスター・ライフルよりもバレルとストックが長く、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したE-10ブラスター・ライフルとの中間に位置するようなモデルである。

元ストームトルーパーの反乱者

 アルダーニの帝国軍資金強奪作戦の実行メンバーであるタラミン・バーコナは、元ストームトルーパーであったこと語られる。

 元ストームトルーパーで反乱者となったという来歴は、シークエル・トリロジーでファースト・オーダーのストームトルーパーだったものの、レジスタンスとなったフィンやジャナを彷彿とさせる。帝国の時代にも、ストームトルーパーから反乱者となった者もいたのだ。

デヴァロン

 ルーセン・レイエルとクレヤ・マーキが客に紹介しているのは、デヴァロン・ブルー。このデヴァロンとは、ジャングルの惑星デヴァロンのことだ。

 『エピソード4/新たなる希望』のモス・アイズリー カンティーナのシーンにいる悪魔のような角と尖った耳を持った、カーデュサイマロックことラブリアはこのデヴァロンを出身地とするデヴァロニアンだ。

 このデヴァロンは、「クローン・ウォーズ」シーズン2 第2話「破滅の積荷」にてキャド・ベインが襲撃し、シーズン3 第13話「新たな脅威」ではデヴァロンにあるジェダイ聖堂、イーディット聖堂をサヴァージ・オプレスが襲撃した。

 また、ジュニア小説「ジェダイの剣術を磨け!ルーク・スカイウォーカーの冒険」でルーク・スカイウォーカーはヤヴィンの戦いの後にフォースに導かれイーディット聖堂を訪れ、トレーニング・リモートでライトセーバーの修練に取り組んだ。

ウーキーの盾

 ルーセン・レイエルのアンティーク・ギャラリーショップにて、『エピソード3/シスの復讐』で登場した、キャッシークのウーキーの戦士が使用していた大型の盾が陳列されている。

 第4話「アルダーニ」ではウーキーの戦士が被っていたヘルメットや、バンサの角で出来た角笛であるキャッシーク・クラリオンが確認出来る。ルーセン・レイエルの店ではウーキーにちなんだ品々を幅広く扱っているようだ。

「キャシアン・アンドー」第4話「アルダーニ」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

ドクター・クワッドポーの小屋のロケ地

 ネミックの治療のため訪れた惑星フレズノのドクター・クワッドポーのクォンセット・ハットのような小屋は、イギリス、イングランドのバークシャーにある集落のビードン・コモンで撮影されている。

帝国元老院

 『エピソード3/シスの復讐』にて共和国が帝国に変貌した際に、銀河共和国元老院は帝国元老院となった。

 パルパティーン皇帝が各地域に総督を置くことで帝国元老院の影響力は弱体化していくが、デス・スターによる恐怖での統治を敷くまでは帝国元老院も残す必要があると判断されていた。

 実際に、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でのジェダへのデス・スターのスーパーレーザー発射は鉱山事故が原因だと虚偽ではあるが報告されているし、『エピソード4/新たなる希望』でデス・スター設計図を運んでいたタンティヴⅣを拿捕した際には、ディン・ジャーはレイアを捕らえることは元老院に同情を呼ぶため危険であるとダース・ベイダーに進言し、タッグ将軍も反乱軍が帝国元老院で支持を得ていると会議で発言するなど、完全に無視することは出来ないものだったようだ。

 しかし、デス・スターが完成したことによってパルパティーン皇帝は帝国元老院を永久に解散させた。

 帝国元老院のリパルサーポッドは、銀河共和国元老院の頃と異なり帝国のマークがデザインされている。

 「キャシアン・アンドー」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中。

参考:StarWars.com

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