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「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」のレビュー(感想・考察)やトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「キャシアン・アンドー」シーズン1の他のエピソードは、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」レビュー

並行する、接点のないストーリー

 モーラーナ1でキャシアン・アンドーが起こした事件から始まった「キャシアン・アンドー」は、一見すると接点がないように見える六つのストーリーラインが並行して描かれていく。

 アルダーニでキャシアン・アンドーが取り組む帝国軍資金の強奪作戦、コルサントにてアルダーニでの作戦に気を揉むルーセン・レイエル、日に日に強くなる包囲網の中で帝国への反抗を支援しようとするモン・モスマ、盗まれた軍需品の痕跡から組織的な反乱活動の可能性を探し出そうとするISB(帝国保安局)のデドラ・ミーロ監督官、フェリックスに拠点を築こうとするISBのブレヴィン監督官とティーゴ大尉、そして母親の元へ帰って来た元プリオックス=モーラーナの捜査主任、シリル・カーン。

 ここで起きている出来事は今のところ並行しており、直接的なつながりはなく、無関係の出来事が淡々と描かれているように見える。仮に序盤のエピソードを見ずに途中から視聴したとすれば(そのような見方をすることはまずないだろうが)、どのようなストーリーなのかを把握することも難しいだろう。

 これらのストーリーラインの共通点はひとつ。その糸を辿っていくと、いずれもキャシアン・アンドーという人物にたどり着くことだ。このすべてを知っているのは、神の視点とも言える視聴者のみ。

 こうして並行して描かれるストーリーラインは、いずれ「キャシアン・アンドー」という点に収斂されるはずで、第5話「やった側は忘れる」の時点では溜めの段階だ。これらがつながっていく時には爽快感があることが、今から予感される。

あちこちで渦巻く不信感、善悪の境界は曖昧に

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 第5話「やった側は忘れる」で並行して描かれる各ストーリーラインに共通していることは、もうひとつある。それは不信感だ。

 アルダーニでは、キャシアン・アンドーは所持品を勝手に確認された上に、アーヴェル・スキーンにはナイフを突き付けられてスカイ・カイバーを持っていること、またキャシアンが傭兵であることを明かさざるを得なくなってしまう。

 キャシアンはルーセン・レイエルに雇われたことをヴェルは隠さなければならず、実行メンバーの間には不信が広がる。キャシアンもまた、脱出時に使う機体の重量の確認方法がわからないメンバーにに不安を覚え、アーヴェル・スキーンにナイフを突き付けられたことで命の危険を感じる。

 ルーセン・レイエルは、アルダーニでの作戦が成功せずに、ヴェルやキャシアン・アンドーとの接点から身元が割れてしまうことに不安を抱える。

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 モン・モスマは、理解のない夫のペリン・ファーサ(何度教えても運転手の名前すら覚えない描写は彼の無頓着さを表しているし、リアルだ)、政治家である母のイメージアップに自身を利用されたくない反抗期の娘であるリーダ・モスマとの家庭不和に苦しむ。これだけギスギスした家庭では、最も身近な家族も信じられようもない。

 これまでモン・モスマには家庭の描写はなく、平和のために戦う反乱同盟軍の指導者という面のみを見て来たが、その裏には一般的な人々と同様に家庭というものがあり、妻や母としての面が「キャシアン・アンドー」で初めて描かれた。

 銀河が平和な世の中になるため、反乱同盟に尽力しているというイメージのみがあり、家庭の影すら感じられなかったが、モン・モスマにはもっと身近に守るべき家族や立場があったわけだ。

 その家族は、今後モン・モスマが反乱同盟の活動をより積極的に行うことになった際に、モン・モスマに付いて行ったのか?それとも、モン・モスマは家庭を顧みずに銀河の平和に尽くしたのだろうか。

 やがては新共和国の初代最高議長となるモン・モスマの知られざるストーリーは、理想や成すべきことと家庭の両立や、家族という身近な存在の中でもイデオロギーの対立があることを考えさせられる。

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 家族といえば、元プリオックス=モーラーナの捜査主任のシリル・カーンと、母親であるイーディ・カーンとの関係だ。

 イーディ・カーンとの会話を見る限り、シリル・カーンは自身に否定的で、抑圧的な家庭環境で育っていたように思える。母のイーディ・カーンは息子の進路も自身で決めようとするも、シリル・カーンの言動から考えると親戚付き合いもあまり上手くいっていないようだ。

 母も息子も、お互いに信頼している様子ではない。

 ハーロおじさんが世話してくれる仕事とは一体何か?また自身の運命を狂わせたキャシアン・アンドーへの復讐心も示唆されているようで、真面目であるがゆえに気の毒なシリル・カーンのストーリーも目が離せない。

 さらに、縦割りで足の引っ張り合いも絶えないISB(帝国保安局)にて、捜査を阻まれたデドラ・ミーロ監督官は組織への不信を募らせながらも、あきらめていない。

 ただ、デドラ・ミーロの場合は信頼出来る部下であるハートがいる。

 ISBは圧政を敷いて多くの人々を不幸にさせている帝国の組織であり、彼らが捜査している先にはその圧政を倒そうとしている反乱者たちがいるだろう。しかし、こうして組織の圧力に負けずに懸命に仕事をしている描写を見ると、デドラ・ミーロも報われても良いのではと思えてしまう。

 ある面から見ればキャシアン・アンドーも凶悪な殺人犯であるように、善悪の境界が曖昧で見る側によって変わっていくのもまた、「キャシアン・アンドー」のストーリーラインの魅力のようだ。

キャシアン・アンドーの過去を整理する

 そのキャシアン・アンドーは、第5話「やった側は忘れる」にて新たな過去を語る。13歳から3年間はシポの少年院にいたというのだ。

 ここまででわかったキャシアン・アンドーの足取りとしては、キャサであった9歳でケナーリを発ち、その4年後にはシポの少年院に収監、3年間の刑期の後に16歳でミンバンへ行き、ルーセン・レイエルによれば半年で逃げたということになる。

 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の時点で31歳以上であるキャシアン・アンドーは、「キャシアン・アンドー」シーズン1では26歳ということになる。この間の10年間の足取りについても、今後のエピソードで明らかになるのだろうか。

 もっとも、これ以上の経歴詐称がなければ、だが。

「斧は忘れても、木は覚えている」

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」の原題である「The Axe Forgets」は、アーヴェル・スキーンが劇中で言っているセリフ「斧は忘れても、木は覚えている(The axe forgets.The tree remembers)」から。

 この言葉は、アフリカのスワヒリ語のことわざだ。

 ペッパーの木の農園を潰されたことで、兄を帝国に殺されたも同然だと語るアーヴェル・スキーン。帝国はアーヴェル・スキーンのセリフの通り、ペッパーの木の農園を水没させたことなど覚えていないだろう。

 同じように、帝国軍はゴーン中尉からアルダーニ人の恋人を失わせたことなど気にも留めていないだろう。その個人的な恨みから反乱が起こることも知らずに。

 折られた木は、研ぎ澄まされて新たな斧になる。信頼の乏しい斧は、どのように大木に切りかかるのか。作戦の決行は目前だ。

「キャシアン・アンドー」第5話「やった側は忘れる」トリビアチェックポイント

ブルーミルク

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 母親であるイーディ・カーンの元へ身を寄せたシリル・カーンに朝食として出されたシリアルは、クランチという食べ物だ。『スター・ウォーズ』ギャラクシーでもシリアルにはミルクをかけるようで、シリル・カーンはクランチをブルーミルクにひたしている。

 ちなみに、『スター・ウォーズ』ギャラクシーに新たなミルクとして、アルダーニの黒い羊のような動物であるドレイのミルクも登場した。その味わいは強烈なようだ。

メイルーラン

 シリル・カーンの朝食には、果物のメイルーランも出されている。

 メイルーランは、もともとレジェンズのスピンオフ小説「新生ローグ中隊」シリーズである「首都奪回への賭け」に登場した果物で、正史(カノン)では「スター・ウォーズ 反乱者たち」にたびたび登場。

 「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」では、モス・エスパの市場でのチェイスの果てにスピンした市長の執事長のランドスピーダーが、メイルーランを満載した荷台に激突し、大量のメイルーランに埋もれてしまうシーンがあり、実写で登場した。

 また、ディズニーパークのテーマエリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のレストランである「ロント・ロースターズ」では、メイルーラン・ジュースが販売されている。

クレイト・ヘッド

 アーヴェル・スキーンのタトゥーに入っているクレイト・ヘッドの由来は、クレイト・ドラゴンだろう。

 クレイト・ドラゴンは、『エピソード4/新たなる希望』にて脱出ポッドから出た後にCー3POが歩くタトゥイーンの砂漠にある大きな骨として初登場している、タトゥイーンの巨大で獰猛な生物だ。

 オビ=ワン・ケノービはルークがタスケン・レイダーに襲われた際にクレイト・ドラゴンの鳴き声を真似することで、タスケン・レイダーたちを追い払った。

マンダロリアン シーズン2

© 2020 Lucasfilm Ltd.

 「マンダロリアン」「チャプター9:保安官」では、モス・ペルゴの街を脅かすクレイト・ドラゴンがその姿を現し、ディン・ジャリンとコヴ・ヴァンスをはじめとしたモス・ペルゴの住民、そしてタスケン・レイダーが共闘して駆除する様が描かれた。

「マンダロリアン」シーズン2 第1話「チャプター9:保安官」のストーリー、レビュー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアを、ネタバレありで解説します。

 クレイト・ヘッドは、キャシアン・アンドーとアーヴェル・スキーンの会話の文脈から考えると刑務所のことかと思われる。

ケッセル

 帝国の元帳から、軍需品の管理不備を調べているISB(帝国保安局)のデドラ・ミーロ監督官に、ハートが言う物品が盗まれた場所のひとつにケッセルがある。

 ケッセルは、『エピソード4/新たなる希望』でC-3POがケッセルのスパイス鉱山送りにされることを恐れているセリフがあり、シリーズ1作目の時点ですでに言及されていた場所だ。

 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』では、ハン・ソロとチューバッカ、ランド・カルリジアン、トバイアス・ベケットとキーラ、L3-37らが精製前のコアキシウムを奪取するためケッセルに向かった。

 アニメ「反乱者たち」では、エズラ・ブリッジャーらゴーストチームがケッセルのスパイス鉱山からウーキーたちを解放した。

 また、「クローン・ウォーズ」ファイナル・シーズン 第6話「危険な取引」では、それまでのケッセルのイメージとは異なる緑豊かなエリアが描かれている。

ジャクー

 同じく、照準コンソールが盗まれたことに言及されているのはジャクーだ。

 ジャクーは、『フォースの覚醒』にてレイがひとりで暮らしていた砂漠の惑星。『エピソード6/ジェダイの帰還』の1年後には、反乱軍と帝国軍の最終決戦であるジャクーの戦いが起こり、帝国軍が敗北したことにより銀河内戦は終結、この時に発生した多量の兵器の残骸によってその29年後の『フォースの覚醒』の頃に至るまで、レイのようなゴミ漁りを生業とする者が多くいた。

リーダ・モスマ

(C)2022 Lucasfilm Ltd.

 第4話「アルダーニ」での夫、ペリン・ファーサに続き、第5話「やった側は忘れる」ではモン・モスマの娘であるリーダ・モスマが登場。

 レジェンズでは、モン・モスマの娘はウェスト・エンド・ゲームスからリリースされた「スター・ウォーズ ロールプレイングゲーム」の「ダーク・エンパイア」ソースブックにて言及され、その後2002年の書籍「The New Essential Guide to Characters」でリーダという名であること、2008年の「The Complete Star Wars Encyclopedia」にてリーダ・モスマとフルネームが設定されていた。

 正史(カノン)では初めての登場となるモン・モスマの娘は、このレジェンズでの名前がそのまま継承されたことになる。

クローン・トルーパーのフィギュア

 シリル・カーンがキャシアン・アンドーのホログラムを見つめるシーンで、部屋の壁沿いにクローン・トルーパーのフィギュアが置いてあることが確認出来る。

 フォーカスは合っていないのだが、そのフォルムはクローン・トルーパー フェイズⅠのアーマーのようだ。クローン戦争の終結から時が経ち、戦いの英雄ということでアクションフィギュア化されているのだろうか…

 また、この部屋はシリル・カーンが子どもの頃から使われていたようだ。『スター・ウォーズ』ギャラクシーでの子ども部屋おじさんとなったシリル・カーンの今後はいかに…

サンカラ・ストーン

 ルーセン・レイエルのアンティーク・ギャラリーショップの展示物には、「キャシアン・アンドー」第4話「アルダーニ」でも多数のアイテムがあり、その中にはカーボン凍結されたブロックの表面に巻いた状態のムチが見えたが、第5話「やった側は忘れる」ではよりはっきりと『インディ・ジョーンズ』ネタが登場!

 エピソードの終盤、クレヤ・マーキと話しているルーセン・レイエルの背後の右側の棚の上部に、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でモラ・ラムが集めていたサンカラ・ストーンが見える!

 第4話「アルダーニ」よりも、はっきりと見えるジェダイ・ホロクロンとシス・ホロクロンの右側にある。

 サンカラ・ストーンは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』にてドライデン・ヴォスのヨットであるファーストライト内の個人博物館でも確認出来る。

 『スター・ウォーズ』ギャラクシーでも複数が存在するお宝なのか…

 「キャシアン・アンドー」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中。

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