クローン・ウォーズ第１６話「内なる敵（The Hidden Enemy）」レビュー

　「スター･ウォーズ　クローン・ウォーズ」第１６話「内なる敵（The Hidden Enemy）」レビューです。

　クリストフシスが分離主義者の攻撃にさらされ、救援に駆けつけた共和国軍。
　オビ＝ワンとアナキンは、クリストフシスの市街戦で分離主義者の待ち伏せを狙っていた。２つのビルから十字砲火し、バトルドロイドの大軍を一網打尽にするのだ。

　しかし分離主義者の軍隊は突然、待ち伏せのポイントを迂回してきた。その直後、オビ＝ワンがいるビルにバトルドロイドがなだれ込んで来る。オビ＝ワン率いる共和国軍はあっという間に包囲され、逃げ場がなくなってしまう。

　向かいのビルにいたアナキンとレックスの部隊は異変に気が付き、すぐにオビ＝ワンたちの救援に向かう。多くの犠牲が出てしまったが、この戦いの最中に分離主義者の戦術ドロイドの頭部を奪うことに成功。

　なんとか苦境を脱出し、基地で戦術ドロイドの頭部の解析を進める共和国軍。そこで明らかになったのは、このドロイドが共和国軍が待ち伏せしているポイントを正確に把握していたという衝撃的な事実だった。
　待ち伏せ地点がバレたのは偶然ではなく、分離主義者は共和国の機密情報を知っていたのだ。

　オビ＝ワンは、二重スパイが内部にいるのではないかと疑う。彼はコーディとレックスに、注意を呼びかけるとともに、ジェダイが行う任務を極秘にするように指示。

　ジェダイが去った後、コーディは手近にあったコムリンクが作動していることに気が付いた。何者かが、これまでの会話を聞いていたのだ。
　その時、通路から怪しい人影が走り去る。追いかけるレックスとコーディだが、通路の先にあるドアは１つ。そのドアは、クローントルーパーが大勢いる食堂だった。裏切り者は、クローンなのか？

　レックスとコーディはジェダイに連絡を取ろうとするが、クリストフシスの街をＢＡＲＣスピーダーで進む彼らはバトルドロイドによって通信妨害をされていた。しかし、バトルドロイドたちは攻撃を加えてこない。
　分離主義者は彼らの拠点にジェダイを誘導したいのだ。オビ＝ワンとアナキンは罠と知りながらも分離主義者の拠点を目指して進む。

　Ｒ２は基地の通信記録から、異常を発見。その通信はスリック軍曹の部隊の兵舎につながれていた。ここにいるメンバーは、スリック軍曹、チョッパー、ガス、スケッチ、ジェスター、パンチ。彼らの中に裏切り者がいるのだろうか？

　オビ＝ワンとアナキンは分離主義者の指令センターに到着する。警備がまったく付いていない指令センターには、アサージ・ヴェントレスが待ち受けていた！

　ライトセーバーの戦いが始まった。この戦いの行方は？そして裏切り者は誰なのか？

　厳格に規律を守るクローン・トルーパーが、まさか共和国の敵になるとは思いもよらぬ展開に。裏切り者を探し出すサスペンスが大きな見所となっています。

　命令を忠実に遂行するクローン・トルーパーたちですが、今回のエピソードでクローンたちも１枚岩ではなく、自由を求める思想の個体がいることがわかるので、最終的にはオーダー６６に従うことになる彼らの知られざる葛藤や、正義に見える共和国がクローン・トルーパーたちを問答無用で戦場に駆り出すのは倫理的にどうなのかという問題提起などが、今後描かれていくのかも知れません。

　シリーズのファンには、劇場版に登場したクリストフシスが再び舞台となったのも驚きでしょう。ただ時系列では、本作は劇場版の前日談となるのでアナキン、オビ＝ワンがアソーカと出会う前のエピソードとなります。

　そのため、劇場版の冒頭でオビ＝ワンと対面したローム・ロースサム将軍が登場したり、オープニングでジャバのセールバージを襲い、ロッタを誘拐したイカのような形状のアサージの船、トライデントがチラリと映るなど、随所にリンクする部分があります。

　このことから、実は「クローン・ウォーズ」はエピソード順の時系列ではないことがわかります。これはセカンドシーズンでも顕著になる模様です。

　クローン・トルーパーの兵舎には、シリーズおなじみのトワイレックのピンナップに加え、ナブーの侍女まで！

【オマージュポイント】
・レックス、コーディとスリックが戦うシーンで、『クローンの攻撃』のスピーダーチェイスの音楽のバリエーションバージョンが流れます。

　次回「クローン・ウォーズ」は「ブルー・シャドー・ウイルス（Blue Shadow Virus）」！シーズン１も残すところあと６話！次回はなんと１時間スペシャル！
　分離主義者の生物兵器研究所を捜索していたパドメとジャージャーが捕まった！アナキン、オビ＝ワン、アソーカは彼らを救い、恐ろしいウイルスを食い止めることが出来るのか？

hikkoshi