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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」レビュー/トリビアチェックポイント【ネタバレ注意】

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」レビュー/トリビアチェックポイントです。

 この記事では、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」のストーリーやレビュー(感想・考察・批評)、トリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストを綴っています。

 この記事はネタバレがございますので、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」の本編鑑賞後にご覧ください。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン1、シーズン2、またファイナル・シーズンの他のエピソードについては、以下のカテゴリーからご参照ください。

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「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」レビュー

わずかな隙間を希望に、突破口を見出す

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 タンティス山を目指して、逆襲の狼煙が上がる!

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズンもこの第13話「突破口」を含めて残り3話となり、本エピソードはバッド・バッチとオメガが挑む最後のミッションを三部作構成としたうちの序章にあたる。本稿執筆時点は第13話「突破口」の配信開始直後であるため、残る第14話、第15話は未見ではあるが、「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンの全エピソードが配信されてから第13話~第15話を連続視聴すると、おそらく1作の長編エピソードのようにシームレスに感じる構成なのだろう。

 前話であるファイナル・シーズン 第12話「ジャガーノート」が痛快作であり、すでにバッド・バッチの逆転劇ははじまっていたが、今回は立ちはだかる高い壁の全貌が現れ、その壁の中にあるわずかな隙間を希望に立ち向かっていく。まさにエピソードタイトルの通り「突破口(Into the Breach)」を探し出して、そこに入り込もうとする話だ。

 ファイナル・シーズン 第11話「覚悟の時」で敗北したものの、バッド・バッチは捕らえられたオメガを救出するためウェイランドのタンティス山の位置を探し、オメガは自力で帝国軍施設からの脱出を図る。バッド・バッチにはかつての敵であるランパードに加え、仲間であるエコーも合流。オメガもこれまでバッド・バッチと過ごした経験と、訓練から学んだことをフル動員し、まさに総力戦で逆襲の狼煙を上げていくかのようだ。 

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」ストーリー

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 オメガはタンティス山の帝国軍施設の保管庫で、同様に囚われているフォース感知者の子供たちであるイヴァ、ジャックス、サミ、ベイルンと知り合う。イヴァはかつてオメガが作っていたトゥーカの人形を、ドクター・カーがくれたと言う。ジャックスとサミは、子どもたち同士であまり会話はしないよう言われており、反抗すると締め付けがひどくなるとオメガに教えるのだった。

 ボーラ・ヴィオのカミーノアンが廃棄した施設にて、ハンター、レッカー、クロスヘアー、ランパートはロー級輸送シャトルに乗って来たエコーと合流。

 ランパートによると、タンティスに行く宇宙船はコルサントの軌道上にある帝国ステーション003に停泊し、座標をナビコンピューターに直送するという手順を踏んでいるという。

 バッド・バッチは、帝国ステーション003でタンティス行きの船から座標を引き出すことにする。帝国の承認コードは毎日変わるためすぐに行動し、ランパートに帝国軍将校の変装をさせ、バッド・バッチはその護衛を装い侵入するのだ。

 オメガはエメリー・カーが血液サンプルの採取作業をしている間に、金属製のツールを盗み出す。これに気付かなかったエメリー・カーは、ドクター・スカルダーからオメガと他の検体を交流させることは賢明ではないと指摘されるが、自身が主任科学者だと押し切る。

 オメガはブロックをいじりながら、他の子どもたちからドロイドの検診の頻度やトルーパーについて情報を集める。オメガは、自身がかつてタンティス山の施設から脱走したこと、そしてみんなを連れて再び逃げるつもりであることを明かす。

 オメガはブロックで保管庫の配置を再現していた。保管庫の壁には、血液サンプルを送るためのチューブがあり、チューブがつながる先を調べたいという。ハッチは先ほど盗んだツールでこじ開けるのだ。オメガは子供たちに、監視の目をそらして欲しいと頼む。

 バッド・バッチはアーマーを極力目立たないように手を加え、ランパートも帝国軍将校の服を着用し、ロー級輸送シャトルはコルサント軌道上の帝国ステーション003に無事に着陸。レッカーはシャトルに残り、通信を監視することに。

 早速、帝国軍中尉はこのシャトルが着陸船リストにないことを指摘し、一行が正規のアーマーではないことから部隊を問われるが、ランパートはこれは極秘任務であり、問題があればターキン総督に確認するように言って中尉を追い払う。

 司令室の警備をするTKストームトルーパーも、ランパートは任を解くと言って立ち去らせるが、司令室内にいた兵器技術者からアクセス・カードの提示を求められたためスタンさせ、端末を確認することに。

 シャトルに残ったレッカーは、シャトルの所属に矛盾があると中尉から識別キーの提示を指示されたため、やむを得ず中尉を倒す。

 ハンターはレッカーからのこの報告に、離陸準備をしておくよう指示。エコーは、第8ベイの科学船がまもなくタンティスへ発つことを確認。しかし、科学船が座標を取得するのは離陸後だった。ランパートは技術的な詳細までは知らなかったのだ。

 そこで、タンティスへ向かう科学船にエコーが忍び込み、近接センサーを無効化させ、シャトルを接舷させて共に移動することに。

 オメガは保管庫の自室に戻り、壁面をこじ開ける。ドクター・スカルダーがオメガの方に近付いていくが、無事にやり過ごせた。オメガは子どもたちに、脱出の道はあると伝える。

 エコーは科学船への潜入に成功。ハンターらはロー級輸送シャトルに乗り込み、近接センサーに検知されない距離を取って後を追う。科学船がハイパースペースへジャンプする前に、エコーは近接センサーを切ることは出来るのか…

密かに、しかし着実に進む脱出計画の緊張感

 この「バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」はバッド・バッチとオメガがそれぞれ、オメガとクローンの仲間たち、またフォース感知者の子どもたちをタンティス山の帝国軍施設から脱出させるため、その作戦を立てていくというストーリーラインだ。

 前話のような正面からぶつかる派手な見せ場ではなく、敵地への潜入や脱出計画の準備がストーリーの中心となっているため、人目を盗んだり、欺いたりする緊張感やサスペンスが全編に流れている。

 キャラクター同士の会話で企てを表現するわけだが、そのセリフのテンポやカットの割り方、音楽による盛り上げ方がそれぞれ効果的に機能し、作戦を立てようとする際の高揚感が高まっている。

 特に、「挑戦するのは好き」だと自身に満ちて堂々としたオメガの表情は、これまでのバッド・バッチと旅した経験やくぐり抜けた数々の冒険に裏打ちされているようで、その微妙な表情の演技に驚く。

帝国により裏切られた2人が、信頼するしかない状況に

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

 「バッド・バッチ」シーズン1とシーズン2の中盤まで、バッド・バッチの主な敵となっていたランパートとクロスヘアー。

 ファイナル・シーズンでクロスヘアーは、帝国軍への忠誠を失った中で信じることをやめないオメガと交流したことで、元の仲間たちであるバッド・バッチとの信頼も取り戻す様子が描かれた。一方のランパートは、帝国軍の圧政に積極的に加担していたが「バッド・バッチ」シーズン2 第8話「真実と結末」にて、上層の指示に従っていたにも関わらず帝国の罪を負わされて退場した。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2 第8話「真実と結末」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 オメガを救い出すためタンティス山の帝国軍施設へと向かう潜入任務が始まる際に、作戦が成功した後に自由にしてくれる保証があるのか問うランパートに、クロスヘアーは信じてもらうしかなく、俺たちもお前を信じるしかないのだと言う。

 共に帝国軍では他者と信頼関係を築かず、また帝国により裏切られた2人が、互いに信頼することしか頼れない状況に置かれて「信じる」という言葉を交わすことは皮肉でありつつも、「信じるしかない」ということが本質的な信頼関係であるとも感じられる、面白い構図だ。

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 さらにエピソードの終盤では、ハンターがエコーを信頼しなければ出来ない行動をする。科学船の近接センサーがエコーによって切られたことを確認する前に、シャトルを接舷させるのだ。

 「バッド・バッチ」ファイナル・シーズンでは、クロスヘアーが転向して戻って来たことから、例えば 第7話「救出」のように信頼関係を軸にしたエピソードが多く、シーズンを貫くテーマのようである。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第7話「救出」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 信頼を元に行動するバッド・バッチは、首尾良くタンティス山があるウェイランドへ向かう手段を手に入れた。最終2話ではタンティス山へ潜入したバッド・バッチと、オメガによる脱走計画が交差して畳みかけていくことになりそうだ。ここでも信頼はひとつのキーワードとなると思われるので、各キャラクターが困難の中で織り成すドラマに注目したい。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」トリビアチェックポイント

ボーラ・ヴィオ

バッド・バッチがエコーと合流した場所は、「バッド・バッチ」シーズン1 第9話「失われた賞金」の舞台となったカミーノアンが廃棄したボーラ・ヴィオの施設だ。

 「バッド・バッチ」シーズン1 第9話「失われた賞金」では、捕らえられたオメガを引き取り、キャド・ベインへの報酬を支払う場所としてトーン・ウィーはボーラ・ヴィオの廃棄された施設に向かう。オメガはキャド・ベインの元から脱出し、この施設内を逃走。フェネック・シャンドも交えて、オメガの身柄を巡る攻防が繰り広げられた。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」第9話「失われた賞金」のストーリー、レビュー(感想・考察)、トリビアを、ネタバレありで解説します。

バッド・バッチ初期のアーマー

 コルサントの軌道上にある帝国ステーション003に侵入する際に、バッド・バッチのメンバーはそのアーマーから固有のカラーリングやカスタマイズされた要素を取り外しており、初期の装備を見ることが出来る。

『アルカトラズからの脱出』、『沈黙の戦艦』からの影響

 この「バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第13話「突破口」でのオメガによるタンティス山の帝国軍施設の保管庫に囚われた子どもたちとの脱獄計画は、クリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』(1979年)や、スティーヴン・セガール主演の『沈黙の戦艦』(1992年)からインスピレーションを与えられている。

磁気吸引チューブ

 「バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第11話「覚悟の時」では、フィー・ジェノアの宇宙船であるプロヴィデンスに磁気吸引チューブに似た装置が取り付けられていたが、第13話「突破口」では帝国軍の科学船がアストロメク・ドロイドたちを収容する際に使用しているところが見られる。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」ファイナル・シーズン 第11話「覚悟の時」のレビューやトリビアを、ネタバレありで解説します。

 「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

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