Disney+ (ディズニープラス)で配信中の「マンダロリアン」シーズン1 第8話「チャプター8:贖罪」のエピソードガイドです。
このエピソードガイドは、「チャプター8:贖罪」のストーリー、隠れ要素(イースターエッグ)やオマージュなどのトリビアの解説といった、このエピソードをより深く知るためのテキストをまとめています。
この記事は「マンダロリアン」シーズン1「チャプター8:贖罪」までのネタバレを含んでいます。本編鑑賞後にご覧ください。
「マンダロリアン」シーズン1全体のネタバレなしレビューは、以下のエントリーをご参照ください。
目次
「チャプター8:贖罪」ストーリー
クイールからザ・チャイルドを奪ったスカウト・トルーパーたちは、チェックポイントに到着して街へ戻って良いか、友軍への通信で確認する。モフ・ギデオンによって地元の一分隊が抹殺されたというのだ。
確認を待つ間の時間を持て余したスカウト・トルーパーたちは、ブラスターピストルで射撃の練習をして外し続けたり、ザ・チャイルドの様子を確認しようするなど雑談を続ける。しかし、ザ・チャイルドがあまり動かなくなったことで、収容しているカバンを開けて生存を確認すると、ちょっかいを出していたひとりのスカウト・トルーパーはザ・チャイルドに指を噛まれてしまう。
そんなスカウト・トルーパーたちの前に、ナース・ドロイドと名乗るIG-11が現れ、ザ・チャイルドを返すように言う。
IG-11は2人のスカウト・トルーパーを倒し、スピーダー・バイクに乗ってザ・チャイルドを奪還する。
ネヴァロのカンティーナは、帝国軍の残党によって包囲されていた。マンダロリアンは、同胞の隠れ家へとつながる下水道へ行くルートを探す。
帝国軍の残党は、Eウェブ重連射式ブラスターを設置し始めた。マンダロリアンがヘルメットのスキャンにより下水道へのルートを確認し、キャラ・デューンはブラスターで格子を破壊しようとする。
モフ・ギデオンは、Eウェブ重連射式ブラスターの設置が完了したこと、またこの武器にもし詳しくなければ、共和国のショック・トルーパーであるオルデランのキャラシンシア・デューンが、この前のモデルのブラスターにより多くの仲間が瞬時に消されるのを見てきたはずだから、聞けば良いと言う。
さらに、マンダロリアンの身元についてもディン・ジャリンであるとその本名を言う。マンダロア包囲戦の歌を聞いたことがあるだろうと言い、今回と同じ指令を受けたガンシップが、マンダロリアンの新兵たちを壊滅させた戦い「千の涙の夜」について話す。
またグリーフ・カルガの身元も知っており、武器を置いて投降するよう迫る。
グリーフ・カルガがギデオンの提案について聞くと交渉の場を設けると言うが、信頼の保証は出来ず、グリーフ・カルガが契約違反をしたように、喜んで約束を破ってお前をこの手で殺すと言う。唯一保証出来るのは、自分の利益を優先して行動すること。そして日没までに降伏しなければ、Eウェブ重連射式ブラスターを発射すると宣告する。
表に出てチャンスを探ろうとするグリーフ・カルガと、自力で脱出しようとするキャラ・デューン。そしてマンダロリアンことディン・ジャリンは、モフ・ギデオンのことを知っていた。
キャラ・デューンは、モフ・ギデオンは戦争犯罪で処刑されたはずと驚く。ディン・ジャリンという名前で呼ばれていたのは子どもの頃だけで、出身地はマンダロアではないと言う。マンダロリアンとは種族名ではなく、ひとつの教義なのだ。
クローン戦争。ディン・ジャリンが子どもの頃、故郷が分離主義者の攻撃を受ける。ドロイド・ガンシップからの爆撃や侵攻するスーパー・バトル・ドロイドから逃げるディン・ジャリンの両親は、ディン・ジャリンをシェルターに避難させる。
しかし、スーパー・バトル・ドロイドがシェルターの扉を開け、ブラスターを構えた。
その時、スーパー・バトル・ドロイドにブラスターが命中した。ひとりのマンダロリアン・アーマーを着た戦士が、ディン・ジャリンに手を差し伸べて手招きする。
地上では、デス・ウォッチ マンダロリアンたちがスーパー・バトル・ドロイドと戦っていた。ディン・ジャリンを抱えたマンダロリアンが、ジェットパックで空へ飛び立つ。
孤児となったディン・ジャリンは、マンダロリアンの戦闘部隊で育ち、成長して彼らの教義に誓いを立てた。自分の家族の名前はマンダロアの記録にしかなく、モフ・ギデオンは大粛清の頃に帝国保安局にいたため、ディン・ジャリンはモフ・ギデオンを知っていると言うのだ。
モフ・ギデオンが3人をすぐに殺さないことから、帝国の残党はまだザ・チャイルドを手に入れていないとディン・ジャリンは推測。クイールに再度連絡を取るが、応答はない。
しかしザ・チャイルドの鳴き声と、クイールは殺害されたと報告するIG-11の声が聞こえた。IG-11は子どもを守るという基本的な機能を果たしていると言ってスピーダー・バイクで疾走し、帝国軍の残党によるネヴァロの街の検問を突破。街中のストームトルーパーたちを次々に倒しながらカンティーナの前まで突撃し、包囲するトルーパーを攻撃していく。
包囲が崩れたことから、ディン・ジャリンらも反撃を開始。Eウェブ重連射式ブラスターを奪って掃射する。カンティーナでは、扉をデス・トルーパーが爆破。キャラ・デューンと銃撃戦を繰り広げる。
モフ・ギデオンは、Eウェブ重連射式ブラスターの携帯用融合ジェネレーターを撃って大爆発を引き起こし、ディン・ジャリンは吹き飛ばされる。キャラ・デューンが重傷を負ったディン・ジャリンを抱きかかえ、グリーフ・カルガとIG-11が援護しながら一同は再びカンティーナに隠れる。
カンティーナ内で、IG-11は下水道への格子を破壊する作業に取りかかる。ディン・ジャリンは、俺はもうダメだから置いて行き、ザ・チャイルドをマンダロリアンの隠れ家まで連れて行って欲しいと頼み、ミソソー(ミソサウルス)のペンダントをキャラ・デューンに託す。
カンティーナの外では、インシネレーター・トルーパーが火炎放射器で建物に火を放ち始めた。カンティーナに入ったインシネレーター・トルーパーは、さらにディン・ジャリンたちに向けて火炎放射器を放つ。ところが、ザ・チャイルドが両手をかざすと炎の勢いは止まり、さらにインシネレーター・トルーパーに向かって跳ね返っていく。トルーパーは、爆炎を受けてカンティーナの外に吹き飛ばれた。
フォースを使ったザ・チャイルドは、その場に倒れてしまう。IG-11はザ・チャイルドをキャラ・デューンに託し、自身はマンダロリアンを連れて行くと言う。ディン・ジャリンは、IG-11に自分を殺せと言うが、今のIG-11はハンターではなくナース・ドロイドだ。救命のため、ヘルメットを取ろうとするIG-11に対し、取れば殺すとブラスターを突きつけるディン・ジャリン。生きている者にはヘルメットの下の素顔を見せないと誓っているのだ。
IG-11は、自身は生きている者ではないと言ってディン・ジャリンのヘルメットを外し、バクタ・スプレーを吹きかける。セントラル・プロセッシング・ユニットが損傷を受けていると言うIG-11に、ディン・ジャリは自身の脳がダメージを受けたと思ったが、これはIG-11が場を和ませようとしたジョークだった。
下水道を進むキャラ・デューンとグリーフ・カルガに、IG-11とディン・ジャリンが合流する。ディン・ジャリンは、普段市場から隠れ家に入っているため地下の道はわからないが、グリーフ・カルガは硫黄のにおいをたどれば川が流れる平原に出るはずだと言う。
バクタ・スプレーが効いて回復してきたディン・ジャリンは、自らの足でマンダロリアンの隠れ家を探す中、マンダロリアン・アーマーが山積みとなっている場所を見つける。
グリーフ・カルガが賞金稼ぎギルドを率いて襲撃した際、ディン・ジャリンがザ・チャイルドとともに逃げた後には賞金稼ぎギルドの傭兵たちは離散したと、グリーフ・カルガはこの件への関与を否定。なおもグリーフ・カルガに詰め寄るディン・ジャリンの前に、アーマラーが姿を現し、彼のせいじゃないと言う。
マンダロリアンたちは、隠れ家を出れる危険を承知の上で行動し、直後に帝国軍の残党がやって来て、その結果こうなったのだとアーマラーは説明し、ほかに生存者がいることを願っているし、星を出た者もいるかも知れないと言う。ディン・ジャリンはアーマラーに一緒に行こうと言うが、彼女は残ったものを回収するまでは離れないと言う。
アーマラーはマンダロリアン・アーマーを炉にかけながら、何を守るためにここまでの危険をおかしたのかディン・ジャリンに問い、ディン・ジャリンは、ザ・チャイルドを見せてこいつのためだと言う。ザ・チャイルドを救ったディン・ジャリンは、ザ・チャイルドにマッドホーンから救われもしていたことを話す。
ザ・チャイルドは無力ではなく、心で物体を動かす力を持っている種族であるとディン・ジャリンは説明すると、そうした力を持っているジェダイと呼ばれる魔術師の一団がマンダロア・ザ・グレートと大昔に戦った昔話があるとアーマラーは言う。
また、ザ・チャイルドの仲間は敵だったが、その個体は敵ではないとアーマラーは言う。これは孤児であり、教義によってディン・ジャリンが面倒を見て、仲間の元へ送り届けるように言うアーマラーに、ディン・ジャリンはこいつの故郷を銀河中探し回って、敵の魔術師の元へ戻せと言っているのか聞くと、アーマラーは一言、我らの道と唱和する。
帝国の残党から逃れるための脱出計画についてキャラ・デューンが切り出すと、下り坂のトンネルの先に川があり、その川が溶岩原に続いていると教える。
ディン・ジャリンは、アーマラーを手伝い、傷を回復させるため残ると言うが、教義によってザ・チャイルドを仲間の元に送り届けるか、成人するまでディン・ジャリンが父親になるのだとアーマラーは言い、ディン・ジャリンもザ・チャイルドとともに行くよう促す。
アーマラーは、ディン・ジャリンの装甲服の肩の部分にマッドホーンをデザインした紋章を刻み、クラン・オブ・ツーと名付けた。
トンネル内には、ストームトルーパーたちが入り込んでいた。
アーマラーはディン・ジャリンの旅へのはなむけとして、ライジング・フェニックスの訓練を受けたか聞く。子どもの頃に受けたと話すディン・ジャリンに、アーマラーはジェットパックを渡す。修練しなければ使いこなせないので、傷が癒えたら練習するようにと告げる。
ブラスターの銃声が響き、IG-11が通路が安全であると言う。再度、アーマラーに一緒に行くよう促すディン・ジャリンだったが、アーマラーはここが居場所であるとゆずらない。
ディン・ジャリンたちが出て行き、ひとり残されたアーマラーの前にストームトルーパーの一団がやって来る。仲間がどこにいるか聞くトルーパーたちだったが、あっという間に工具を操るアーマラーに全員倒される。
ディン・ジャリンたちは、溶岩の川にたどり着いた。ボートのフェリー・ドロイドは機能していないが、ボートを押し出し、下流に行くことにする。ボートが動き出すと、フェリードロイドが再起動した。アストロメク・ドロイドにオールを漕ぐ手足が付いたようなフェリードロイドに、川下に行くよう命じる。
トンネルの出口が見えてくるが、ディン・ジャリンのヘルメットのスキャンでストームトルーパーたちが待ち伏せしていることが判明。キャラ・デューンは、フェリードロイドにボートを止めるように言うが止まらず、破壊しても止めることが出来ない。
IG-11は、突破するのは不可能であり、ザ・チャイルドを助けるためには自身が犠牲になるしかないとする。ディン・ジャリンは、IG-11が必要だと引き留める。IG-11は、ナースドロイドの能力でディン・ジャリンの声に悲しみを感じ取る。ザ・チャイルドをひと撫でし、IG-11は溶岩の中に足を踏み入れる。
トンネルの外に出たIG-11を取り囲むトルーパーたち。IG-11は溶岩の中でよろけながらも、捕獲される前に作動する製造者のプロトコルによって自爆する。
爆発によってトルーパーは一掃され、ディン・ジャリンたちを乗せたボートはトンネルの外に出たが、上空にモフ・ギデオンが乗るタイ・ファイターが飛んできた。ボートに向かって掃射するタイ・ファイターを、ディン・ジャリンたちも迎撃するが対人用のブラスターではあまり効果がない。
そこでディン・ジャリンはジェットパックを装着し、タイ・ファイターが向かってくるのに合わせて上空へ飛び、グラップリング・ケーブルを引っ掛けてタイ・ファイターの機体にしがみつき、コックピットをブラスターで狙う。モフ・ギデオンはタイ・ファイターを回転させてディン・ジャリンを振り落とそうとする。ディン・ジャリンは、1度は落としてしまうものの、デトネーターをタイ・ファイターに設置することに成功。爆発したモフ・ギデオンのタイ・ファイターは墜落した。
ディン・ジャリンもジェットパックでキャラ・デューンとグリーフ・カルガ、ザ・チャイルドのもとに戻る。ストームトルーパーは一掃されたが、キャラ・デューンは念のためネヴァロに残ると言う。グリーフ・カルガはディン・ジャリンに、賞金稼ぎギルドに戻るなら大歓迎で、まずは自分自身の楽しみをと言う。
ディン・ジャリンはザ・チャイルドを抱きかかえ、今は大事な用があると言う。キャラ・デューンはザ・チャイルドの世話をするように言い、グリーフ・カルガは世話になるのはお前かも、とそれぞれディン・ジャリンに別れの言葉を伝えた。
ザ・チャイルドを連れて飛んで行ったディン・ジャリンは、クイールのヘルメットとともに墓標を作り、レイザー・クレストに搭乗する。ザ・チャイルドは、ミソソー(ミソサウルス)のペンダントを握っていた。ディン・ジャリンが重傷を負った時に、キャラ・デューンに渡していたものだ。もう1度、これを見られるとは思っていなかったと言い、そのままザ・チャイルドにペンダントを渡す。レイザー・クレストは、ネヴァロの空に飛び立った。
墜落したタイ・ファイターに、ジャワたちが群がっていた。突然、タイ・ファイターの機体は内部から斬られていき、中からモフ・ギデオンが出て来た。
その手に握られているのは、マンダロリアンの間で代々受け継がれてきた黒いライトセーバーである、ダークセーバーだった。
「マンダロリアン」はDisney+ (ディズニープラス)にて独占配信中
「チャプター8:贖罪」トリビアチェックポイント
Eウェブ重連射式ブラスター
帝国軍の残党がネヴァロのカンティーナを包囲する中で設置したのは、モフ・ギデオンが発言している通り、Eウェブ重連射式ブラスターだ。
Eウェブ重連射式ブラスターは、『帝国の逆襲』でエコー基地からハン・ソロ、レイア、チューバッカ、C-3POが脱出しようとしていた時、ダース・ベイダー率いるミレニアム・ファルコンを狙うべく設営されていた。
『帝国の逆襲』では、ハン・ソロはミレニアム・ファルコンの対地防衛用砲塔で先にスノートルーパーを倒し、離陸して脱出に成功したためEウェブブラスターが発射されることはなかったが、「マンダロリアン」では実写でその威力が描かれる。
マンダロア包囲戦
モフ・ギデオンが言うマンダロア包囲戦は、クローン戦争の末期にマンダロアで起きた戦いで、「クローン・ウォーズ ファイナル・シーズン」の第9話~第12話「パートⅠ 忘れがたき旧友」、「パートⅡ 幻影の弟子」、「パートⅢ 崩壊」、「パートⅣ 勝利と死」で描かれた戦いだ。
再びマンダロアに戻ってきたモールとデス・ウォッチをはじめとした犯罪組織の同盟シャドウ・コレクティブに対して、ボ=カターン・クライズに呼ばれたアソーカ・タノと、コマンダー・レックスが率いる共和国軍が戦闘。
モールはアソーカとの戦いで捕らえられ共和国軍が勝利したが、直後にオーダー66が発動され、共和国は帝国へと変貌してしまう。
モフ・ギデオンは、このマンダロア包囲戦について言及した後に、ガンシップがマンダロリアンの新兵たちを壊滅させたという「千の涙の夜」の話を出し、同じシチュエーションであるとディン・ジャリンを揺さぶっている。
そのため「千の涙の夜」はマンダロア包囲戦の最中の出来事だと思われるが、ギデオンが語る以上の詳細は今のところ不明だ。
大粛清
「マンダロリアン」シーズン1の随所で示唆されているのは、マンダロリアンたちは『ジェダイの帰還』から5年後の時点で帝国から迫害を受けて危機に瀕しているということ。度々言及されているのは、「大粛清」という出来事だ。
「大粛清」は、劇中のセリフから推測するとマンダロア包囲戦が終わり帝国が成立した後、「滅びた」と言われるに等しいほど多くのマンダロリアンが命を落とした出来事だったようだ(「チャプター6:囚人」のバーグのセリフから)。
「チャプター7:罰」のクライアントによれば、なぜマンダロアはあれほどまで帝国に抵抗したのかと言わしめるほど、その時マンダロリアンは帝国に徹底抗戦したことが伺える。
結果として多くのマンダロリアンが滅び、生き残りはネヴァロにいたように隠れて暮らし、多くのベスカーが帝国の手に渡ることになった。
また「大粛清」が起きた時期は、「反乱者たち」の頃には帝国の支配下ながらもマンダロリアンたちは壊滅という状態にまでは至っておらず、ダークセーバーを手にしたボ=カターン・クライズがマンダロリアンたちをまとめ上げようとしていた。そのため、このヤヴィンの戦いの1年ほど前以降に起きた出来事だと思われる。
シーズン1でマンダロリアンことディン・ジャリンの過去はある程度明かされたが、マンダロア、そしてマンダロリアンに帝国の時代に何が起きたのかは、以降のシーズンでも大きな謎として残されていくことだろう。
帝国保安局(ISB)
ディン・ジャリンは、モフ・ギデオンが大粛清の頃に帝国保安局にいたため彼を知っていると発言している。
帝国保安局は、ISB(Imperial Security Bureau)という略称でも呼ばれ、帝国内での皇帝パルパティーンによる体制に忠実であるかを監視し、反乱の火を消すべく活動する諜報機関。
「クローン・ウォーズ」で共和国の提督として登場し、「反乱者たち」や『新たなる希望』では帝国軍の大佐となっているウルフ・ユラーレンや、「反乱者たち」のエージェント・カラスは帝国保安局の所属だ。
デス・ウォッチ マンダロリアン
ディン・ジャリンが幼少の頃、分離主義者のドロイド軍から救い出してくれたマンダロリアンたちの左肩にデザインされているのは、デス・ウォッチのマーク。彼らはデス・ウォッチの一員だったのだ。
ホットトイズのフィギュアの商品名も、「デスウォッチ・マンダロリアン」とされている。
ディン・ジャリンを救うデス・ウォッチたちはヒーローのように描かれ、ディン・ジャリンを救うことで成長した彼が同じく孤児であるザ・チャイルドを救ったきっかけを作ったとも言える。
孤児を救うという一面は、「クローン・ウォーズ」での犯罪組織とも手を組む過激派グループの顔とはまた異なる印象となったのが面白いところだ。
インシネレーター・トルーパー
ネヴァロのカンティーナに火炎放射器を使用したトルーパーは、インシネレーター・トルーパー。
インシネレーター・トルーパーは、レジェンズとなったゲーム「スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド」のキャラクターで、「マンダロリアン」に登場したことによって正史(カノン)のキャラクターともなった。
バクタ・スプレー
IG-11がディン・ジャリンの治療に使用したのはバクタ・スプレー。
バクタは治療に用いられる医療品で、『帝国の逆襲』でルーク・スカイウォーカーがホスのエコー基地で、バクタ・タンクでワンパの襲撃や遭難での傷を治療しており、あのタンクに満たされていたのがバクタだ。
「Scum and Villainy」
モフ・ギデオン率いる帝国の残党との戦いが終わった後、グリーフ・カルガは「クズや悪党(Scum and Villainy)が消えて」と言うが、『新たなる希望』でモス・アイズリー宇宙港についてオビ=ワンは「クズと悪徳のみじめな巣窟(Wretched Hive of Scum and Villainy)」と表現している。
ダークセーバー
ラストシーンで、モフ・ギデオンがタイ・ファイターから脱出する際に使用したのはダークセーバーだ。
ダークセーバーは、1000年以上前にジェダイ・オーダーに加わった最初のマンダロリアンであるター・ヴィズラが作った、黒く刃物のような形状を持つライトセーバー。
ター・ヴィズラの死後、ジェダイ・テンプルにあったこのダークセーバーを旧共和国が滅びた際にヴィズラ家が強奪して以降は、マンダロリアンの間で代々受け継がれ、その所有者は指導者となるというマンダロリアンを統べるシンボル的な存在となっている。
クローン戦争中は、プレ・ヴィズラの手にありジェダイとの戦いに用いられていた。
デス・ウォッチを率いるプレ・ヴィズラと手を組んだダース・モールは、彼らの同盟によるシャドウ・コレクティブがマンダロアを支配したタイミングでプレ・ヴィズラに決闘を挑み、伝統によってプレ・ヴィズラがこれを断れないと踏んだ上で勝利し、ダークセーバーを奪取。マンダロアの支配者の座も奪った。
その後、モールによって使用されていたが「反乱者たち」でサビーヌ・レンの手に渡り、ダークセーバーを持つ意味を理解しているサビーヌが所有を固辞する間はケイナン・ジャラスが一時的に預かっていた。
そして、マンダロリアンの指導者にふさわしい者を探していたサビーヌ・レンの手から、ボ=カターン・クライズに渡され、マンダロリアンがダークセーバーの元にまとまろうとしていた。
こうした経緯から、ギデオンがダークセーバーを所有しているラストシーンは、「なぜギデオンがダークセーバーを持っているのか?」という衝撃と謎を呼ぶシーズン1のクリフハンガーとなっているのだ。
「罪」と「罰」、そして「贖罪」の意味を考察
「マンダロリアン」シーズン1のエピソードタイトルは、「チャプター3:罪」、「チャプター7:罰」、そして「チャプター8:贖罪」と、「罪」についての一連の流れを持ったタイトルが付けられている。
このサブタイトルの「罪」が指すものは、様々な解釈があると思うが、ディン・ジャリンが賞金稼ぎギルドを裏切ったことに対する罪であると思う。
幼い子どもに危害を加えるという倫理観を置いておけば、ディン・ジャリンはクライアントが頼んだ仕事である標的を、代金を受け取った上で再び奪い返すという、ビジネスに置き換えたらかなりの蛮行を行っている。もちろん、加わっている賞金稼ぎギルドの評判も傷付けたことだろう。
この罪により、ディン・ジャリンはクライアントを殺さない限り追っ手に追われ続け、クライアントの前に再び引き出されたことで、モフ・ギデオンの攻撃を受けて重傷を負い、マンダロリアンの隠れ家の同胞たちも、自分がザ・チャイルドを助けたことによってその多くが失われてしまうという「罰」を受ける。
その罰を背負いながらも、孤児であった自分と同じザ・チャイルドを守り、育て、仲間の元に返すという決意を立てることで罪を贖う「贖罪」に至るという意味なのだと思う。
この「贖罪」の旅の果てに何があるのか、ディン・ジャリンとザ・チャイルドの行方を見守りたい。
「チャプター8:贖罪」サウンドトラック収録曲
「マンダロリアン」のサウンドトラックは、本作がディズニープラスで独占配信のシリーズということもあってか、そのサウンドトラックもCDは発売されず、音楽配信サービスでのデジタル販売のみとなっている。
各エピソードごとにアルバム形式で販売されるとともに、各楽曲ごとに単品で購入することも可能。
シーズン1の第8話「チャプター8:贖罪」の収録曲は、以下の通り。
- 1. Check Point
- 2. Nurse Droid
- 3. The Ewebb
- 4. A Thousand Tears
- 5. Nurse and Protect
- 6. A Warrior’s Death
- 7. What Remains in the Tunnels
- 8. Clan of Two
- 9. Sacrifice
- 10. Mando Flies
- 11. The Baby
2005年より「スター・ウォーズ ウェブログ」を運営。「『スター・ウォーズ』究極のカルトクイズ Wikia Qwizards<ウィキア・クイザード>」世界大会優勝者。ディズニープラス公式アプリ「Disney DX」のオリジナル動画や記事など、様々な出演/執筆も行っています。2010年、『ファンボーイズ』日本公開を目指す会を主宰しました。